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忘れないでね、忘れてしまった事(愛のレンタル)

大叔父が亡くなった。
母が「人が亡くなる時って、家電もばかばか壊れるって言うじゃん。あれ(火災報知器)が鳴ったのもおじさんが最後に会いにきてくれたのかもね」と言った。

え、家電が多く壊れるのは人の死の前触れなの?初耳だ。
そんな言い伝えあるの?と聞きたかったが、話の腰を折るのは嫌なので「そうかもしれないね」と返した。

火災報知器はなぜか大叔父が付けてくれた。
祖母が頼んだのだろうか、どういったいきさつで我が家に火災報知器が設置されたのかは覚えていない。

設置当初は誤作動なのか、どぎつい音が鳴り響くことが多々ありイライラした。
それから約10年、我が家に犬がやってきて、祖母による祖父への虐待が発覚し、コロナが蔓延し、祖父が群馬の特養に入り、祖母の認知症が悪化して家庭内の雰囲気が最悪という言葉では収まりきらないほど最悪で、祖母も特養に入り、そして祖父も祖母も亡くなった。

いや、この10年間はもっとあった気がする。
ここ5年ほどの出来事が濃厚すぎてそれより前の5年が霞んでいる。

忘れたくないことは忘れて、忘れたいこと嫌なことばかり覚えているのは生存本能なのだろうか。

忘れたくないことがなんだったかすら、忘れちゃってる。

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