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【アニメコラム】ゾンビランドサガ リベンジ11話 改めて感じた「キャラ:水野愛」と「キャスト:種田梨沙さん」との不思議な親和性を語る 〜フランシュシュとRhodanthe*〜

 放送後も未だ興奮冷めやらない「ゾンビランドサガ リベンジ 第11話」。今回の名シーンの一つである「水野愛が涙を流す場面」から感じた「水野愛は種田梨沙さんであり、種田梨沙さんは水野愛である」と言うキャラとキャスト間の不思議な親和性と、その背景としてある現実とアニメ内に存在する二つの所属ユニットについて語ります。
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1.キャラとキャストの親和性に注目して「ゾンビランドサガ」を見る

 いよいよ残り1話を残すのみとなった「ゾンビランドサガ リベンジ」。第2期となる今作も毎話印象深いシーンが多く、感動も笑いも予想以上の良作である。
 さて、オリジナルアニメだからこそではあるがこの作品の場合「キャラとキャストの親和性が高く自然に一体化してきている」点が隠れた見どころではないだろうかと考えている。

 これに関して、第一期の時点ではフランシュシュ2号「二階堂サキ」とキャストの田野アサミさんとの親和性が圧倒的に目立っていたと思う。実際第1期9話におけるヤンキーとしての生き様(死に様?)の演技はギャグを交えながらとは言え凄まじかったし、ライブにおける「特攻DANCE」でのパフォーマンスはまるでサキが憑依したのではないかと思わせるものであった。そして2期に入ってからは各キャラ共にそれがさらに進んだように感じさせられる事がしばしばあった。(例えば「50と4つの忘れ物」と河瀬茉希さんの声の一体感や、田中美海さんのスキルフル活用、スナック千夏の開始、など)

⒉今回のテーマ キャラである「水野愛」とキャストである「種田梨沙さん」の親和性について

 さて、第11話でのフランシュシュ3号「水野愛」の動きや表現を見ていて筆者は「いよいよキャストである種田梨沙さんに寄せてきたな」と強く感じた。但し、一見それはわかりにくくて、ここまでの種田さんの声優としての生き様や個人としてのキャラ、出演作品や所属グループとの関係を知っていないと気づかないかもしれない、と言うか筆者の思い込みかもしれない。しかしそれを知っているものが見ると、「水野愛は種田梨沙さんであり、種田梨沙さんは水野愛である」と感じるように作っていると思えてくるのである。

 そう感じさせるのは、仮面が剥がれて「ゾンビィバレした」はずが逆に「特殊メイク」していると勘違いしてもらえたシーン(Abema実況のため動画あり)。

 ここで、愛は咄嗟の機転でその勘違いに乗っかって危機的シーンを一気に子供たちが楽しむシーンに変えてしまった。第1期の2話では怖がられ逃げられてしまったものと全く同じ姿にも関わらずである。これは「今まで積み上げてきた信頼と期待」が同じ事態に対して正反対の結果をもたらしたという事を示している。この時人前で涙を見せない「プロのアイドル」である愛がメンバーの方を向いた時だけ涙を流している姿に、同じように涙を流していた方も多かったのではないだろうか。

こちらは11話作画監督補の高野さんのツイートより「愛の涙」原画


 このシーンは1期、2期を通したストーリーでも重要なポイントである上に、最終話に繋がる伏線を含んだ場面だと予想している。そして、ここで涙を流す役割を愛に任せたというところに「種田さんにこの場面を任せたい」と言う製作陣の強い意志を感じるのである。

3.種田梨沙さんについてちょっと語る

 その印象に行き着くために種田さんについて少し説明が必要となるので、一旦キャラ(水野愛)からキャスト(種田さん)に視点を移そう。種田さんと言えば「きんいろモザイク」をはじめとする多数のきらら作品や「アイドルマスター ミリオンライブ!」、「ストライク・ザ・ブラッド」他で主要キャラを務めている実力派の人気声優である。美大卒であり、デザインはプロ並みの技術を習得しているが、声優に関しては学校で芸能活動が禁止だったことから養成所に通わずに独学で技術を習得するなどかなりの努力型。そして実はなかなか面白いキャラをお持ちの単なるオタクだったりするのだが、デビュー当時はそれが漏れ出すことはあっても、基本的にはそれを表に出さないように「清楚なふり」をしていたと語っている(※)。
※ 「夕実&梨沙のラフストーリーは突然に 2021年4月14日放送回」より(リンクは当方の紹介コラムです)

 そんな中2012年ごろに出会ったのが「きんいろモザイク」の小路綾と言う役と、当時はまだ無名ながらその後この作品や洲崎西で2013年にブレイクする西明日香さんをはじめとする超個性的キャストの面々だったりする。この時結成されたユニット「Rhodanthe*」は当時その稼働の多さも相まってあっという間にとても仲の良いお笑い集団と化し、本来のお笑い好きを生かしてさまざまな所で一緒に暴走することとなる。今まで「清楚なふり」を努力して演じていた面もある種田さんが素を出す事ができた事もあり、ユニット内ではその面白さが知られるようになって来る。(代表例:ライブ FIRST*MODE における内山夕実さんの歌を食ってしまうおふざけダンス ーフライングドッグ公式Youtubeよりー)

 また、2015年にはRhodanthe*サポーターズクラブ内でのラジオ番組「Rhodanthe*のおしゃべりモザイク」と共に超A&G+でメンバーの内山夕実さんと伝説のラジオ番組「夕実&梨沙の東京ラフストーリー」が開始。一般の声優ファンにも「単なるアイドル好きオタクの面白い人なのでは?」と言う認識が出てくる。この頃「ミスきららパープル」と呼ばれるほど多くのきらら系作品に出演し大人気声優となったわけだが、その最中である2016年中頃、声優としては致命的でもある「喉の病気」が悪化し休養を余儀なくされてしまう。約一年の療養期間中、復帰のために声の出し方を変えるなど、大変なリハビリをここでも「努力」してこなし、2017年夏頃から徐々に復帰することになった。

 実はこの復帰報告、ご本人がコメントが初めて出されたのは前述のRhodanthe*サポーターズクラブである。その後も復帰後初のラジオ番組、そして生放送への出演、さらにファンの前に姿を現す、と言った重要な区切りを全てRhodanthe*内の仕事で行っている。種田さんがいかにRhodanthe*メンバーとファンを大切にしているかと言う事がわかるエピソードでもある。

 そしてこの「ファンの前に姿を現す」事となった2018年夏に京都で行われた「Rhodanthe*のおしゃべりモザイク」公開録音における最後の挨拶で、療養と復帰に関する思いが溢れて涙を流す印象的なシーンがあった。西さんをはじめとするメンバーのおかげもあってすぐに笑顔になったが、色々ありつつもずっと気丈に振る舞っていただけに、Rhodanthe*というグループはファンを含めた安心感があり、「ここは種田さんのホームとなる場所」なのだと強く印象付けられた。また、戻ってきてからはRhodanthe*サポーターズクラブの長文ブログを中心にアイドル、その他多方面のオタク丸出しの姿を見ることも非常に多くなったこともあり、色々と吹っ切れた感を感じるようになった。(なお、上記の内容はRhodanthe*サポーターズクラブ登録でその多くを確認する事が可能。)

4.水野愛と種田梨沙さんの出会い、その親和性

 話はキャラ(水野愛)に戻る。ゾンビランドサガの第1期が放送されたのは2018年秋。オリジナル作品であることから考えてもオーディションは1年前には実施されていたはず。するとその時期は2017年秋頃と復帰した直後。制作陣のインタビュー(下記リンク「幸太郎は宮野さんしかいない。さくら役は一番難航」)でもあるようにさくら以外のキャラはサクッと決まったそうなので愛の過酷な運命や努力型の性格、アイドル研究といった趣味に合う人物としてはピッタリだったのではないだろうか。

とは言え1期ではキャラ設定が大きく動く事はなかったが、2期では第1話の冒頭から「イカの魂無駄にはしない〜小島食品工場社歌〜」である。もともとちょっと変なキャラソンも多い事で話題となる種田さんだが、そう言う曲を乗り気で歌う事をわかっている制作陣が本人に寄せるべく愛に歌わせたのでは?という気すらしてくる。

公式動画

カラオケ版(筆者作成)

 また、純愛回である3〜4話でも元の設定であるアイドル研究オタクっぷりをいよいよ発揮して「紺野純子の調査」をしていた場面があった。次はどうキャストに寄せて来るだろう?と思っていたところで先述した11話の笑顔と涙である。実は種田さん、11話放送の少し前にRhodanthe*のブログにて愛の「失敗したり後悔したりすることを全然ダメだと思わない〜」という言葉にかなり救われたと語っていて、演じたキャラの中でもかなり愛への思い入れが深い事を感じさせられていた(詳細はRhodanthe*サポーターズクラブに入会して確認してほしい)。※
 それを知った上で流れた笑顔と涙のシーン。筆者は先述の公録挨拶で見せた涙と重なって冒頭の「水野愛は種田梨沙であり、種田梨沙は水野愛であると思った」という感想と「愛はフランシュシュ 、種田さんはRhodanthe* という居場所がある親和性」をより強く感じることとなったのである。
※FM佐賀「佐賀がサガであるために」6/20放送回でも田野アサミさんとのトーク中で登場しています。

5.まとめると…

 色々な部分で「神回」と言っていい11話。私の場合はこの笑顔と涙のシーンこそが「相当に入り組んだ上にひねくれているかもしれない」解釈ではあるものの大きな見所と感じた。 勿論、製作陣にそこまでの意図はなかったかもしれない。しかしこの作品の伏線の多さとキャラとキャストの関係、種田さんの声優キャリアを考えると、やっぱりよく考えて繋げているのでは?と感じてしまうのである。
 今回のコラムは筆者の独自解釈全開になってしまっているので、異論もあると思う。ただこれをどう感じたとしても残り1話となった第2期、どのような結末になろうとも最後まで見届けたいと感じるのである。(了)

今回もお読みいただきありがとうございました。
(たくさんの方にお読み頂いており、私としても励みになりますのでぜひ感想、ご意見等あればお願い致します!)

【番組データ】

原作: 広報広聴課ゾンビ係
監督: 境宗久
シリーズ構成: 村越繁
キャラクターデザイン: 深川可純
音楽: 高梨康治、Funta7
アニメーション制作: MAPPA
製作: ゾンビランドサガ 製作委員会
放送局: AT-Xほか
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