見出し画像

WCW2023【CancerX 教育・啓発】~ 産学官民一体となった地域における「がん教育」への跳戦 ~


登壇者の皆さん

■セッション概要

2022年度から教育の場で本格的にがん教育がはじまって以来、外部講師によるがん教育活動が行われている。本セッションでは地域のがん教育に携わる3つの視点(行政・企業・がん経験者)から、実際の取り組みと課題や地域全体でがんの教育・啓発を行っていくためには、今後どのようなことが必要なのかを議論する。

セッションより

■セッションサマリー

まず、昨年を振り返り、がん教育・啓発を行う上で、教員の知識不足や探究学習の体制が整理されていないことを確認した。その上で、今年のトークテーマとして2つ提起した。1つは、行政(調布市)と企業(アフラック)が取り組むがん教育・啓発活動の実際 、もう1つは、地域におけるがん教育の課題と今後についてである。

1.行政(調布市)と企業(アフラック)が取り組むがん教育・啓発活動の実際

調布市とアフラックは「包括的パートナーシップ協定」の取り組みの1つとして、市内全8中学校に講師として岸田を派遣し、がん教育を行っている。

2.地域におけるがん教育の課題と今後について

課題として4つの意見があった。1.多くの自治体は外部講師選定や授業の進め方に悩んでいる、2.教員のがんについての理解が乏しい、3.外部講師の授業内容によっては、がんの怖さだけが伝わってしまう、4.「がんを正しく伝える」ことは難しい。

これらの課題に向き合うために、岸田は、がん経験者自らが学校に対して授業提案を行い、外部講師を担うことも必要で、養護教員にアプローチすることで話が進みやすいという。また、門田は啓発用のリーフレットや授業の手引きを全学校に配布し、教員のがんに対する知識をアップデートすることが重要であると話をした。さらに、加瀬は、ただ単に授業を行うのではなく、事前課題として対話型の授業を行うことで、子どもだけではなく、家に帰ってから親と話すきっかけにもなり、これが探究学習の体制構築になると述べた。また、親子で学べるような本の作成に取り組んでいることの紹介もあった。今後のアクションとして、加瀬は企業が行うと営利目的として見られてしまうことが多いため、信頼関係の構築が大事であると話をした。また、岸田は大きな活動ではなく草の根活動として一歩ずつ個人ができる範囲から行動を起こすことが大事だと述べた。最後に、門田は地域共生社会の実現が必要と主張し、企業や行政のみならず、地域で暮らす全ての人々と一緒に進めることが重要だとまとめた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?