一眼レフに引けを取らないコンパクトデジカメ、Sony RX100の魅力(後編)

前回は、一眼レフに引けを取らないコンパクトデジカメ、Sony RX100のレンズの開放度と焦点距離、カメラの性能について紹介しました。

今回は、RX100のシリーズについて、歴代シリーズの中でも、初期モデルのRX100をお勧めする理由を説明します。シリーズによって仕上がる写真の風合が変わるのでぜひ参考にしてください。

RX100のシリーズ

RX100は人気のあるモデルゆえに2023年12月の現時点までに7シリーズ発売されています。しかし、これらの歴代シリーズの中でも一番お勧めしたいのは初期モデルのRX100です。なぜなら搭載されているレンズの製造元がシリーズ3以降異なるからです。RX100シリーズはドイツのZEISS製のレンズが搭載されています。レンズにもしっかりZeissの名が刻まれています。しかしシリーズ1と2にはCarl Zeissと刻まれています。この違いはZEISS社の歴史を知る必要があります。
1846年創業のCarl Zeiss社は第二次世界大戦後のドイツの分裂により、会社も二分されました。西側がCarl Zeiss Opton、東側がCarl Zeissを名乗ることになりました。そして1991年に再び二社が統一されて現在のZEISS社となりました。シリーズ1と2に搭載されているレンズは東側のCarl Zeissが製造したもので、このころのCarl Zeissレンズは独特の色味とボケ感を表現することができます。シリーズ3から搭載されるZEISS製レンズは性能としては申し分ないのですが、フィルムカメラで撮影したような色味を表現することが難しいのです。
シリーズ3以降のモデルに搭載されたZEISS製のレンズならば、人間の目で見た景色をより忠実に再現することができます。しかし、私はCarl Zeissレンズならではの独特の色味とボケ感による柔らかくてレトロな質感の写真が撮影できるという点に惹かれて、初期モデルを購入しました。これらの理由で私はシリーズ1と2のいずれかをお勧めします。

シリーズ1と2はどちらを選ぶといいか?

シリーズ1と2の違いとして、センサーの感度を示すISO値の最大値がシリーズ2のほうが大きくなっていることです。ISO値を高くすることで暗い場所でも明るい写真を撮影することができます。しかし、基本的にISO値に比例して写真のノイズが増える(ザラザラとした不快感のある写真になる)ので、十分な明るさを確保できない場合にのみISOの値を高く調整します。夜間の明かりが少ない屋外での撮影や暗所では、ノイズの発生と引き換えにISOを調整することもありますが、シリーズ1のISO最大値6400という性能であれば暗所での撮影は対応できます。シリーズ2の最大値12800というセンサーの性能は必要ありません。
このほかにシリーズ2は液晶画面が見やすくなり、屋外での撮影が容易になったことと、WiFi機能が追加されています。カメラとしての大きな性能の違いはありません。
価格については、シリーズ1が32,000円、シリーズ2が50,000円と約17,000円ほど値段が変わります。便利な機能がついていることを考慮してシリーズ2を選ばれるのも良いとは思いますが、最もコストパフォーマンスがいいコンデジとしてはRX100初期モデルをお勧めします。現在は製造が終了していますが、中古で状態のいいものを見つけることができれば3万円ほどで購入できます。

まとめ

一眼レフに引けを取らないコンパクトデジカメ、Sony RX100の魅力前編、後編に分けて紹介しました。このカメラはレンズの開放度と焦点距離、カメラの性能など、様々な点で他のコンデジとは一線を画しています。シリーズ1であれば、中古で比較的安く購入することができますし、性能面から考えても破格であることは間違いありません。そしてなんといっても、Carl Zeissレンズのカメラが安価に手に入ることが1番の魅力です。この一台があれば一眼レフカメラを持ち運ぶ必要もなくなります。もし、あなたがコンパクトで高性能なカメラを探しているなら、ぜひRX100シリーズの中からお気に入りの一台を見つけてみてください。きっと、あなたの写真の世界が広がるはずです。それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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