答え合わせのできないキャリアの真ん中で、「あいつよりはマシ」って絶対言わないために


自分の置かれている状況について「あいつよりはマシ」と言うことが、知らず知らずのうちに自分の首を絞めることがあるのではないか、と思っている。


人は「選ばなかったもの」に想いを馳せる

働き始めたばかりのころ、多くの人がキャリアについて悩む。

社会人一年め、私もたくさん悩んでいる。
仕事は好きだし楽しいけれど、これが本当に最良の選択肢だったかなんて、今はまだ全然わからない。

真っ暗闇のなかを、微かな光だけを頼りに、分かれ道の多いトンネルを這い蹲って、行きたい場所につながる道を探すような、そういう気持ちで仕事をしてる。
私が正しいと思っている道が間違えてたらどうしようと、よく思う。

あかしゆかさんの言葉を借りると、「『選ばなかったもの』に想いを馳せる」、ことがよくある。


そういうとき、どうしても、「自分より選択を誤ってるっぽい人」のことを見下したくなる。
それが安心するのに、一番手っ取り早いのだ。

「私は専門的な知識がつく仕事に就いているから」「教育がめちゃくちゃしっかりしているから」「福利厚生が充実しているから」「大阪の都心で働いているから」「ネームバリュー、ブランド力がある大企業だから」「先輩が、弊社の経理はつよい、この会社で3年経理やればどこにでも転職できるって言ってたから」

ーーだから、だから私は大丈夫。
そうじゃない人は、どうなっても知らんけど。

恥ずかしいけど、みっともないけど、そういう風に考えてしまうことがある。


そんな時に思い出すのは、佐々木ののかさんが書いた、大好きなnoteの一節だ。

多くの人は自分の胸に手を当て、自分の幸せを平均台の上を歩くように確かめ、揺らぎながら生きているのではないだろうか。

幸せだって言ってんだから、みんな私を祝えバカ / 佐々木ののかさんより)

なんて秀逸な例えなんだろうと思う。不安定な足場も誰かの不幸を足場にすれば、少しは歩きやすくなる。
長くつづく平均台の上をそろりそろりと歩きながら、人の生き方を否定しないと自分が保てないなんて、私はそんな人には絶対に絶対になりたくない。


人のキャリアの答え合わせ、勝手にしないで

これはもう半年以上前の話だけれど、就職活動中に内定承諾をぎりぎりまで悩んで辞退した会社が、私が働き始めた直後に大きな不祥事を起こした。
本社にも工場にも何回も遊びにいって先輩や人事とも仲良くなった、大好きな会社だった。

今の会社と両方で働きたいくらいだったけれど、「生産管理」としての採用だったので東日本の僻地の工場での勤務が多かったこと、今の会社も僻地工場勤務は多いけど「縁もゆかりもない東日本の僻地より地元に近い西日本の僻地のがまだいいな?」っていう、ミジンコくらいの差異を理由に、今の会社を選んだ。
内定を辞退してからも何度も、その会社で働く自分を想像して迷った。

連日その会社の不祥事についてが新聞やテレビで報道されて、それをきっかけにして他の会社の不正もがどんどん明るみに出るような状況で、何人もの友人が「本当に◯◯に行かなくてよかったね!」って爽やかな笑顔で言った。

よかった!なんて言えるわけなかった。むしろニュースを聞いて背筋が凍った。
たまたまうちじゃなかっただけだ、と思った。

メーカーというのは、残念ながら比較的不祥事を起こしたり大きな損失を出したりすることの多い業界だ。

あんな会社に行かなくてよかった!と言うことは、あの会社に憧れた過去の自分を否定することだ。
未来いつか万が一自分の会社が不祥事を起こしたり大きな損失を出したりしたとして、その時の自分の首を強く絞めて殺すことに等しいと思った。

人のキャリアの答え合わせ、勝手にしないで。

「あの人は間違ってたね」って影で言われるのと同じくらい、「あなたは正しかったね!」って表立って言われるのも嫌い。
いつか「やっぱり、間違ってたね」って言われそうで、怖いのかもしれない。


**

かわいそう。かわいそう。まだ私の方がマシ。かわいそう。
あぁ〜あの人は大変ね。会社があんな風になっちゃって。
あの人、最近激務でつらいんだって。
あの人の職場、残業代出ないらしいよ、私は全部じゃないけどちょっとは出るだけマシ。
あの人、最近上司にパワハラされて、精神病んで、会社やめたらしいよ。
大変ねえ、就職して3年も経ってないのに。次の仕事見つかるのかしら。大変ね。同情するわ。
かわいそう。かわいそう。私の方がまだマシ。かわいそう。


私はそんなの絶対嫌だ

忙しい人には「期待されてるんだね!すごいね」って言いたいし、時間の余裕がある人には「勉強したり自分のやりたいことしたりする時間取れるんだね、いい職場だね」って言いたい。

福利厚生が手薄い企業で働く人には「その分お給料に還元されてるんだろうな、いいな!」って言いたい。

一つの会社でおじいちゃんになるまで働き続ける人には「一つの場所でこつこつ頑張れるのすごいなぁ」って言いたいし、職を転々としてフリーランスっぽく生きる人には「自分の力で生きててすごい!」って言いたい。

これは他人のためじゃなくて、自分のためだ。
自分がいつか未来でどれに当てはまるような生き方をしても、自分を褒めて胸を張って歩けるように。


色んな私の仲間に向けて

ファーストキャリアとして選択した会社がたまたま不祥事を起こした友人たちへ(なぜかたくさんいる)。
たまたま僻地の激務な工場に配属された同期たちへ。
なかなか日の当たらない同業(メーカーって意味でも、経理って意味でも)の仲間たちへ。
色々言われることも多いけど強く生きようね。私がこんなこと言うのどこ目線だよ誰なんだよって感じだけど。
全然華やかじゃない、むしろ泥臭いことのが多い私たちの仕事だけど、私たちは間違いなく社会に大きく貢献していると私は確信してるので。

かわいそうってすぐ言っちゃう人へ。人と自分をすぐに比べてしまう、私のような平均台ウォーキンフレンズへ。そろそろ自立しよ。自分の自尊心くらい自分で守ろうね。

じゃないと、いつか自分の言葉が、自分の首を絞めることになるような気がします。



おわり.



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27

京都のOL

だいじ

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コメント1件

凄く共感させられました。働くことはマウンティングのためにやることでは無いし、ブーメラン食らうためにやることでも無い、それは木原さんの仰るとおりです。みんなが、(運も絡むとは言え)みんなの選択で働いているのだし、正解なんて無いでいいんだと思います。
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