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343 奈良・桜井に紅葉の神社を訪ねる。

暦は進み、今年も残すところあと1ヶ月となりました。
全国各地の紅葉の名所もそろそろ見ごろを終えようとしています。

そんな折、所用で京都を訪ねる機会がありました。
せっかく京都に来たんだったら京都の紅葉を見たい!
と思いましたが、生憎その日は土曜日で宿はどこも満室。
取れたのは奈良の宿でした。

逆に奈良の宿は取れるんだ!と驚きました。

思えば京都の紅葉は何度もいっているのですが、奈良の紅葉は見たことがありません。せっかく奈良に来たのですから奈良の紅葉を巡ってみることにしました。

静かに紅葉を見たいならここ!等彌神社

JR奈良駅から桜井線に乗ってやってきたのは桜井駅。JRと近鉄が合流する地点にあります。桜井市の中心駅です。ここから歩いて15分ほどのところに等彌(とみ)神社という紅葉の名所があります。

ただ、奈良にはほかにも紅葉の名所がたくさんあり、こちらの神社はこのシーズンでも人影はまばらです。静かに紅葉を楽しむのにおすすめだと思います。

本殿へはなんだかいい感じの林を抜けていきます。
楓の茂る林の中を階段を登って本殿へ。

黄色から紅に変わりつつある紅葉の向こうにある本殿に到着。主祭神は天照大神(大日霊貴命)とされています。

まだもみじも青い部分も多かったから人影はまばらでした。もう少し赤く色んで来たら地元の方が紅葉見物に来るんでしょうか。ひっそりとした雰囲気、わたしは好きです。

もう少し葉が色づく頃にもう一度来たい、そんな神社でした。

大化の改新密談の地・談山神社

等彌神社からはバスに乗って南へ。桜井市の平野部から山中に入っていきます。

鹿のマークの奈良交通のバス。この日は次の目的地となる談山(たんざん)神社までの臨時バスが運行されていました。談山神社はこの地域随一の紅葉の名所として知られています。

バス停から神社に向かうちょっとした林道を歩けば緑から赤へのグラデーションの美しい紅葉がわたしたちの目を奪います。

上を向いても、周りを見ても赤や黄色の秋色の景色。私の一番好きな季節に包まれて落ち着いた気持ちになります。

入場料600円を払って境内に入ります。
談山神社のあったこの地は、中臣鎌足と中大兄皇子が大化の改新に向けての密談を行った地とされています。

談山神社のシンボル「十三重の塔」

中臣鎌足の息子・定慧和尚が父の遺骨の一部を多武峯山頂に改葬し、十三重塔を建ててて妙楽寺を興し、鎌足の御神像を安置しました。これが談山神社の始まりです。神仏分離以前はここは多武峰(とうのみね)妙楽寺と呼ばれていました。談山神社の名はここで大化の改新にむけての「談」がなされたことから名づけられました。

拝殿の中へは建物に上がって拝観します。

舞台造の拝殿の廊下からも紅葉を望むことができます。

建物の中から紅葉の景色を望みます。窓の向こうの秋は本当に絵になりますね。

舞台造の拝殿を下から。
夫婦杉と石垣の間で色づく紅葉。
この時期にしか見られない紅葉の絨毯、よき。
紅葉の中に垣間見える十三重の塔は日本でもここしか見られない景色。

大化の改新所縁の神社の紅葉をゆっくりと見て回りバス停にもどりました。バス会社の人と地元の人らしき観光客の方が話していましたが、今年の紅葉は「いまひとつだねぇ」とのこと。夏が暑すぎて真っ赤になる前に葉が落ちてしまっているそうで。本当はもっともっと葉が赤く染まる、燃えるような景色がみられるのでしょう。わたしは緑から紅へと向かうグラデーションが好きなのでこの日のような色合いも好きなのですが、本格的に赤に染まった談山神社も見てみたいと思いました。







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