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こんばんは。夜ですね。夜。

こんばんは。
暖かくなったり寒くなったりしていますね。

風の強い昼間にカーテンのおちょぼ口から光の吐息が床を照らしてぼくは目を覚まし、風強い?いよつぜか?なんて思いながら、シャワーを浴びて郵便受けへ行くと、白いバンに乗って月に2回ほどやってくる掃除してる方が廊下にいた。

郵便受けのダイヤルを回し、1枚だけ入っていたハガキを引き抜きながら、振り返ったらきっと彼と顔を合わせるだろうから挨拶をすることになるだろう。なにか言葉を添えるべきか? 現在ぼくは陰湿な表情ではないか?などと考えながら振り向くと、彼は長めのタオルを頭にのせ麦わら帽子をかぶった、まるで農作業をするような格好で雑巾を手に手すりを拭いていた。

そして鼻歌を歌っている。風の強い暖かな昼下がりの鼻歌というのはどんな意味がこめられているだろう。
意味も何も、気分がいいからだ。

なにか作業をしている人の鼻歌ほど楽しい気持ちにさせられるものはない。
そのすぐ横でレジャアシートを敷いてカニパンでも食べたいものです。

彼はぼくの気配に気ついてない様子だったので、ぼくはそのまま鼻歌を中断させまいと忍び足で部屋に戻る。

いつも同じ彼、おそらく40代の眼鏡をかけた男性が、建物をきれいに保ってくれている。

たまに鉢合わせると、「こんにちは〜!!」と元気に声をかけてくれる。
そしていつ見ても楽しそうに仕事をしているのが伝わってくる。
「楽しいぜ!オウィオウィ」なんて言いながら作業しているわけではないのだけれど、なぜだろう。
彼の動きのリズムがぼくにそう感じさせる。

ぼくの経験上、清掃してくださる方は、住人にあえて接触しないような配慮をしているような気がしていた。

でも、彼はいつも必ず元気よく声をかけてくれてなんだかハッとする。
気持ちがいいし、素直に「こんにちは!」と挨拶することができる。

いつも挨拶だけではなく、天気の話や、ねぎらいの言葉をかけたいと思うのだけれど、必ず言えない。

照れくさいというのもあるけど、ちょっとした勇気がでない。

話は戻って、そんな風の強い日に郵便受けから部屋に戻り、仕事へ出かける準備をしながら、家を出るときに今日はぼくから声をかけようと考えた。

「こんにちは。風強いですね。いつもありがとうございます!」

ドライヤーをかけながらそのセリフを小さく復唱し、いよいよ出かけると、彼の姿はなく、ありゃま。春一番に吹かれて消えてしまっていた。

そのまま、駅へ向かう道すがら、集合住宅のある椿の並木道で前方にさっきとは別の掃除をしている方を見つけた。
その方は女性で、同じく頭からタオルをかけていた。

その方は強風にはたき落とされた沢山の椿をひとつづつつまんでビニル袋へ入れていた。

作業をする彼女を追い越すと、なるほど、しばらくの間、地面に椿がポロリポロリと転がっている。
突風のクラス替え。

久しぶりにラインスタンプをリリースした。

iPadに切り替えたあと、いよいよ、デジタルですいすいスタンプ作りに励めるぞ!
という筈であったのに、ラインスタンプの規定である370×320ピクセルに描いたイラストをコピーペーストすると非常に粗いものになってしまい、それを更に上から書き直すと370×320のキャンバスでは新たに描く線もゲビゲビで、一体、世の中の人々はどうやってスタンプつくっているんだ?と途方に暮れ、スタンプ作りはタスクリストの下へ下へと押しやられた。

先日イラストカットのお仕事をいただき作業をしていたところ、これまた指定されたサイズのキャンバスにイラストをコピーペーストすると先程と同じような現象に陥り、フォトショップ やイラストレーターはおろかパソコン自体満足に使えないぼくは、iPadのプロクリエイトというアプリの前でぐったりとうなだれた。

Googleで対処法を検索するも、ドンピシャの解決法を記事にしているページを見つけることが出来なかった上に、専門用語の並ぶ文章を読んで再びぼくはうなだれた。
そもそも、そんなものは初歩の初歩である問題なのかも知れない。

困ったぼくは、error403氏に訳を説明しどうすれば良いか尋ねると、なんとも分かりやすく簡潔に説明してくれ、暖炉の前にかざした雪見だいふくのように問題はとろりと溶け、ぼくの問題は解決した。

そして、晴れてイラストカットを入稿することができ、呆気にとられるくらい初歩的な質問に、懇切丁寧に説明してくれたerror403氏の優しさに大変感謝したものだった。

その応用というか、流れで、スタンプ作成上の問題も解決し、スタンプを作る作業に入ることができた。

やり方が分かるようになると、なんともサクサクと作れるものだと我ながら感心した。

あまりに久しぶりのスタンプ作成だったので、そもそも使い勝手のよいスタンプを作ること自体に興味のなかったぼくだったが、より好き勝手にスタンプをつくることができた。
スタンプの周りを白い線で囲い、ラインの背景が白や黒の方にもきちんとスタンプが表示されるような加工も施した。

つくっているうちに自分なりのスタンプのスタイルのようなものができてきて、ものづくりの楽しさも大変強く感じた。

今コツコツと、初めてリリースした40種類のマイファーストスタンプをまるごと、リメイクする作業をしている。
順番や文言、色合いはなるべくそのままにするようにし、現在のタッチにブラッシュアップしたものだ。

そんなことになんの意味があるのか分からないが、やってみる価値はあるかもしれない。ちょっとした遊び心、ジョークは忘れてはいけないなと思う今日この頃。

ラインスタンプや、イラストカットに関することは後日細かくnoteにして投稿したいなあ。

春、早く来て来て。
読んでくれてありがとうございました。架空より。