同人誌でも使える素読みのやり方

同人誌の制作にも使える校正のtipsなどについてマガジンでまとめていこうと思います。
このノートでは
■素読みの基本的なやり方について
■音読する
■時間に余裕のある場合
■時間に余裕のない場合
■どこまで直したら良いのかわからなくなったとき あるいは重視すべきポイント
について書いています。

■8/31 追記しました。素読みの本質について

※けっこう手の内を明かしているのでTwitterのフォロワー外に届いている気配がしたら有料記事にします。

※同人誌をつくる(校正・校閲=書き手)に適するように記事を書いていますので、出版関係の校正・校閲は実際の業務ではこのようにはしない、という点もあります。そのへんは突っ込まずにいてくださると有難いです。

■素読みの基本的なやり方について

引合わせ(元原稿と印刷の試し刷りを見比べて校正すること)にはまた異なったやり方がありますが、
現在の同人誌制作においてはおそらく需要はないので、ここでは説明しません。
データをそのまま入稿する場合がほとんどで、
コピー&ペーストでミスが生じないかぎり元原稿と入稿のためのデータが異なることはないと思います。

ここでは「入稿のためのデータを読み、誤字がないか確認する」素読みのやり方を説明します。

■音読する

ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、素読みはけっきょく、音読がいちばんだと思っています。

大きな声で読む必要はありません。自分だけに聞こえるくらいの声量で充分です。
「読む」といっても情景などを思い浮かべる必要はありません。感情も込めないほうが良いです。
書き手=校正者 である場合(同人誌の場合はほとんどですね)は難しいかもしれませんが、
想像をしてしまうと誤字に気付きにくくなります。読み飛ばさないことが大切です。

■時間に余裕のある場合

入稿データ(PDFなど)をプリントアウトしゲラ(校正のための試し刷り)を作成→音読して修正点を書き込む→原稿データを修正する

時間に余裕があればこの方法が良いと個人的には思っています。

ゲラを作っておけば、同時に組版(文字の大きさやノンブルの位置など)の確認や、コピペミスのチェックもできるからです。

8/31

一般書籍等の校正で校正者がゲラに提案等をするときには鉛筆を使いますが
この場合は目立つ色のペンで書き入れたほうが良いでしょう。原稿データを直す際に見落としを少なくするためですが、
推しのイメージカラーを使ってテンションを上げるのもおすすめです。

字幅は読みにくくない程度に細いものがおすすめです。
わたしはパイロットのハイテックCmaica04がお気に入りです。
消せるものが良い場合はフリクションも良いと思います。

修正すべき箇所から引き出し線を空間まで伸ばして、訂正内容を書き込んでいきます。

修正点の書き込みが終わったら原稿データを直していきます。
データの修正を修正したら上記のものとは違うペン(でも鉛筆でも構いません)で、引き出し線に斜線を入れるなどして、
その部分のチェックが済んだたことが一目で分かるようにします。

原稿データの修正が最後まで終わったら、念のためゲラを確認し、すべての引き出し線にチェックが入っているか確認します。

時間に余裕がありこの方法でゲラを作成して校正を行った場合でも、修正した部分にはタイプミスなどの誤字が生じやすいため、
二度目の校正を行うとより確実になります。下記のやり方で「目」を変えて行うのもおすすめです。

■時間に余裕のない場合

プリントアウトをする時間がない場合や、テキストデータから直接入稿する場合は、
読み上げ機能を用います。
Wordの場合は「校閲」タブから「音声読み上げ」機能が開けます。

この場合も映像などは想像したりせず、読まずに淡々と読み上げ機能を確認するのが良いと思います。
「あれっ」と思う箇所はこまめに検索機能や校閲機能を用いつつ進めていきましょう。

■どこまで直したら良いのかわからなくなったとき あるいは重視すべきポイント

校正をしていると、どこまで直したら良いのかわからなくなってくることがあります。
たとえば「きづいた」という言葉に関して、「気付いた」「気がついた」の表記はそろえるべき?
「付いた」にするなら、「感付いた」は?

統一病に襲われるといつまで経っても終わらなくなります。

(新聞や雑誌等には一定の基準があります。後日、参考図書などを紹介したいと思っています)

原稿を進める際にそうであるように、「このへんにして先に進む」ことも校正には必要です。
基準を持ち、ワープロソフトの変換機能等を用いて、一定の統一を持たせることが美しい、という考え方もあります。

または、「同人誌なんだしそこまでやらなくていい」という考え方もあります。
キーワードを絞って基準を決めましょう。
たとえばこのキャラクターは大事な相手を呼ぶときに漢字の「君」でなく「きみ」…と言う、といった具合です。
固有名詞や一人称や二人称、作品のキーワードになる単語を重視して進めていきます。

素読みの基本的な進め方につきましては以上です。(補足したほうがいいな、と思う点がありましたら随時追加していきます)

自分の原稿を冷静に見る、というのは苦しみを伴うこともあります。
また、一冊の本からミスをゼロにすることは、プロでも難しいです。
難しく考えすぎず、書き手の情熱を損なわずに読み手に届ける一助に、この記事がなれば良いなと思っています。

■8/31 追記 素読みの本質について

08/31追記:清水さん@shimizuakila からご意見をいただきました。

誤字脱字を減らす方法、よくやっててそれなりに効果あると思えるのは、以下3つかなあ。同人書きの校正が難しいのは、執筆と校正が同一人物ということだと思うので…
・キャラ名などの固有名詞は辞書登録しておく
・文末から読んでいく
・フォーマットやフォント、色を変えて目を慣れさせない


当記事でプリントアウトや音読を推奨しているのは、目を変えることが、素読みの本質だと考えていることに因ります。

なぜ校正・校閲者というものが存在しているのかというと、内容を把握している著者や編集者では気付かないミスを発見するためです。

文末から読む、フォントや組方を変更するのもとても有効な方法だと思います。ご意見ありがとうございました。


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椿

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