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マネー・貨幣をゼロから学んで図解していくnoteマガジン

前回書いたnoteの冒頭、先輩から「お前は全然カッコよくもないし、面白くもない」と言われた話を書きました。

ならば自分に残された道は仕事しかない。ということでメンタルを持ち直した矢先の出来事。ある日の残業中、後輩に対し「在宅勤務が多くなると面白い話ができなくなるよね」と何気なく話しかけたところ、「蒲原さんって元々面白いこと言ってましたっけ?」と返されました。モニター越しに話していたのでお互いの顔は見ていませんが、きっと彼女は真顔でした。トーン的に。私は泣いていました。そしてまた、仕事へのアクセルを踏んでこのnoteを書いているわけです。

ちなみに、本記事は有料設定していますが初回なので無料で全部読めるようになっています。「読んでみて良かった」「続けてほしい」という方は投げ銭的に100円で購入してくれたら励みになります。

勉強し続ける人との間にある、明らかな「差」

さて、昨年から「令和時代の地方公務員制度を考える座談会」なるグループを、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表の「狂犬」こと木下斉さんと一緒に立ち上げました。

横浜市役所で地域情報化アドバイザーを務める石塚清香さん、元平戸市役所で現在は株式会社トラストバンクに勤める黒瀬啓介さん、三芳町役場(退職予定)で日本一の広報職員として有名な佐久間智之さんというスペシャルな(元)公務員3名をお迎えして、これからあるべき役所・公務員制度について議論しています。

そのメンバーの1人、佐久間さんが公務員を辞めるということで壮行会兼ねた飲み会を開催。

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(デニム率が高い)

このメンバーで集まると毎回実感するのが、「結果を出す人は勉強し続けている」ということです。日々膨大な量をインプットし、さらに深く思考しているのが伝わってきます。一方の私は昔から本を読んだりするのがそれほど好きでなく、何でも自己流でやりたがる性格でした。それがゆえに、彼らと話す度に知識・思考両面で差が広がり続けていることに気付きました。もっと露骨な話、収入面での差にも。

一念発起して、自分も意識してインプット→思考→アウトプットのサイクルを回すことにしました。「地域」や「行政」が私のフィールドなので、これに関連しそうなところから。

どうせ勉強するならば、それを図解してアウトプットしていけば自分の理解・定着も進むし、興味関心が近い人にとっては有益なコンテンツになるだろうということで、noteマガジンを作ることにしました。

お金について学ぶnoteマガジン

最初に作るnoteマガジンのテーマは「マネー・貨幣」。日本に暮らす人であればお金と無関係でいられません。学校では教えてもらえない「お金」について理解することは、経済社会で自立して生きるための必須知識だと思っています。

もうひとつ、私の関心は「地域」と「お金」の関係性にあります。地域活性化や地方創生という言葉をよく聞きますが、お金という切り口で見た時、どういう状態になっていれば地域が活性化したと言えるか?そんな観点でも面白いテーマかなと。

社会人になって8年目。学生時代の知識はとうに忘れ果てているので基本的な部分から勉強していきます。「あまり大きな声では言えないけど、実は私もゼロから学びたいんです...」というあなた。安心してください、僕も全く予備知識が無いです。そんな方を対象に書いていきます。

「日本史に学ぶマネーの論理」(飯田泰之氏)

社会人が勉強を始めるにあたって、「参考にしている人がお薦めしている本を読む」というのが成長への近道。そこでまずは木下斉さんがツイッターでお薦めしていた「日本史に学ぶマネーの論理」からスタートします。

日本史を通じて、マネー・お金というものがどのような論理で成り立っているかを丁寧に紐解いています。非常に密度の濃い本なので、実は一度挫折しました。今回はリベンジマッチ。一章ずつ咀嚼し、図解しながら都度noteを更新していきます。

お金について学びたい方、それでは一緒に勉強を始めましょう。


現代におけるマネーは、政府の負債としての性質を持つ

さて、本書の冒頭に出てくる言葉です。「現代におけるマネーは、政府の負債としての性質を持つ」。

「うん、そうだよね」と思った方はそっと画面を閉じてください。恥をさらけ出して言うと、僕は「え?どういう意味?」と思ってしまいました。本書を貫くテーマでもあるこの言葉が、どういう意味なのか解説します。

まず、現代における「マネー」をざっくり分けると「現金」と「預金通貨」に分かれます。

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この預金通貨のうち、銀行に預けられているものが「銀行預金」です。銀行預金は、私たち預けている人にとっての「資産」ですね。一方で、預かっている銀行側から見ると、引き出しの要求があれば返さなければならず、利息も発生する「負債」です。

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仮に、銀行が次から次への倒産していく世の中で、かつ倒産した銀行からは一切お金が戻ってこないとしたら、銀行に預金したい人はいるでしょうか?合理的な判断をする人は預金をしなくなるでしょう。

この仕組みが機能するためには、銀行預金という(銀行にとっての)負債の価値に対する、法的な裏付けが必要です。

そこで、各銀行は日本円を発行する日本銀行(日銀)に対して、一定程度のお金を預けなければいけないと法律で定められています。これを「日銀当座預金」と言います。

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この日銀当座預金、預けている各銀行にとっては将来引き出しが可能な「資産」です。一方で、日銀にとっては「負債」となります。

日本銀行は、唯一貨幣(日本円)を発行することができる中央銀行であり、広義の政府と捉えることができます。そのため、冒頭で示した「現代におけるマネーは、政府の負債としての性質を持つ」という言葉が成り立つというわけです。

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おわりに

次回は、政府の負債としての性質を「持たない」マネーって何?という話をします。

実は近年、政府負債としての貨幣 vs 政府のコントロール外にある貨幣のどちらが、期待されるマネーの将来像なのか議論されています。「暗号通貨」や「P2P(ピアツーピア)」という言葉を聞いたことがあると思いますが、よくわからんと感じている人もいるのではないでしょうか?

現代において議論されている概念は、歴史のどの時点で原形が生まれ、どのように派生してきたのか、ゼロから見ていくことで深く理解していきましょう。

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