TOKYO STARTUP GATEWAY2019 CAN EATの提出シート公開 #2次審査の審査ポイント

みなさんこんにちは、株式会社CAN EATの田ヶ原です。東京都が主催する大規模ビジネスコンテストTOKYO STARTUP GATEWAY2019「Dream or Never」のエントリー審査が終わり、続々と「通過しました!」等とご報告をいただいております。CAN EATは、2018年のファイナリストとして、約1300人の応募の中選んでいただき、本プログラムをフル活用して起業に至りました。広告で知った方、去年応募できなかった方、様々な方がチャレンジするにあたって、ファイナリストに選んでいただいた経験を忘れないうちにどなたかの次の挑戦にお役立ていただければと思いnoteを投稿します。また、私は審査書類を書く際に、過去のファイナリストの傾向や審査基準等を分析したり、質問文を読み込むことで審査ポイントが何かを考えていたので、個人的に「ここかな?」という審査ポイントも併せてご紹介します。「実際どんなことを送ったの?」「どんな風にアイデアが変わったの?」「ぶっちゃけ、忙しいの?」といったところをお伝えできればと思いますので、迷っている方も含めてぜひご活用ください。

CAN EATとは?

CAN EATは「食事制限がある方の外食を救うWEBサービス」です。母が米・トマト・キウイにアレルギーがあり、鶏肉が食べられず、外食で苦労をしていたことがきっかけで発案しました。食事制限がある人の食べられないものの情報を、レストランが知りたいレベルまでとりまとめ、それを様々な外食の場で使いまわしができるサービスを提供しています。

ニュースリリースもしました!https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000046724.html

使ってみたい方はこちら

1次審査時に起業同期が。グループでお互いのビジョンをまとめる

2018年は8月5日に、寺田倉庫の大きなホールスペースを借りてエントリー審査者全員とのキックオフイベントがありました。エントリーが1300人に対し、この時にすでに400人ぐらいまで絞られていて、年代も上限の40歳から下は10代までさまざま。この時に考えている事業と近いジャンルの人や、近い年齢の人、もしくはランダムなど、いろんな視点でミックスされます。そして、何よりこの時期で大事なのは「自分がなぜこの事業をするのか」をひたすらアウトプットし続けること。私は正直この作業に対して意味を見いだせていなかったのですが、今なら大切さがわかります。ここがブレてしまうと上手にピボットできないからです。そのために、自分はなぜこれをやりたいのか?という根本を他人に対して説明し、どんな質問が来ても答えられるようになっていないと、自分がこの事業のリーダーとなるときに本当に困ります。理由を説明できなければ共感は得られず、共感が得られなければ仲間は集まらないのです。と、ゆうこすの本に書いてありました。笑

このとき、4人1組でチームを組み、このイベント以外でかならず1回は全員で集まって、自分たちのビジョンを固めるよう宿題が出されます。そして、二次審査書類も、しっかりそこを書いてくることを求められました。

次の章が実際の二次審査書類でCAN EATが提出していた内容です。何かのご参考になれば幸いです!

CAN EATの二次審査書類~ビジョン編~

<0-1>世の中や世界を変えるビジョンを一言で表すと?(35文字以内)
食のパーソナライズ化で、誰もが食事を心から楽しめる世界に。
<0-2>ビジョンの概要(200文字以内)
あなたには今、「食べられないもの」はありますか? ピーマンが嫌い、ダイエット中で揚げ物はダメ、ヴィーガン、宗教上の理由、アレルギー、持病、妊娠…。食に制限がある人たちは、どうしても食事で気を遣いますし、周りの人やお店の協力も不可欠です。食事を心から楽しめず、食事の場を億劫に感じます。人によっては病気が治らなかったり、アレルギーを発症したりと、命に係わる危険性も。すべての人たちが安心・安全に心から食事を楽しめる世界にするためには、ひとりひとりに合わせた食を提供するシステム、つまり「食のパーソナライズ化」が必要です。

今の形とだいぶ近くなりました!この時、食をパーソナライズするということを漠然とやりたいと思っていたのですが、この一次審査後の仲間たちとのやり取りで、「なんでそれをやりたいの?」という質問を受けて答えに窮したことがあります。これは前の職場でやりたい、と言っていたときもそうでした。ここが恐らく共感を得ることができなかった、一番のポイントなのだと思います。
ここまでは非常にシンプルですが、後半で記載しなければならないバックグラウンド編で、ビジョンとの整合性がきちんととれているかが、審査員の方を納得させるポイントなのではないかな、と思います。

苦手な方は口頭と紙を駆使して、是非第三者に積極的にアウトプットしてみてください。

CAN EATの二次審査書類~プロフィール編~

まずこの項目、すごく大切なのでご注目ください。

<1>プロフィール・経歴・背景など
あなたの現職、職歴、実績、スキル、経験等のプロフィールを教えて下さい。(学生の方は、現職、職歴等については記載頂かなくて結構です。これまでの経験や実績、スキル等をご記入下さい。)加えて、あなたのビジョンを発案するに至った経緯や、そのビジョンの実現への意気込みを教えて下さい。例えば、「このビジョンが必要だと感じた経験」「これまでに取り組んできて、そこから学んだこと」や「なぜ、このビジョンに取り組みたいのか」など自由にお書き下さい。

この質問項目からわかるように、ただのプロフィールのように経歴を並べればよい、というものじゃなく、「なぜ、あなたがやることに意味があるのか」を問われているのでした。例えば2017の優勝者の小幡さんは「パイロットをしていて、もっとこうなったらいいのにと思ったから空を変えようと思った。」、第1期TSGファイナリストの伊藤さんは「漫画家をしていて、あの時自分が欲しかったから作った」、2019年優勝者のれっきぃは「獣医をしていて、動物と人に良い社会をつくりたかった」など、それぞれの職業の中で感じた課題を元に、ビジョンを掲げているから、説得力があり応援したくなる!

ただし、私にはそのような専門的なスキルは一切ありません。これは私に限らず、審査書類に悩んでいる皆様もそうなんじゃないかな、と思いますし、学生さんならなおさら。そんな場合は特に仕事のことでなくても良くて、自分の過去の経験を元に書いても大丈夫です。これは就活のときにも用いられる手法ですが、できるだけ自分が泣くほど悔しいと思ったこと、心底辛いと思った経験などを、嫌でも振り返ること、が強い原体験を掘り起こす近道でもあります。そして自分がそれだけ辛い経験をした、ということは、同じ人がいる可能性も高いです。忘れたい過去も、必ず皆さんの強みになっているはずです!

ちなみに文字制限あるのかなぁと思っていたのですが、指定されていない項目はどこまででも打てたので(笑)思うがままをぶつけていました。


慶応義塾大学文学部卒業後、大日本印刷株式会社で企画職として7年間勤務。新規事業企画の仕事を5年間経験し、様々な人の生活における「負」の解決をやりがいに感じるようになりました。特に3Dプリンターの事業企画をしていた頃に「食べ物を3Dプリンターでつくる」という研究者に出会い、食が個別最適化される時代が迫ってくると確信しました。 もしも食が個別最適化される時代が来れば、健康問題・アレルギー事故の問題・フードロス問題・高齢化問題など様々な社会課題にアプローチできる可能性と大きな意義を感じ、反対する人も多い中、3年間事業のアイデアを温めたり、実際に実証実験にこぎつけてきました。 【ビジョンを発案した経緯】 「食べ物を3Dプリンターでつくる」という技術を調査すると、その内容は大きく3つに分類できます。①形をつくる ②味や食感をつくる ③栄養をつくるです。私はこの中で、栄養をつくることに、最も興味を持ちました。 栄養をつくるとは、人の体の栄養状態をセンシングし、健康であるために必要な食べ物を推測して、それに合わせて必要な食べ物を提供する技術です。例えば、自分の体調を常にウェアラブルデバイスが記録してくれていて、いつ・何を食べたかを自動的に計測し、それらが3Dプリンターに連携され、その日の夕飯は自分に不足した鉄分やビタミンなどの栄養素を補うバーが出てくる、といった考え方です。家庭用については現在は技術的に越えなければならないハードルが多いですが、普段私たちに馴染みのある外食業界では、この類の技術を使って、解決できる「負」があるのではないかと考えました。私が事業を検討していたこの3年間の中で、その「負」を持つ人が3人いました。  ①米アレルギーを持つ母  真っ先に、自分の母の顔を思い浮かべました。母は、2015年に米アレルギー他様々なアレルギーを発症し、全身に真っ赤な湿疹ができるような状態になってしまいました。彼女は食べることが大好きで、家族で食事に行きますが、行く先々で同じ「おいしい」をシェアできなくなってしまいました。店員さんにアレルギーがあることを伝え、「これは米の成分入っていますか?」と聞いても、答えられない人も多くいます。何度も何度も同じことを伝えることにも辟易して、今は家での食事が中心となりました。これを見て、「自分のアレルギー状態が外食店舗側に正しく伝えることができて、かつ出てくる食事も他の人が食べているものと同じ味に近いものが食べられたら、もっと母は楽しく食事ができるのに」と考えました。  ②妊娠中の友人  周りが出産ラッシュに入り、何人かが突然お祝い事の席などで急にお酒を飲まなくなりました。それを見た周りが不思議がり、「あの子、もしかして」と悟ったり、本人に直接聞いてしまうケースがあります。しかし、本人は「まだ安定期に入っていないから、知られたくない」と考えていて、周りとの交流回数が減ってしまったり、外食に行って「これはこんな成分が入っているのではないか」とかなり神経を使っている様子が散見されました。これを見て、「もしもひとりひとりの食の価値観がきちんと外食店舗に伝わっていたら、友人はここまで神経をすり減らせなくても楽しく食の場を楽しめるのに」と考えました。  ③終末医療に入った祖父  3食しっかり食べ、さらにおやつと言って夜中にあられをバリバリと食べていた93歳の祖父が、ついに1年前、終末医療に入ってしまいました。ヘルパーさんたちが食べさせてくれるのは、誤飲防止のためのトロミを付けた嚥下食です。見た目はドロドロの液体で、「ハンバーグ」と書いてありますが食べ物の形をとどめておらず、ギリギリまで食欲旺盛だった祖父が、その嚥下食には全く手を付けず、どんどんやせ細ってしまいました。しかし、見かねた祖母がカレーにトロミをつけて、オリジナルの嚥下食を彩りよく作ったところ、祖父はすべて平らげ、お代わりまでするほど食欲が回復しました。これを見て、「嚥下の状態によってトロミを調整してくれて、さらに見た目もよかったらもっともっと元気でいてくれそうなのに」と考えました。これは、外食との連携という意味では、ヘルパーさんが提供する食のツールとして導入できたらよいなと考えました。  ④自分自身のダイエット経験  私は自分が食べたものを記録し、どのぐらいのカロリーを摂っているのか、あとどんな栄養が足りていないのかを定期的にチェックするようにしています。それによって健康診断で増えすぎてしまった体重を元に戻しています。ただし、自分の人付き合いも大切にしているため、例えば急に会社の同期から「ランチに行こうよ!」と誘ってもらったり、夜に上司から「飲みに行こうよ!」と言われたら、なるべく行くようにしていました。そのうち、一週間のうちの半分以上が飲み会や外食になってしまい、思うように体重をコントロールできなくなり、結局4か月かけて7kg落とした体重が、2か月で戻ってしまいました。せっかくのおいしいお店に誘ってもらっても、これまでに積み重ねたものを思い浮かべると楽しむことができません。このとき、「自分の残りカロリーに合わせて食事を提供してくれたら、もっと無意識に食生活を改善できて、健康にもよいはずなのに」と思うようになりました。 人が持つ「負」の解決は、新規事業が成り立つ基礎的な要素であり、私の内発的なやりがいでもあります。このような「負」を持つ人たちの役に立ち、世の中になくてはならないものをつくり、それらが当たり前になっていく世界を目指したいと考え、このビジョンを発案しました。


CAN EATの二次審査書類~サービス説明編~

<2-1>具体的にどんなサービス又は商品を創りたいか?
あなたは、今回のビジョン・事業・プロジェクトを通して、具体的にどんなサービス又は商品を創っていきたいですか?またそれによって、どのような世の中や世界、未来を実現したいですか?具体的に書いてください。

2点あります。①が成功したら、②に広げていきたいと考えています。 ①自分の食べたものや健康状態、食制限について送信すると、自分向けにカスタマイズされた食事が楽しめるダイニングバー(リアルな外食店舗、一般生活者向け) 【場】 大手町・新宿・渋谷エリアなど、一日の乗降人数が200万人以上ある、オフィス街の1F店舗 【ターゲット】 健康志向×キャリア志向の男女(30~50代男性、20~50代女性) 【提供するもの】 朝:朝食もしくは、オフィスで食べる用の弁当を事前予約制で提供 昼:ランチ、もしくはオフィスで食べる用の弁当を事前予約制で提供 夜:事前予約制のダイニングバーとして、コース料理の提供 【事前予約について】 スマホアプリ上から自分が食べたもの、健康状態、食制限、今日食べたいものなどを入力し、席を予約する。あらかじめ提供するメニューが決まっているので、お客さんに応じて出すだけでOK。軌道に乗るまでは当日受付をしないため、フードロスなども発生しにくい。 ②自分の食べたものや健康状態、食制限について送信すると、自店舗のメニューからどんなものを提供したらよいかが分かるモジュール(外食店舗向け) 【ターゲット】 自分の店舗に健康志向のターゲットを呼び寄せたい外食チェーン店や個人経営の外食店舗 【提供するもの】 専用のカードリーダー、タブレット端末 【サービス内容】 ①で登録している情報を、ICチップを搭載した健康カードに集約し、来店客に配布。健康カードを専用リーダーにかざせば、そのお店のメニューの中でおすすめのものが分かる。健康についての情報だけではなく、アレルギーの情報などもIT管理できる。加盟店制にし、初期導入費用は0円。健康カード1利用につき、手数料を外食側またはユーザーから取得する。 このサービスにより、食制限を持つ人が食事を心から楽しめる場を提供すると同時に、日本中すべての外食店舗が心から食事を楽しめる場になると考えています。

普通のアイデアコンテストであればここの部分は図を用いてパワーポイントで説明をするところ、TSGの場合は文字のみの説明です。過去の傾向を色々分析したのですが、ここでは実現可能かどうかというよりも、ワクワクする未来を具体的に描けているかどうかが審査ポイントなのではないかなと思います。先日のTOKYO STARTUP DEGAWAに出演した「空飛ぶ車」のように、一言でワクワクが伝わるようなものだとなお良いのではないでしょうか。


CAN EATの二次審査書類~アクション計画編~

<2-2>この1ヶ月のアクションを教えて下さい。
7月下旬の一次審査の結果発表からの約一か月間で、具体的にどのようなアクションや試行錯誤をし、ビジョンがどのように進化または深化したのか、そしてそのプロセスを通じて学んだこと・気づいたことをお書きください。また、その一連のプロセスを通じて「カタチ」になったモノやコトがあれば併せて記載してください。

前回の予定アクションに対しての結果を記載いたします。 >直近1ヶ月では、飲食店経営についての知識が不足しているので、関連書籍を読んだり、実際に外食経営をされている方にお話を聞き、飲食店の起業の仕方や経営の仕方について勉強しようと考えています。 →メンターにも記載されているスタートゼロワン株式会社がfacebook広告で「飲食開業相談会」を開催していたため、参加し、飲食店をつくるための基礎知識を勉強しました。 また、関連書籍として、「はじめての人の飲食店開業塾」「51の質問に答えるだけですぐできる 事業計画書のつくりかた」を読み、自分のアイデアをより具体性を持った形に落とし込んでいます。今は約30枚ほどのパワーポイント形式の事業計画書をつくり、自分の事業に足りない部分を少しづつ埋める作業ができています。 >またメインターゲットはサラリーマンの飲み会を考えているので、どのような空間であればリピート客が増えるのかのイメージを付けたり、立地についても検討をしていきたいと考えています。(モーニングやランチについても実施したく考えているので、オフィス街が理想です。) →竹芝、丸の内、大手町を中心に物件探しをしています。サイトは、居抜き本舗な等で広さや席数を想定し、自分の理想の集客が見込めるかをシミュレーションしています。 >その他 →ビジョン・ワークウィークやTSG5期生と集まり、お互いのビジョンを徹底的にアウトプットすることで、自分のビジョンが深化しました。 これまではダイエット用途としての考え方が強いアイデアでしたが、母や友人や祖父の「負」を解決したいと考えていた原体験を思いだし、それまで言語化していなかったビジョンへの思いを再認識することができました。
<2-3>次の約1年(2019年8月末迄)の計画
あなたのビジョンの実現に向けて、「次の約1年(2019年8月末)」においては、どのようなアクションや準備を計画されているのかを、詳しくお書き下さい。たとえば既に会社を退職されている方と、まだ在職中の方では、事業に費やせる時間が圧倒的に違うと思います。また次のステージに進んだ場合、メンターのアドバイス等でアクション計画も柔軟に変更する必要があるかと思いますが、現時点で、1年間というスパンで、ビジョンの実現に向けて、どのようなアクションを計画されているのかを、詳しくお書き下さい。

①退職 現職では本事業が実行できないと判断が下っており、かつ副業も困難なため、離職をします。今後は起業か、本事業を実行できる事業会社の新規事業ポジションか、副業が可能な会社への再就職を検討しています。 ②資金調達 開業に必要な資金を調達するべく、まずはビジネスコンテストへの積極的出場により賞金を得たり、ベンチャーキャピタルとの繋がりを持ち、情報を仕入れます。 ③協働する仲間集め こちらも、ビジネスコンテストやハッカソンへの出場を通して、ビジョンに共感してくれる仲間を募集します。私には、栄養士・調理師・技術者の人脈が不足しているので、これらの方々に接触できる機会を積極的に作っていく予定です。
<2-4>直近約2か月間(2018年10月末)の計画
あなたのビジョンの実現に向けて、「直近約2か月間(2018年10月末)」においては、どのようなアクションや準備を計画されているのかを、詳しくお書き下さい。たとえば既に会社を退職されている方と、まだ在職中の方では、事業に費やせる時間が圧倒的に違うと思います。また次のステージに進んだ場合、メンターのアドバイス等でアクション計画も柔軟に変更する必要があるかと思いますが、現時点で、2か月間というスパンで、ビジョンの実現に向けて、どのようなアクションを計画されているのかを、詳しくお書き下さい。
①転職活動・退職準備 自分の挑戦したい事業が実現できる会社を探すと同時に、この事業ができたら協力してくれそうな会社を探すという2つの視点で転職活動を開始します。 ②他のビジネスコンテストへも挑戦 他のビジネスコンテストにも挑戦することで、自分の考えているビジョンをどんな人にも説明でき、共感してもらえるよう、アウトプットの機会を多く設け、トライ&エラーを繰り返します。また、仲間集めという視点でもできるだけ多くのビジネスコンテストに挑戦し、リアルな場のイベントに参加します。

TSGの審査基準に、「目標に向けた計画ができるか・実現する人材か」ということがホームページ上で明確に謳われていたため、自分の立てた計画に対してどのように振り返っているかも含めて記載していました。もちろん、最初に立てた計画通りにいっていない面もありますが、どうして計画を変更したのかも含めて記載したり、計画を立てる時点で複数の可能性について明示することで想定の範囲を広げたりもしていました。この時は本業との両立がかなり大変でしたが、逆に「これから先のプラン」をあえてこの時書くことで自分を追い込んで実行していた覚えがあります。このプランと振り返りの作業は、通常の仕事でも必要ですが起業となるとことさらベンチャーキャピタル等に求められたりするので、今のうちに習慣づけておくと良いと思います。

ちなみに私は起業した今でも、毎月末に振り返りシートに記載し、株主に共有しています。

CAN EATの二次審査書類~バックグラウンド編~

<3-1>ビジョン実現に向けて障害となりそうなこと
あなたのビジョンの実現に向けて、あなたご自身が、将来的に拘束されることや障害になりそうなこと(就職や留学が決まっている、今の組織を退職できないなど)はありますか?

会社から本事業のアイデアに対して正式にNGが出たことと、退職を決めたことで、兼ねてより懸念していた障壁はある程度排除されると考えています。(ただし、再就職を選択した場合は何かしら障害が発生する可能性もあります)
<3-2-1>ビジョン実現を確信できる理由①
壮大なビジョンを実現させるためには、これから様々な壁を乗り越えていく必要があると思いますが、それでも、「あなたが、自らのビジョンを実現できる」と確信できる理由を最大3つ教えてください。ここでは、ビジョンを取り巻く市場環境や未来予測、社会情勢のことではなく、あなたご自身の強みや背景、あなたならではのユニークポイント・経験・価値観・資源・あなたを取り巻く環境などについてお書きください。

【新規事業に対する情熱と経験値】 5年間で3つの新規事業企画に関わり、そのうちの1つがKPI達成、1つが立ち上げ成功、1つが失敗という経験をしてきました。そのため、新規事業を実施していくために、どういう要素が失敗につながるのか、どういう要素が成功につながったのか、トライ&エラーを繰り返した経験があります。本事業についても3年間市場やテックトレンドを追いながら、どうしたら実現できるのかを考え続けてきました。この間、当時の上司にも、今の上司にも「うちの会社ではできるわけがないから、早く諦めて他の業務に集中するべきだ」と言われ続けてきましたが、この事業が本当に社会的に意義のあることにつながる(健康問題・アレルギー問題・フードロス問題・高齢化社会問題)と考え、この事業の企画に向き合い続けてきました。いつかこの事業を実現したいと考え、様々な人脈形成とアイデアの深化をコツコツと積み重ねてきました。この時の粘り強さが今、自信のひとつになっており、今後否定されることがあったとしても心が折れることなく事業をやり通すことができると考えております。
<3-2-2>ビジョン実現を確信できる理由②
【企画実現力・行動力】 事業会社の新規事業を担当していた時期は、会社として前例のないBtoCアプリの事業を1年以内に100万DLさせることに成功しました。また、3Dプリンターの新規事業企画の際には、文学部出身の自分では絶対に実現できない電子工作のワークショップを企画し、メディアに掲載される実績を上げました。ものづくりが苦手なのに、ものづくり団体を立ち上げ、TVのハッカソン番組にも出演したことがあります。このように、知識や実績が0の状態から物事を企画し、必要な人脈形成をして実現までこぎつけ、更に世の中にその実績を広げることができます。 「誰もが」を実現するためには、ビジョンに賛同して顧客となってくれる方々を探さないといけないと考えています。まずは自分が外食産業に入って成功事例をつくり、その実績をもとに横展開をしていく必要があることから、企画をいろいろな角度から試して、世の中に広げる力が必ずビジョン実現の役に立つと信じています。
<3-2-3>ビジョン実現を確信できる理由③
【FoodTechトレンドを追い続けてきた経験と人脈】 すでに食×テクノロジーはトレンドとしてここ2年で大きな注目を集めています。私はこのトレンドを初期に察知し、①研究者(国内外)②ビジネスリーダー③官公庁(農林水産省)とのつながりを得ることができました。ビジョンには共感してくださる方が多いので、今後事業上の連携や技術の活用、それらを広げていくための相談がしやすい環境であり、プロトタイプモデルが完成したあとの連携がスムーズに進行しやすいと考えています。

ここは自分的には一番記載に悩んだところです。特に専門性を持っていないなぁと悩んでいましたが、この事業の実現のために積み重ねてきたことをひたすら書き連ねていました。謙虚な人ほど、〇〇に自信があります!と言えない傾向があると思うのですが、誰かと比べると本当に書くことが無くなってしまうので、自分がやってきたことについては浅くてもいいので実績として堂々と記載する必要があります。時には自分を少し大きく見せることも必要なのだと学びました…。

CAN EATの二次審査書類~チーム編~


<4-1>チーム・応援者のプロフィール
チームメンバーが既にいる場合は、下記のフォーマットに沿って一人ずつメンバーの紹介をお願いします。 1)チームメンバーのお名前・年齢 2)その方の現職、職歴、実績、スキル、経験等のプロフィール 3)その方のチーム内での役割・担当領域 4)プロジェクトへの参画状況や参画予定(当面は無償ボランティアで参画予定、資金調達の目途が立てば現職を辞めて参画予定など)

Aさん(旧職で共にパーソナライズドフードについて事業家を検討したメンバー。営業職。)
<4-2>事業を進める上で協力先・取引先
事業を進めるうえで協力先・取引先となってくれる人や組織を既に予定しているのであれば、どのような人や組織が、どのような形態の協力をされる予定かを教えて下さい。
B株式会社(個々人に合わせてサプリメントを配合して提供するベンチャー企業。個人に合わせたサプリメントの提供をお手伝いいただく。)
<4-3>アドバイザーやメンターの存在
事業を進めるうえで、あなたに足りない経験やノウハウを補ってくれるアドバイザーやメンターが既にいれば、どのような強みや経験をお持ちの方かを教えて下さい。

C氏(パーソナライズ化にあたってのAI機能についてのアドバイザー) D氏(×株式会社で飲食店の開業相談、事業計画書作成援助をしてくれるアドバイザー)

自分に圧倒的に不足していたのが、チームメンバーの存在でした。ほぼ一人で実行していたため、周りの人たちのように志を一緒にする人がこの時点でおらず、「人を惹きつける力がないんじゃないか」と思われることを心配していました。が、いざセミファイナル来てみると、もちろん人に恵まれている人もいたのですが、1人~2,3人と少数チームである人も多く、あまり気にしなくてもよかったのかなと思いました。それよりはビジョンをしっかり作ることが大事で、そのビジョンに共感して人が集まってくれることもあるので、「ビジョンが決まってチームビルディングはこれからです」と素直に書いてしまっても問題はないように思います。

~結果発表と、その次~

二次審査の連絡は8/10、27日が提出〆切でしたが、その前に一次イベントであったチームでグループを組み、お互いにビジョンについてしっかり練り上げる時間がありました。アウトプットは早いほどいいので、忙しいと思いますが集まりはパパっと設定してしまうことをおススメします。結果は9/3に来ました。審査は案外早いな、という印象でしたが、結果を待っている間は本当に気が気じゃないので…「あれっ、例年より遅いな」と思っても、焦らず待ってくださいね!

そして二次審査が終わると、起業家としてスタートを切ることを決意するきっかけにもなった、リーンローンチパッドが始まります。これがいわゆる地獄の夏休みでしたが、是非みなさんにもこのプログラムを通して事業をブラッシュアップしていただければと思います。

応援しております!


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