見出し画像

JJF2021裏話

こんにちは。かにかまです。この記事はジャグリングアドベントカレンダー2021用に書きました。


10月9日に行われたJJF2021 Championship にて、女子個人部門で優勝させていただきました。(出場者1人だったけど!!)今回は出場した経緯や、大会当日までの話、大会当日の思い出などを書いていけたらなと思います。大した話じゃないのでゆるりとお読み下さい。

↑↑まだ私のJJFの演技を見てない人、見たけど忘れてしまった…って人はこちらを見てください🙇‍♀️

まずこのルーティン、最初はJJFに出るために作ったわけではありませんでした。2020年の秋ごろ、MILABO/ずっと真夜中でいいのに。という曲にハマってて毎日のように聴いてるうちに「この曲で演技してみたいな」と思い、どこで発表するとかもなくルーティンを作り始めました。この曲の長さは4:30と今まで私が使用したルーティン曲の中で最も長く、私が出来る技ほぼ全部入れました。

曲のどの部分で何をするかみたいなルーティンの大まかな構造は、自分で言うのもなんですがとても早く決まりました。(考え始めて2日でほぼ全部決まりました)

・ラップパートが2回あるから前半の方はガンスリンガー、後半の方はアイソレーションをしよう
・アイソレの前の間奏はタングラーをして繋げよう
・サビが3回あるから、1回目はinward、2回目はoutward、ラスサビは1番得意なsame direction のボディートレースやろう。
・後奏これくらいの長さなら3ポイやるのにちょうど良さそう
・2番の最初メロディーがゆったりしてるからロール系しよう

などと構造を考えている時に、やりたい技が全部パズルのピースのようにこの曲に綺麗に収まったので、一人で感動しました。大まかな構造が早く決まった分、微調整に時間をかけることができました。特に、1ポイパートやラスサビのボディートレースのシーケンスは時間をかけて改善を繰り返した記憶があります。逆にinwardとoutwardのボディートレース、3ポイパートはルーティン考え始めた頃からほとんど変わってないです。

構造ができてルーティンを練習し始めた頃に、学生大会の開催が発表されて(これは中止になるのですが)この大会に向けて練習しようと具体的な目標が定まりました。まだ成功率の低かったロール系の技やできるようになったばかりの3ポイの技がなかなか通し練で成功せず、必死になって練習してました。

ルーティンと向き合っていくうちにこの曲でやる演技にとても愛着が湧いてきた私の気持ちとは裏腹に、世間はさらにコロナの感染が広がって自粛ムードになっていました。そんな時に、なんとなくサークルの先輩に「私が今練習してるルーティン、もし学生大会中止になって披露出来なかったらJJFCS予選出してみる!」って、半分冗談で半分本気で言ってしまいました。今思えば、ジャグリングの大会で活躍したことがない私がCS出たいなんて身の程知らずなことを言ってるのに、笑ったり止めたりせず「君なら出来るよ」って言ってくれた先輩の優しさに感謝すべきですね。

練習を続けて通し練でノードロがはじめて出た頃に、学生大会中止のお知らせが発表されました。こうして冗談で言ったのに本当にCS予選提出を目指すことになりました。出すからには自分史上最高のものを作りたいと思い、微調整を重ねてきました。2021年の3月に行われた新人戦滋賀杯のフリー部門ではじめて人前でこのルーティンを披露しました。微調整の途中だったこともあり、何回もドロップやミスをしてしまいました…。でも、今後の課題が見つかるありがたい機会だったので出場して良かったです。

そうして私は大学4年生になりました。大学に行って講義を受ける今までの生活から研究室に所属して実験をする生活に変わり、ジャグリングと大学生活の両立が難しくなりました。そんな私に、さらに乗り越えなければならない壁が現れます。そう、大学院試です。内部進学で試験がゆるいと言えど落ちたら本当に困るので勉強しなきゃいけませんでした。でもCSの予選は出したい。昼間は実験と院試勉強、それらが終わってからジャグリングの練習という忙しい日々が始まりました。

春頃から、ルーティンの技以外の部分にもこだわりはじめました。今までのルーティン曲は悲しい印象の曲やゆっくりしたテンポの曲が多かったのに対して、今回は明るく可愛らしい印象でテンポ早めの曲だったので、今回の曲に会うような動きや決めポーズを試行錯誤しました。全体的にちょっとあざとかわいい感じの動きになるようにしてみました。(そういう手振りや表情作りを研究しすぎて、たまに日常生活に出てしまって後から恥ずかしくなるみたいなことが結構ありました。)

演技中の表情の変化も意識しました。ゆったりした曲だと、終盤にむけてだんだん笑顔になるか悲しそうになる のようにじわじわと変化させることが多かったのですが、今回は歌詞や今している技に対応させて怒ったり笑ったりちょっと驚いてみたりと頻繁に表情を変化させてみました。(本番は緊張してたのでそんなにできてないかもしれないですが…)

私の他の演技と比べると、CSの演技の印象はだいぶ違うんじゃないかな…?と思います。

ルーティンの微調整を続け、最終形態が出来たのは6月終盤ごろでした。その頃からほぼ毎日、夕方の1〜2時間サークルの練習場所で動画撮影を繰り返していました。CS予選に出すためだということをあまりサークルの人たちに言ってなかったのに、画角に入らないように気を使ってくれて申し訳なかったです。サークルのみんなありがとう。「予選動画が撮れたら院試勉強に専念しよう」と決めて撮影を続けていたところ、7月中旬(院試1ヶ月前)に納得のいく動画が撮れたので、その日以降はしばらくポイはせずにずっと勉強してました。(この院試まで、私は1週間以上ポイを触らない日が続いたことはなかった。はじめてこんなに休んだ。)

8月終盤、院試が無事終わり(試験の次の日に「合格だ」と教授に言われたので)ポイの練習を再開しました。約1ヶ月間ポイを触らなかったことで、予選動画に入れた技がいくつかできなくなってしまいました。これがとても辛くて、一度出したけど取り下げようかと少し思ったほどでした。でも、予選結果が出るまでは練習を続けることにしました。最初は本当にどうしようかと思ったけど、練習していくうちに徐々に取り戻し、練習を再開して1ヶ月後には予選動画と同じくらいまで技術を戻すことができました。

予選動画の撮影までの間も、院試が終わってからの間も、自分ができることは限りなくやれたので、予選の結果発表は落ち着いて迎えることができました。「時間をかけて作った演技だから受かったら嬉しいな。でも、落ちたとしても来年また挑戦すればいい。」そう思っていたのですが、ホームページで予選の結果発表を見て流石に驚きました。女子個人部門に私しかいなかったので…

ここからは、今までとは違う意味で悩み始めました。自分が出る意味があるのか。「出場者が1人の場合、1位に相応しい演技をした場合のみ表彰する」って要項に書いてあるけどもし表彰されなかったらどうしよう…。自分なんかがこんな伝統のある大会の金メダルをもらう資格なんてない…。など、不安を抱えたまま東京に向かいました。

当日は10時20分集合、10時30分から私のステージリハで、心が落ち着かないままリハが始まりました。2.3分だけ照明の確認とアップをして、残りの時間で2回ルーティンを通しました。ボロボロとまでは言わないけど、大事なところで落としてしまいあまり良い演技とは言えないリハーサルになってしまいました。

リハを終えてから自分の楽屋に行ったのですが、楽屋は私1人用だったので、寂しかったです😢

画像1

楽屋で一人でいても寂しいだけなので、自由時間は練習部屋にいる時間が長かったです。他のCS出場者が本番でやるであろうすごい技の数々を目の前で見れて、こんな機会二度とないなと目に焼き付けつつ、私も頑張らないとと思い最後の練習にとりかかりました。昼過ぎに眠くなったので楽屋の椅子を一列に並べて昼寝しました。本番1時間前に、他のCS出場者の方々が私のルーティンを見てくれました。その時も3回くらい落としてしまいこの後の演技が不安になりましたが、見てくれた出場者の方が褒めてくれたのが励みになりました。

本番30分前にメイクやヘアセットを終えて(出来るだけ可愛く見えるようにこの辺もいろいろ努力した話は誰も興味ないので割愛)、あっというまに自分の出番がきました。ステージに入る時が1番緊張して、ポイの置き方間違えて直してるのが動画にも残ってます

演技中は後から不思議に思うほど落ち着いていて、1回落としてしまった時も焦らず演技を続けられました。楽しかったかとよく聞かれるのですが、演技中は「やるべきことをやる」としか思ってなくて、楽しかったのかな…?というのが正直な気持ちです。ステージからはあまりお客さんの顔が見えないのもあって緊張せずに演技できたのかなと思います。(サークルの人たちが「かにかま💕」って書かれたうちわ振ってたらしいけど、全く気づかなかった…ごめんよ…)

結果発表で、自分が表彰してもらえることがわかったとき、今までの不安が一気に飛んだせいか思わず泣いてしまいました。出場者1人だけだから明るく振る舞おうと思ってたのに、泣いてごめんなさい。でも後からいろんな人に「かにかまの受賞コメントで泣いた」って言われたので許してほしいです…!!

画像2

《これは本当にどうでもいい話》結果発表の時のステージ全体の様子ですが、出場者も審査員もみんな身長高すぎて私だけ頭1つ分以上低くて穴空いたみたいになってる…って知り合いに言われて、たしかに…って思いました。中央の受賞者コメント用のマイクは1番低い私に合わせられたので、背が高い他の人たちが屈んで話してたのが申し訳なかったです…。

いろいろあったCSまでの道のりでした。個人の名前をできるだけ出さないように書いたので、まだまだCSの裏話は尽きないのですが、もし気になったら直接会った時に聞くかオンライン飲み会でも誘って下さい🥂

予選動画撮影の頃から応援してくれたJMCのみんなや、CS出場が決定した時にお祝いのメッセージを下さったジャグラーのみなさん、私の演技の後に「良かった」「また出てほしい」って声をかけて下さったみなさん、本当に励みになったし本当に嬉しかったです。ありがとうございました。






最後に

コロナ禍でも勉強と両立しながら予選動画だして偉い、満足のいく演技を本番できて偉い、と自分の努力は自分で認めてあげたいのですが、どうしても出場者が1人だったことが引っかかって「もし他の出場者がいたら私は1位どころか予選すら通ってなかったかもしれない」と度々思ってしまいます。この気持ちを払拭するために、これからも頑張って、またCSや他の大会に出れたらなと思っています。

CSに限らず「大会出たいけど、完璧な演技で出ないと勝てないし恥ずかしいから今は出ない」って思ってるジャグラーも多いと思います。そう思う気持ちもとてもわかりますが、誰だって最初から完璧な演技はできないし、現時点の実力で大会に出ることでいろんな面で成長できると思います。コロナがだんだん落ち着いてきていろんな大会の開催が決定しているので、是非一歩踏み出して大会に出てみて下さい。個人的にはCS女子個人部門の予選動画提出者がもっと増えたらいいな…と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?