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国産大麻 再興元年によせて(大麻新法 栽培編)【CBDアドベントカレンダー2024】

‐この記事は CBDアドベントカレンダー2024 参加記事です。
CBDに焦点を当てた特別なアドベントカレンダー、2024年版の一環として、CBDやヘンプ(産業用大麻)に関する「栽培現場」からの情報、日本における大麻規制の変化について「大麻草栽培」を焦点にお届けします‐


ごあいさつ

「おはようございます!CBD大好き!」でおなじみの、CBD・ヘンプ活用サポーター 赤岩つぼみです。
まずは、昨年のCBDアドベントカレンダーに続きまして、今年も参加の機会を頂けたことに大きな感謝を! アドベントカレンダーを通じて、たくさんの方にCBDやヘンプについてお伝えできることがとても嬉しいです。

CBDとの出会いは、2022年2月。
CBDを使ってみたら治療が困難だった持病が緩和され、こんなに素敵なものがあるならたくさんの方に情報を届けたい!と願いながら走ってきました。大麻草由来製品の市場はまだまだ整備が行き届かず、安全性や品質管理に懸念が高い製品が多かったのもこの当時の悩み。皆さんに届けたいのは情報だけでなく「安全な大麻草由来製品」へと変わっていきました。

この2年間は、CBDユーザのコミュニティを始めたところから、ベトナムでのCBDファームを立ち上げに呼ばれたり(昨年のアドベントカレンダーではベトナム赴任までの道のりを記事にしています)、CBD部主催のCBDジャーニーに出展してベトナムの少数民族・モン族のヘンプ利用を紹介して多くの方と交流を深めたり、事業が凍結して失意のなか帰国したり、スリリングで楽しい経験をたくさんさせて頂きました。

そして、CBDとの付き合いも3年目になり大麻取締法が改正されるこのタイミングで、日本国内で大麻草を育て産業や伝統に生かしていく産学官連携プロジェクト「天津菅麻プロジェクト」に参画することができました。
これからは三重県を拠点に、地域住民や地元農家さん、全国の大麻草栽培農家さんやヘンプを活用したい企業様、CBDやヘンプの可能性に関心を寄せて下さる皆様と共に、国産大麻草活用の再興に邁進していきます!
よろしくお願いします!

さて、前置きが長くなりましたが、「大麻草の栽培の規制に関連する法律」(まだまだ行政内では調整業務がモリモリに進行している)をひもとき、国産大麻が日本にもたらすであろうソーシャルグッドな可能性を一緒にみていきましょう!

2024年は日本における大麻草栽培の再興元年

この夏、「大麻取締法」と「向精神薬取締法」が一部改正され、大麻草に関連する法律は「大麻草の栽培規制に関連する法律」によって管轄されます。
そして、大麻草に含まれる陶酔性物質THCは「麻薬及び向精神薬取締法」へと移管されます。
かつての日本は、多くの農家が大麻草を栽培し、繊維を布や縄に、繊維を剥いだ茎を建材に、種は食品や灯油として余すところなく活用してきました。
「大麻取締法」によって規制され、日本では廃れてしまった大麻の農産業ですが、「大麻草の栽培規制に関連する法律」へと改正されたことで、産業用大麻の栽培や利用が法的に容易になり活性化される見込みです。

大麻草栽培に関する法改正の具体的なポイント

ここはサクッと表で見ていきましょう!
「大麻取締法」と「大麻草の栽培の規制に関連する法律」から栽培に関する要点を抜粋し、新旧表を作ってみました。
ちなみに、大麻の栽培に関する条項が変更されるのは、法改正の第二段階で、実際の施行は来年度に予定されています。なかなか先走った記事ではありますが、私はこの筆を止めない!

2024.4 現在 法改正新旧表

改正法の要点としては、
・日本で大麻草を栽培できるのは大麻草採取栽培免許保持者と大麻草研究者
・大麻草栽培免許は、第一種(産業用)・第二種(医療用)に大別
・第一種大麻草採取栽培者の免許期間が3年になることで手続きを簡素化
・栽培地に求められる防犯管理体制の負担を減じる
・用途拡大や海外品種の活用による産業化
など、栽培農家を保護し、産業化を促進する目的が読み取れるのではないでしょうか?

※医療やCBD活用の展望を含めた法改正の全容を詳しく知りたい方は、
 CBDアドベントカレンダー2024 4/10 に開催されるウェビナーへ!
 →CBD/麻産業の法改正と今後の展望

日本各地の伝統用・産業用大麻の栽培の現状

法改正では、栽培に関する規制が緩和される予定となりますが、現在日本における大麻栽培農家はなんと10軒程度…。絶滅の危機に瀕した大麻の農産業を復活させることがいかに急務であるか、お分かりいただけると思います。
日本では古来より大麻は衣食住に密接に関わる重要な作物でした。しかし、現在大麻の栽培は伝統用としての用途にほとんど限定されています。
伝統用大麻とは、主に日本の神事や祭りで使われる大麻のことを指します。神事用大麻や神宮大麻とも呼ばれ、注連縄や神具に使用されます。かつての日本では、これらの大麻製品は日本各地で栽培された国産のものが使われていました。しかし、現在では国産の大麻供給が追いついておらず、多くの神社では外国産の大麻を用いざるを得ない状況にあります。伝統的な大麻栽培が後継者不足や法的規制によって困難になっていることも、この供給不足に拍車をかけています。

この現状を変えていくために、国内の産業用大麻をしっかりと農業として立たせていくことが課題です。
日々畑に入り、成長を記録し、地域連携を進めながらソフト面でもハード面でも農業化を進めるため、日夜奮闘しています!
こちらも少しずつ発信していきますね!

国産大麻の活用でめざすもの

キーワードをあげるならば、この3つ。
「GX」「新たな産業構築」「持続可能性」
産業用大麻は、GX(グリーン・トランスフォーメーション)や栽培でのカーボンネガティブを実現できる資源としても注目されています。他にも、持続可能な航空燃料の開発や、ヘンプクリートによる大気中の二酸化炭素固定など、環境問題に対処しながら、新産業を創出する動きが加速していきます。
この話題は可能性とスケールの大きさにワクワクするのですが、詳細を書き始めるととんでもなく重くなってしまうので、今後取り上げていきます!

国産大麻が日本の衣食住に明るい未来をもたらす可能性

国産大麻関連製品の活用は衣食住など多くの分野で期待されています。
成長が速く、少ない水で育つ大麻を暮らしに生かしていくことは、環境負荷を抑えることができます。
大麻繊維の実用化、種子食品開発、麻幹を原料とした建材によるヘンプクリートハウスの建設など、日常生活における大麻の役割が拡大していくほど、環境に優しい暮らしを実現できるのです。
日本の大麻法改正により、産業用・伝統用大麻の栽培が盛り上がるこれからの動向を引き続きご期待ください。

おわりに

三重県明和町「天津菅麻プロジェクト」にて今年の春に種を播き、すくすくと育ち始めた産業用大麻の様子を動画にしました。
これからは麻を通じた交流や関係人口の創出にも力を入れていきますので、ぜひ皆さんもご一緒に、日本の産業用大麻が成長する過程を見守ってください。

【2024.4.20 追加】
令和6年4月20日には、天津菅麻プロジェクトの発展と豊作を祈念して種蒔神事がしめやかに執り行われ、精麻を作るための麻績畑では伝統的な麻蒔きが行われました。
穏やかな晴れの日、今年の麻栽培の幸先がよいことを予感させます。
健やかな麻を皆で育て、日本で大麻が活用できる未来を作ろうと、想いがひとつになる1日となりました。

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