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野球のアナリストを目指したい高校生はどんな大学で何を学ぶと良いか?


「球都桐生ウィーク」での講演が無事に終了

こちらの記事の通り、月曜日の夜に桐生で講演の機会をいただきました。

こんな様子で、160枚用意したスライドを1時間版喋りまくるというスタイルで無事やり遂げました。今回の球都桐生ウィークをきっかけに、稲川東一郎氏の功績が野球界にとどまらず、イノベーションに必要な心構えと行動としてもっと世に広がると良いと思います。

火曜日の朝一に東京に戻ってリモートワークをし、遠征準備を整えて夜にもう一度桐生に出発、今日は日中にリモートワークで稼働し(およそ週3日はスポーツとは関係なくデータ利活用のPMOやデータ分析環境づくりの仕事をしています)、先程、SAJ2023でも大変お世話になった栗山英樹さんを交えたシンポジウムを聴講していたところです。

乗っていた宇都宮線が倒木のため運転見合わせとなり、大宮から高崎経由で再度桐生入りした火曜日の夜

小学校の時に知った野球のアナリストの講演に行くというデジャブ

そして表題の件なのですが、たまたま月曜日に講演の聴講者の野球アナリストを目指しているという高校生から進路相談を受け、いまのうちにさくっとメモを残しておこうと思ったので、書いておきます。

「小学校から球辞苑を見ていて、自分を見てアナリストになりたいと思った」というとてもありがたいお話を頂いたので、当日は伝えきれていない個人的な見解をメモしておきます。

ちなみにこのような講演の機会で球辞苑で見ていたと言っていただけることがたまにあるのですが「小学校の頃から見てました!」と言われるのが実は2回目で、ああ、自分もだいぶ長くやっているなと感じる次第です。

7年前に書いていただいたこの記事の通りで、自分も野球のデータ分析の仕事を知るきっかけは小学校のときにたまたま見たアソボウズに関する記事でした。

なので、行木茂満さん(現ロッテ)の講演とかは大学生のときにワクワクして聞きに行っていまして、とても気持ちがわかります。

野球のアナリストを目指したい高校生はどんな大学で何を学ぶと良いか?

そして表題の件ですが、現時点での個人的な回答は下記の通りです。

1、野球選手のできるだけ近くや、野球チームの中に入って現場でサポートしたいなら大学からスポーツ科学(主にバイオメカニクスやトレーニング科学系統)を学べる大学、学部に行く選択肢はありだし、その方が近道。

2、そうでないなら汎用的なスキルが身につく学部でも良く、大学時代にインターンやアルバイトでスポーツアナリティクス関連の仕事に触れておくと良い。実際に球団やデータ会社のアナリストも工学部、情報工学部、経済学部辺りの出身者は多い(自分も経済学部)。

3、スポーツをどこかのタイミングで専門に学ぶ方が専門性に深みは出るし、個人的には学んで欲しい。ただし、大学からスポーツ科学の学部に行く必要性は必ずしもなく、大学院、社会人大学院で学び直すという選択肢も十分ある(自分もそのパターン)。

4、こと野球に関しては、歴史的に六大学の野球部のネットワークが強いので、日本で野球関連で仕事をずっとやっていきたいという意志であれば六大学はオススメ(これは自分は持っていないので単純に羨ましいと思う時がある)。

5、アメリカのフロントで活躍している日本人がまだ少ないので(トレーナーは多く活躍していて、コーチも出てきているがアナリストやGM方面のフロントスタッフは少ない)、アメリカの大学や大学院を視野に入れる人が増えて欲しい(英語が得意ではない自分からしたら誰かに成し遂げて欲しいキャリア)。

走り書きレベルですが、思っていることを端的に書くとこんな感じです。

野球アナリスト、アナライザーの解像度を上げよう

もう4年前の記事なので少し古いですが、下の記事の通りでアナリティクスを担う役回りには様々な専門性があります。

相談として多いのは「選手のそばでチームが勝つ手助けをしたい」という現場のアナリストのパターンで、その場合はスポーツ科学やコーチングの専門性が重要です。一方、選手やチームと直接的にコミュニケーションをとるか否かに関わらずアナリティクスに必要なポジション、例えばエンジニアなど工学部出身の方が強みになる仕事も多くあります。

日本のプロ野球でいわゆる「アナリスト」と呼ばれる人たちもだいぶ多彩な経歴を持っているので、もしこの辺の進路で困っている人が多くいるならば、彼らの経歴を公開情報の中から少し深掘りしてみる記事も書いてみようと思います。

最後に、個人的には就職の選択肢がいくつもある優秀な人でスポーツを仕事にしたいなら、個人的には大学在学中にインターンやアルバイトをし、新卒で入ることをおすすめしています。大きく理由は3つあります。

1、中途からでは給料に開きが出てしまい、一歩を踏み出せなくなる。

2、スポーツ産業は限られたネットワーク、だけれど他産業の企業より多彩な経験のできるネットワークなので、結果を残せれば意外と社会を知れるし選択肢を広げられる。

3、他産業への転職は、汎用的なスキルを持ちたいという意志が固ければやれるはず。

いずれにしても何をやりたいかの解像度を主体的に上げていくことが先決なので、ぜひそれぞれの正解を見つけていただければと思います。

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