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「スポーツアナリティクスジャパン(SAJ)2022」のプロジェクトマネージャーに立候補した理由

 毎年久永さんが企画しているスポーツアナリティクス Advent Calendar 2021の最終日。スポーツアナリストに焦点を当てた祭典「スポーツアナリティクスジャパン2022(以下、SAJ2022)」について書きます。

スポーツアナリティクスの祭典を3/26(土)に開催

 2022年3月26日(土)にSAJを開催することが決定しました。イベントの方式はオンライン+現地(CIC Tokyo)のハイブリッドを予定しています。

 タイトルにもある通り、私はイベントを主催する日本スポーツアナリスト協会(以下、JSAA)でSAJ2022のプロジェクトマネージャーとして関わっています。

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 SAJには、第1回の2014年から中心的に関わっていたのですが、JSAA内部でプロジェクト全体を取り仕切る役回りは初めてです。

なぜプロジェクトマネージャーに立候補したか?

 具体的には下記の2つの理由です。

1、イベントの規模を拡大し、社会的なインパクトを生む白地があると考えたから

・アナリティクスを実践するスポーツ関係者は確実に増えている。SAJはほぼ手弁当、ボランティアによる運営体制ながら1000人弱の参加規模まで来ており、きちんと整理することでイベント規模拡大の伸びしろがありそう。

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※SAJ2022パートナーセールス資料より抜粋

・コロナ禍でオンラインイベントを実施する敷居が下がり、領域特化型のセミナーは多く行われるようになったが、競技横断でスポーツアナリティクス全体を扱う「年に一度のお祭り」はSAJが日本最大であり、独自の価値を出せる。

・スポーツアナリストはスポーツで何か問題を抱える当事者の問いを整理して「問題解決のレベルと速度をあげる」役割である。この問題発見→解決の思考法やスキルは社会一般の問題を取り扱う上でも価値があり、汎用性が高い。

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2、スポーツアナリティクスをきっかけとしたネットワーキングの機会を創出したいから

・プロやトップレベルの競技現場で活躍するスポーツアナリストが、その能力を生かしつつ発展的にキャリアを考えられる場を創出し、一方でスポーツアナリスト以外のキャリアを持つ人のスポーツへの参入機会を増やしたい。

・SAJが盛り上がることで、いわゆる「AI人材」と呼ばれるような、データを活用して意思決定を加速させる人への投資の重要性をPRし、さまざまな企業の意思決定者を動かしたい。これは必ずしもスポーツを対象とする話だけでなく、日本社会全体へのメッセージとしていきたい。

SAJの運営体制のこれまでとこれから

 このような意志があったため、私はJSAAの理事に対して、SAJ2022でプロジェクトマネージャー(以下、PM)をやりたいと相談をしており、理事内での議論を経て、PMとして動くことが決まりました。

 PMとして最初に整理したことの一つが、イベント実施に必要な各人の役割、機能です。

 今回で8回目を迎えるSAJですが、このイベントは今年を含めて「手弁当」と言って良いイベントです。

 SAJ2021までの体制は下記の通りで、JSAAの理事会とボランティアで10名程度のメンバーが集うSAJ実行委員会がありました。

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 理事と実行委員会のメンバーだけで、セッション作りやセッションでのモデレートだけでなく、パートナー企業やチケットのセールス面、当日のイベント運用まで、広報記事執筆と一部の事務以外、イベント運営に関する多くの機能を担っていました。

 懐かしき部活のようでとても楽しいのですが、いかんせん、各人への負荷が大き過ぎます。冷静に考えると、500〜1000名規模の参加者がいる有料イベントを継続的に運営できる体制ではありません。

 SAJ2022の運営体制も自分含めて手弁当であることに変わりはないのですが、以下のように機能を整理して、どの役割にボランティアとして参画してもらうかを決めています。

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 去年まで「実行委員会」としていた会議体は「SAJ事業本部企画運用部のコンテンツ企画委員会」と改め、実際にSAJの中でのセッションを企画し、実行する役割と定義し直しました。

 その他の機能は実際すべてJSAA理事や事務局、あと私が担っている状態なので、この辺りの裏方に興味がある方がいましたら、saj2022@jsaa.orgまでご連絡いただければと思います。

 SAJ2022以降についても構想を始めており、社会的にインパクトを残せるイベントとしていくための動きを本格化させています。

スポーツアナリティクスに触れた人材が、主体的に社会やビジネスの問題を見つけて解決していく世界へ

「スポーツの情報分析や情報戦略を学んだ学生は、スポーツチームのアナリストに限らず、幅広い分野や職種で活躍できる可能性がある」(第10回

 今回のアドベントカレンダーの記事の中で、橘さんがスポーツアナリストのセカンドキャリアに絡めてこのような記載をされています。

 私自身、もともとスポーツデータを収集し分析する会社に社員として所属して、お金をもらってスポーツを分析して解釈やソリューションをアウトプットする「プロのスポーツアナリスト」でした。

 現在もプロのスポーツアナリストであることは間違いないですが、3年前に転職しており、あくまでもアナリスト活動は副業の範囲にとどまっています。本職はレコメンドシステム開発のディレクションや体制構築のリーディングがメインであり、平日昼間の多くの時間はスポーツとは関わりのない仕事をしています。

 スポーツ産業の外に活動の中心をずらして4年目に突入しましたが、スポーツアナリストが持つ「現場で生じている問題を捉える力」「シンプルに情報を可視化するスキル」「コミュニケーション能力」「生データ作り&データ集計能力」「各自で取得した技術力」は一般企業でも役に立つと思います。

 PMに立候補した理由にも書きましたが、私はスポーツアナリストの「問題発見→解決の思考法やスキルは社会一般の問題を取り扱う上でも価値があり、汎用性が高い」と捉えており、自分自身の問題としてもそれは実感しています。

 スポーツ活動含めた身体活動を分析するという行為は、スポーツが好き嫌い関わらず、誰もが通れる身近な話です。下記の図で示したようなSAJのファンを徐々に中心から周辺へと増やしていくことで「スポーツアナリティクス」というカルチャーへの社会的な認知を向上させ、最終的には「人が誰でもやっている当たり前のこと」という次元に行けないかと思案しています。

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好きで熱中していることが誰かのためになる幸せと、豊かな社会に向けて

 「メリークリスマス!」もほどほどに、スポーツの分析に励み、今日も誰かに親身なアドバイスを送っている。

 そんなスポーツアナリストは、人生を通して熱中できる「遊び」を見つけ出せた幸せな人々だと思います。

 しかもその「遊び」には、誰かの困りごとを整理し、解決に導く力がある。

 Amazonでのショッピングなど、最低限の生存のために必要不可欠なサービスがビッグデータを活用してよりシンプルなサービスに進化し続けている現代だからこそ、人間が個別に持っている複雑でややこしい問いに正面からぶつかり、サポートができるようなスポーツアナリスト、スポーツアナリティクスは一般社会でも年々重要性が増していると考えています。

 皆がスポーツアナリストとなり、輝ける社会は豊かな社会だと信じて、まずはSAJ2022を成功に導けるよう、動いていきたいと思います。

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