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髪は長い友達

今日は 世界対がんデー(WorldCancerDay)だそうです。

去年もほぼ同じことを書いてますが、私は2010年1月に子宮体がんが見つかり、3a期と診断されて入院・手術してから通院で化学療法(抗がん剤治療)を3クール。その後は服薬を2年間やって、経過観察を経て2015年11月に通院終了に伴いめでたくがん患者を卒業。いわゆるキャンサーサバイバーってやつですね。幸い再発・転移もなく、リンパ浮腫など多少の不調はあるけれど今はのほほんと生きてますですよ。

最近、仕事を終えて会社の給湯室でカップを洗っているとよく遭遇する男性がいる。定年後に嘱託社員となったロン毛のおじさまだ。先日遭遇した時、「アンタ、いっつも同じ髪型だなぁ」
と言われたので、
「ある程度伸びるとうっとうしくなって切っちゃうんですよねぇ」
とか答えておいたのだが、そもそも短くしたきっかけは抗がん剤で髪が抜けたことだったりするけど、めんどくさいからそこまでは言わない。

当時の上司やお偉いさん方が気を使ってくれたので、私が癌だったことを知っている人は多くない。まぁ、会社でバンダナとかかぶり出したりしたから察している人は多かったとは思うけど。

以前も書いたような気がするけど、副作用で抜けるのはわかってても実際に抜けると結構へこむ。新聞紙を広げて櫛を通すといくらでも抜け落ちてきりがない。あらかじめ短く刈っておけばよかったとか思ったりもした。

その後、ターバン代わりに薄手の腹巻きをかぶるという方法を編み出して抜け毛の飛散を防ぎ、抜けてしまってからは暑がりなのと手入れが面倒という理由でカツラは使わず、キャップスカーフを巻いてなんとかやりすごした。

洋裁の得意な母がいろんな生地で巻きやすいキャップスカーフを作ってくれた。あの頃作ってもらったキャップスカーフは母の友人の娘さんが乳がんになったということでまとめて譲ったのだが、その後亡くなられたと聞いた。

抗がん剤治療が終わってしばらくしたら髪も生えてきたのだが、後頭部が天然パーマ状態になっててちょっとおもしろかった。調べた情報によると頭皮が緩んでくりくりしていたらしいが、しばらくしたら昔どおりの真っ直ぐに戻ってしまい、ちょっと残念に思ったりした。

今はこんなご時勢だけど、抗がん剤治療による免疫低下で感染症予防に気を配っていた経験があるから、この状況もわりとすんなり受け入れられているように思う。「そんなこともあったね~」とか言える世の中に早くなるといいなぁ。


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