Shirl's Speight



・血統

SpeightstownはBCスプリント勝ち馬。 
種牡馬としてはドバイGS勝ち馬ReynaldothewizardSwitzerlandなど米国を中心に多数のGI勝ち馬を輩出。高松宮記念勝ち馬モズスーパーフレア、全日本2歳優駿勝ち馬リエノテソーロ、ドバイGS・リヤドDS2着馬マテラスカイなど日本に輸入されて日本で活躍したこれらの馬は馴染みが深い馬かと思います。 
Perfect Shirlは兄弟馬にGI2勝のShakespeare が居る血統馬。Perfect ShirlはBCフィリー&メアターフ勝ち馬だが、オペラ賞勝ち馬でBenbatlの母でもあるNahrain、愛1000ギニー勝ち馬Misty for Meを完封。同レースには仏オークス勝ち馬でソウルスターリングの母でもあるStacelitaも出走していることからレベルが低いとは言えないレースだった。


ここから解説に移ります。 



本馬は北米の名馬を多数輩出しているLa Troienne牝系の出身。
1/4異系の血統構成でSecretariat、Bold Rulerの多重クロスを内包。父SpeightstownはSecrettame≒Terlingua≒Silken Doll(Bold Ruler*Princequillo*Tom Fool)2*3・2の配合で、モズスーパーフレアやマテラスカイはこの血脈の増幅を内包。本馬は母父Perfect SoulがSecretariatを内包することから上記のkey血脈を増幅。 しかし2代母Lady ShirlはBold Rulerの血脈を持たず、更に4代母HeatherglowBlenheim3*5、Bubbling Over4*5、La Troienne4*5、Mumtaz Mahal4*5とクロス過多。緊張と緩和の観点から見れば理想的で均衡が取れた配合と言えるかと思います。現にReynaldothewizardは上記のkey血脈を1つも持たないことは良い例かと思われます。


・過去レース(Maker's Mark Mile Stakes ~)


・Maker's Mark Mile

ラップタイム(1:35.93)
(24.95-24.68-23.75-11.06-11.49)

6頭立てで行われたレースをSmooth Like Straitがゆったりしたラップを刻んだ。
このラップ構成が大きく影響し、逃げたSmooth Like Straitが3着、番手で競馬をしたMasenが2着。Shirl's Speightは3コーナーから追い出し、終始外々を周りながらゴール手前で差し切る内容。前残りの展開を唯一後方から台頭する強いレースだった。
2着馬Masenは今回がアイルランドからの転厩初戦。名調教師であるChad C Brown(昨年元恋人関係にあった厩舎スタッフの呼吸を妨害した罪で逮捕されたことは有名な話)に迎えられての初戦ということからも期待度は低くなく、その後もGIで好走していることから見ればレベルは低いと言えないでしょう。
3着Smooth Like Strait はShoemaker Mile Stakes勝ち馬で2021年のBreeder's Cup Mile2着馬。
弱いとは言えないメンバーの中で展開不問で突っ込んできた内容は評価するべきでしょう。

・Old Forester Bourbon Turf Classic Stakes

ラップタイム(1:49.72)
(24.39-24.63-24.11-24.77-11.82)

当該レースが行われるChurchill Downs競馬場はKentucky Derbyが行われる競馬場で、従来から機動力優勢の適性が求められることに対し、Keeneland競馬場はある程度コーナー角が緩いことから求められる適性はまるで違う。
本馬は中段からの競馬となり、3-4角はインを回って直線もインに拘ったが、前走比較でコーナリングからの推進力は前走の方がはっきりと優勢。対して1,2,3着馬は外を回って台頭したことから、通る位置が変わっていれば結果は多少は変わっていたかもしれない。しかしコーナリングの脆さは際立つ結果となった。

・Salvator Mile Stakes

ラップタイム(1:35.79)
(23.60-23.06-24.52-24.61)


ダートは2021/1/10にGurfstream競馬場で行われた一般競走以来2度目。芝で経験してきたレースとは違い、明らかな前傾ラップでのレースとなり後半は耐久力勝負。
逃げて勝ったMind ControlはホープフルS勝ち馬。昨年暮れにGI3勝目となるシガーマイルHを勝った。
2着Hot Rod CharlieはPennsylvania Derby勝ち馬で、昨年のドバイWC2着馬。3コーナー手前から逃げたMind Controlに取り付き、3コーナーからはマッチレースとなったが差しきれず。
全くと言って良いほど違う展開のレースとなったが、Shirl's Speightは向正面まで先頭に取り付く競馬。3コーナー手前から遅れをとったが、直線はしぶとく脚を伸ばして3着を確保。
砂質が違うことからキックバックを受けにくいものの、道中の挙動からキックバックを気にすることなく追走できたことは収穫。さらに前半のハイラップを追走して最後も脚を使うことが出来たことはSpeightstown譲りと捉えることが出来る内容だった。


・Connaught Cup Stakes

ラップタイム(1:20.31)
(23.19-23.06-22.45-11.66)


全体時計が速く、芝の状況も良かったことから1-4着までがイン前で立ち回った馬が独占。
後方からの馬は全く太刀打ち出来ない状況となってしまったレースだった。
Shirl's Speightはいつも通り中段〜後方での追走。4角はいつも通り外に進路を求めて追うが、前述の通り届かず。距離、トラックバイアス共に向かないレースとなってしまった。

・Ricoh Woodbine Mile Stakes

ラップタイム(1:32.77)
(23.08-22.71-23.60-11.59-11.79)


Woodbine1600mは3角までの距離が2F程度と長く、自ずと前半はハイラップになりやすいコース。それを象徴するように前半4F通過タイム45.79で通過し、3-4角で緩んだ後に持続力戦となったレース。
Shirl's Speightは前半の通過タイムが速くなったことから道中の位置取りは後方。3-4角で追い出したが、4角手前で本馬のインを追走していたModern Gamesが外へ出したタイミングと本馬のすぐ後方を追走していたIvorが外に出すタイミングが重なったことにより本馬は両馬に挟まれる形となり後手を取るロスが発生。長い脚を使うことを身上とする本馬にとっては痛いロスとなり、結果的にそのロスの差だけ負けてしまったと言って良いレースとなった。
1着馬はBreeder's Cup Mileで記載。2着Ivorは伯産馬のアグネスゴールド産駒。亜GⅠ2勝後にアメリカへ移籍。当該レースを使われた後にPegasus World Cup Turf2着と好成績を残している。
ここもメンバーレベルが低いとは言えないレースだった。


・Fanduel Breeder's Cup Mile

ラップタイム(1:33.96)
(23.00-23.81-24.15-11.60-11.40)

Maker's Mark Mileと同じKeeneland競馬場で行われた当該レースは中間ラップが大幅に緩んだもののやはりと言った印象で外差しの決着。1着Modern GamesはGodolphinの専属調教師であるCharlie Applebyの管理馬。Breeders' Cup Juvenile Turf、Poule d'Essai des Poulains勝ち馬で今回がGⅠ4勝とマイル路線では堅実な活躍を見せている馬。3着KinrossはPrix de la Foret、British Champions Sprint Stakes勝ち馬。4着はIvarだからこのレースもハイレベル戦と言って良いでしょう。
本馬は枠なりの競馬を選択して直線入り口で外に出し、Modern Gamesを追うような形で2着と入線。前走の敗戦でオッズを下げたが、前走は前述したように不利がある中でのものだったことから度外視で良かったということでしょう。


・フェブラリーSに向けて

Salvator Mile Stakesの内容から軽めのダートであれば適性は問題ないと判断。大箱コース向きであることは直近のレースから証明されており、中間が緩みやすくL1Fの時計がかかりやすいことを踏まえればこの馬向きの舞台になると言っても過言ではないでしょうか。
器用ではないことを考えれば真ん中から外の枠順が理想かと思われます。
状況次第では買える馬、若しくは本命視できる馬になり得るかと思われます。当方は状況次第で重い印を打つことも検討します。


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