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【カンボジアニュース】日本語を話すカンボジア人に、高給で怪しい仕事の勧誘が多発

最近シェムリアップでは、日本語が話せるカンボジア人を対象に、高額の仕事を勧誘や斡旋する事例が多数聞こえてきます。仕事の内容は日本語文章の校正や、日本人とビデオチャットで世間話するなどの簡単なものであるとの説明で、優秀な人は月給1万ドルになると説明されることもあるようです。

最近では、コロナの影響で撤退した日系旅行会社の事務所スタッフがまとめて採用されたり、シェムリアップで日本人に雇用されていたスタッフが引き抜かれる事例も散見されます。

雇用形態は、日本人が代表を称する現地会社が採用する例や、テレグラムなどを利用し個人契約を結ぶ例などが確認されていますが、少なくとも50名以上の日本語話者が既に契約し、業務を行っている模様です。

実際に勧誘された例では、「仕事内容は日本人とのビデオ通話で、(仕事内容は)世間話です」といった、簡単な仕事であるアピールがなされています。また「この仕事も安定です。多い人は月1万ドルもらっています」といった表現で、高額で安定した報酬をアピールしています。その一方で「グレー産業ですので、やれるかどうかはあなた次第です」といった表現をすることで、常識より高給な仕事の内容について匂わせることで、求職者の踏み込んだ決心を求めています。

リクルーターとカンボジア人日本語話者とのやりとり
リクルーターとカンボジア人日本語話者とのやりとり

昨年5月には、シェムリアップからほど近いタイ国境アンロンベンで、現地有力者が保有し中国系のマフィアが運用していると思われるカジノ併設の拠点において摘発が行われ、日本人7人が拘束されました。日本への送還後に、佐賀県警がそのうちの3人を逮捕しています。現地での拘束人数と異なることから、パスポートを取り上げられ軟禁状態で強要されていた被害者もいることが推察されています。また実際には摘発ではなく引き渡しだったとも言われており、現地での中国マフィア等の影響力が推察されます。同時に日本の反社が多国籍で連携する国際化を懸念する声も聞こえてきます。

昨年日本人が拘束されたアンロンベンのカジノ
昨年日本人が拘束されたアンロンベンのカジノ

また昨年には、シェムリアップで高額の報酬がもらえる仕事があるとの、SNSでの求人宣伝も確認されています。宣伝では具体的に、「カンボジア現地採用10名急募。月給3500ドル。Aさんは勤続7ヶ月で月給7000ドル。基本的なPC作業とスマホがいじれればOK。往復航空券、現地での社宅、一日三食は全て無料。すでに10人ほどいる日本人スタッフは毎日和気あいあい。外国の方も多く在籍。」といった表現がなされていました。

昨年、インターネットで公募されていたシェムリアップでの求人情報
昨年、インターネットで公募されていたシェムリアップでの求人情報
昨年、インターネットで公募されていたシェムリアップでの求人情報
昨年、インターネットで公募されていたシェムリアップでの求人情報

最近では、国境パイリンのオンライン詐欺拠点でパスポートを取り上げられ逃げ出すこともできないとして、12月25日に救助を求める電子メールでの連絡が日本大使館にありました。大使館からの要請を受け、12月28日に国家警察は中国或いは台湾マフィアの拠点とみられる拠点から日本人1名を保護し勾留しました。この拠点には日本人はこの1名しかおらず、彼は日本語の校正を担当していました。この日本人は以前、SNSで以下のような投稿をしていました。

SNSでの投稿

昨年来、カンボジアにおける反社会勢力の跋扈が日本のメディアでも報道されるようになり、多くの日本人がカンボジアにおける実態について認識するようになりました。また、特殊詐欺拠点の摘発が複数回行われるようになった現状で、日本人の求人難が生じているのかもしれません。そのような状況の中で、日本人の代わりに日本語話者を使った仕組みが構築されている可能性もあると推察されます。

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