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血統のお話し(調味料と隠し味)

・はじめに

「ディープインパクト×Storm Cat」を例にニックスについて記載したいと思います。
暇つぶし程度にはなるかと思いますので、時間があるときにでも読んでみてください。

・「ディープインパクト×Storm Cat」


巷では有名なニックス配合として世間を騒がせましたよね。

・コントレイル(3代母父Storm Cat)
・ラヴズオンリーユー(母父Storm Cat)
・リアルスティール(母父Storm Cat)
・エイシンヒカリ(母父Storm Cat)
・ダノンキングリー(母父Storm Cat)
・サトノアラジン(母父Storm Cat)
・ラキシス(母父Storm Cat)
・キズナ(母父Storm Cat)

この他に仏ダービー(Prix du Jockey Club)勝ち馬Study of Man(父ディープインパクト×母父Storm Cat)を輩出しています。
「ディープインパクト×Storm Cat」の配合は海外GⅠ含む9頭のGⅠ馬を輩出しているニックス配合と言われる所以も納得できるところですよね。

・父ディープインパクト
・母がStorm Catの血を持つ
この配合馬は何頭が中央でデビューしたか皆さんはご存じでしょうか?

・何頭いるか分かりますか?

該当する競走馬は206頭存在しました。
うち競走馬としてレースに出走した馬は198頭
世界各国を含めれば実際には200頭以上の産駒がレースに出走していることになるでしょう。

・比較してみましょう

では「ディープインパクト産駒」と「ディープインパクト×Storm Cat」で成績に変化はあるのでしょうか。
下記の画像をご覧ください。

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どうでしょうか。
皆さんが期待していた数字、思い描いていた数字となっているでしょうか。
十分にすごい数字となっていることは百も承知ですが、個人的には想像していた以上に勝っていないのかなと思ってしまいました。

・実はこっちのほうが勝っているんです

参考までに
「ディープインパクト×Unbridled」
この配合馬についてもまとめました
下記の画像をご覧ください。

画像2

意外にも勝ち上がり率や重賞勝ち馬輩出率はこちらのほうが高い結果となりました。
「ディープインパクト×Storm Cat」と比較して「ディープインパクト×Unbridled」は有名なニックスとは言えません。
知らない方のほうが多いのではないでしょうか。

・てことはニックスじゃないの?

血統の盲点はこういったところに存在すると考えています。
「ディープインパクト×Storm Cat」がニックスだ!と、言うことは簡単です。
ただ「ディープインパクト×Storm Cat」だけでは不確定要素が多すぎます。

なぜ
・「ディープインパクト×Storm Cat」がニックスなのか。
・Storm Catとはいったい何者なのか。
etc.

ディープインパクトはどのような馬だったか、と聞かれれば競馬ファンの皆さんは誰でも答えることが出来るくらいのスーパーホースでしたよね。ただStorm Catがどんな馬だったか、と聞かれても答えることが出来る方はごく一部だと思います。
個人的意見ですが、どのような競走馬だったのか知る必要性は高く、それを知らなければ血統を理解することは難しいのではないかと思います。

・スパイスや隠し味を探してみませんか?

では不確定要素が多いからこそプラスαを探してみてはどうでしょう。

「ディープインパクト×Storm Cat×α」を考えてみませんか?

料理で例えるならカレーをもっと美味しくするためのスパイスや隠し味を探してみませんか?ということです。
この手の血統だけに限った話ではありませんが、調味料(スパイス)や隠し味のようにプラスαの血脈を取り入れることで勝ち上がり率や重賞勝ち馬輩出率が変化することが多いです。
「ディープインパクト×Storm Cat」の場合は「War Relic≒Eight Thirty」がより近いプラスαになるのかなと思います。ここで「War Relic≒Eight Thirty」を事細かに記載すると脱線しすぎて話がまとまらないと思うので記載しませんが、War RelicはIn Realityの3代父、Eight Thirtyはブライアンズタイムの3代母の父ですので興味がある方は血統表を見てみてください。「ディープインパクト×Storm Cat」の勝ち上がり馬は大抵がこれに該当するはずです。
ディープインパクトは2019年に亡くなったことにより産駒頭数は減少していきます。このデータが使えるデータになるかはわかりませんが、ニックスを考える方向性はお示ししたつもりです。

※キズナ、ラヴズオンリーユーなどは非該当。応用が必要なのでここでは控えます。
※「War Relic≒Eight Thirty」の他にもニアリーは存在しますが、ここでは控えます。


・全部に共通するキーポイント

ディープインパクト産駒に限ったことではありませんが、血統配合にはキーポイントが存在します。
種牡馬や母父馬を理解した上で、配合のキーポイントを見つけることが出来ればいわゆる走る馬をサルベージすることが出来るよね?といったお話でした。
「なんで?」を突き詰めることで見える世界があります。
これらを考えることで論理的に、より深めた考え方が出来るはずです。


・最後に

当方は競馬を始めてから約7年が経ちます。
血統に手を出してからは5年程度でしょうか。最初はオカルト的なものだろうと思っていました(笑)
しかし母父サクラバクシンオーのキタサンブラックが菊花賞を勝ってから意味が分からなくなって血統に対して興味を持ち、そこから調べていくうちになかなかGⅠを勝つことが出来なかったステイゴールドからGⅠ馬が多数輩出され、GⅠを勝った牝馬の産駒が必ずしも名馬になることはないことなどを知って血統の奥深さを感じ、そうしていくうちに自然と魅了されていました。
血統は盲点が多く、知識を持った方々が少ないこともあって間違った解釈が広まりやすいです。実際に当方は競馬本から知識を取り入れたことは一切ありません。その間違った部分はオッズに反映されやすく、いま流行りのAIも血統に入り込むことは容易ではありません。その部分でも血統に出会い、それを突き詰めようとした行動は正解だったのかなと思っています。
基礎的なことが分かれば次の世代、またその次の世代に応用することが出来ます。
無知でひたすら血統と向き合っていた時期と比較すればだいぶ楽になりました。
頭はパンクしそうになりますが意外と血統って楽しいものですよ。


血統の正解には一生たどり着かないと思っていますが、正解に近づくことは可能です。
馬券に活かす方、一口馬主に活かす方、競走馬の浪漫を探したい方など、血統に対する取っ掛かりはどこでも良いはずです。
これから勉強したい方、勉強している方、興味を持っている方などに読んでいただければ幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。


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