見出し画像

259 <旅プラン企画>碓氷峠で廃線跡を歩く 楽しく鉄道の歴史を知る旅へ~群馬・安中市横川

夏の家族旅行は何で行きますか?車の方も多いと思いますが、鉄道旅もお子さんの記憶に深く刻まれる楽しい旅になることでしょう。折角ですから鉄道の歴史を学びながら鉄道を楽しむ旅をしてみてはいかがでしょうか?
出発地:東京駅
移動手段:鉄道・バス
メンバー:家族4人旅(夫婦+小学生のこども2人)
予算:11,860円(交通費別途)

東京から鉄道のまち、横川へ

今回の目的地は群馬県西部の安中市。
東京から上越・北陸新幹線で高崎まで行き、そこから信越線にのりかえ30分くらいで終点の横川(よこかわ)駅に到着します。

東京駅 824発(とき307号)915 高崎駅着
高崎駅 927発(信越線普通列車)957 横川駅着

さて、少し鉄道を知っている方なら、横川の名物が何かはご存じのことでしょう。

こちらです、おぎのやさんの「峠の釜めし」! 昭和33年に発売されて以来1億7000個を販売した駅弁の代名詞ともいうべき一品です。こちらのお店が開くのが10時からというわけでその直前に着く列車に乗ってきたのです。

◆おぎのや本店
所在地 : 〒379-0301 群馬県安中市松井田町横川399
営業時間: 10:00~16:00(L.O 15:30) 定休日:毎週火曜日
TEL 027-395-2311

釜めしをゲットしてハイキングコースへ


無事釜めしをゲットしたところで今回の本題、廃線跡を歩く旅に参りましょう。

横川駅は今は終着駅となりその先に行くことができませんが、かつては軽井沢までつながり、長野方面まで特急列車も走っていました。

ただ、この区間は鉄道にとって天敵である急勾配を上り下りしなくてはならず、横川駅で機関車を2両繋いで登っていました。このような事情から横川駅は鉄道の要衝となったのです。
その後北陸新幹線が長野まで開業した際、峠を越える役割を新幹線に譲ることとなり、1997年に横川ー軽井沢間は廃止。横川駅は終端の駅となり要衝としての役割を終えたのです。

さきほどの「峠の釜めし」は横川駅で機関車を連結する合間にホームで立ち売りされており飛ぶように売れていました。わたしも何度か買った記憶があります。

そして、その廃線跡の一部は「アプトの道」として整備されハイキングコースとなっているのです。

ハイキングコースは横川駅から熊ノ平までの約6キロ。片道2時間弱のコースです。
もともと鉄道が敷かれていた場所なので基本的にきれいに整備されていて歩きやすいです。

それではかつて鉄道が走ったこの場所を歩いて登っていくことにしましょう。
左手に見えるのは廃線を有効活用して開業した鉄道テーマパーク「碓氷峠鉄道文化むら」の施設です。

とご紹介していたらトロッコ列車がやってきました。1時間に1本の運行ですので帰りに乗ってみることにしましょう。

途中、こんな立派な煉瓦造りの施設もあります。こちらは丸山変電所でかつて鉄道を動かすための電力設備が備えられていました。

ここからまた線路に沿って歩くんですが、カメラを平行に構えていてもわかるこの登り勾配。鉄道にとって傾斜は天敵だったんですが、これを克服して難所を登っていきました。

鉄橋の上で猿が休憩していました。今ではトロッコしか走らなくなった鉄路なので野生動物もゆっくり寛げます。

30分ほどで峠の湯という温泉施設に来ました。ここは道の駅にもなっているので車でアクセスすることも可能です。その名の通り温泉施設もあり、トロッコ列車の終着駅にもなっています。

旧線を辿り、ハイキングのハイライトへ

ここから先は線路はなく、このようなトンネルが多くなります。
信越本線は1997年にこの区間で廃止されていますが、それ以前、1963年に線路がつけかえられています。ここからの道は1963年以前に鉄道が走っていたところです。

トンネルの中ですが日中はライトがついていて歩きやすいです。涼しいので夏のハイキングでは涼をとるのに最適ですね。かつてはここをSLが通っていました。
SLがトンネルを通ると煤がひどく、乗客や乗員が窒息したといいます。その昔は鉄道旅行も命がけだったのです。

そんなトンネルを5つ抜けてたどり着くのが最大の目玉「めがね橋」。煉瓦造りのアーチ状の橋脚をもった鉄道峡で、その姿はとても美しく国の重要文化財に指定されています。ハイキングコースはこの橋の上を歩きます。

でも、せっかくですから下から見たいですよね。もちろん下を走る旧国道に降りることができその雄姿を眺めることができます。

1892年にわずか8ヶ月で建設したというめがね橋。当時の技術の結晶ともいえる美しい橋です。

再びハイキングコースに戻って5つトンネルを潜るといよいよ終点の熊ノ平に到着します。

特別何かがあるというわけではありません。北陸新幹線が開業するまで使用されていた信号場の跡で、一時は正式な駅としても機能していました。山の中に静かに佇む鉄道遺構をゆっくり見ることができます。

おまちかねのお弁当タイム♪


さて、ここに着くのは12時ごろ。横川駅で買った釜めしを頂くことにしましょう。

秘伝のたれに付け込まれた鶏肉に、濃い味付けのしいたけ、淡口しょうゆを使った筍などこだわりの食材を使った釜めしです。わたしが一番好きなのはうずらの卵です。これを食べれば2時間上り坂を歩いた疲れなど吹き飛びます。

帰りは今来た道を戻ります。夏空の下、草のにおいをかぎながら山道を降りていきましょう。帰りは下り坂ですので1時間半ほどで横川駅まで降りてくることができます。

が、お子さんたちはきっとトロッコ列車に乗りたいでしょう。
峠の湯で少し休憩して帰りはトロッコ列車で降りてみてはいかがでしょうか?

13:40 峠の湯駅発 14:00ごろ鉄道文化むら着

碓氷峠鉄道文化むらで鉄道の歴史を知る

※碓氷峠鉄道文化むらHPより

トロッコは碓氷峠鉄道文化むらのホームに到着します。かつてこの場所を駆け上がったEF63機関車や特急あさまなどが展示される碓井峠鉄道文化むら。いっぱい歩いたあとはここで車両を見学してみるのはいかがでしょうか。
さきほどのトロッコ列車のほかにもミニ機関車などの乗り物にも乗ることができますよ。

◆碓氷峠鉄道文化むら
所在地: 〒379-0301 群馬県安中市松井田町横川407-16
電話番号:027ー380ー4163
営業時間:9:00-17:00(夏期)
入場料:一般入場料 中学生以上700円 小学生400円 小学生未満 無料
乗り物の料金は別途
※乗り物料金を含めた1日パスポートなどもあり

旅の締めは家族で温泉♨

15:10 横川駅発 15:23 磯部駅着

今回訪ねた安中市には浅間山の大噴火の際に湯量が増したことで開湯したという磯部温泉があります。歩き、遊んだ疲れをここで癒しましょう。磯部駅から徒歩5分ほどで日帰り温泉「恵みの湯」に着きます。

※恵みの湯HPより

湯上りには大広間もありますので、疲れた体を癒すのに最適な空間です。

◆恵みの湯
所在地:群馬県安中市磯部3-3-41
電話: 027-385-1126
営業時間:10:00-21:00
定休日:毎月第1、3火曜日※祝日の場合は翌日。
年末年始の12月30日、31日、1月1日

新幹線の「秘境駅」から東京へ

磯部駅から高崎駅に戻り、新幹線で東京へ。そんな経路が一般的なんですが、せっかく安中に来たのですから、ひとひねりしましょう。
安中市には山の中にひっそりと佇む新幹線駅があります。

それが「安中榛名駅」。1日の乗客数は177人という関東では最少の駅で新幹線の秘境駅と呼ばれています。

17:06恵みの湯発のバスで17:30安中榛名駅に着くことができます。これを逃すともう公共交通機関で安中榛名駅には行けません。

当然のことながら停車する新幹線も少ないので乗り遅れに注意が必要です。旅行客がこの駅を利用するのはなかなか難しいですのでこの機会にぜひ利用してみましょう。

17:52 安中榛名駅発(あさま628号)18:52 東京駅着
鳥のさえずりや、ひぐらしの鳴き声を聞きながら新幹線に乗れば1時間で東京に戻ります。
かつて日本一の鉄道の難所だった碓氷峠。そこを歩けばかつて鉄道が苦難を乗り越えて峠を越えてきた歴史を知ることができます。この夏は鉄道の歴史を学びつつハイキングを楽しむ旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

●今回の旅行の費用(夫婦+小学生の子供2人)<※交通費別途>
釜めし:1200円×4人
トロッコ列車:大人700円×2 こども400円×2
碓氷峠鉄道文化むら入場料:大人700円×2 こども400円×2
ミニSL:大人300円×2 こども200円×2
恵みの湯:大人520円×2 こども310円×2
計 11,860円






サポートいただけたら小躍りして喜びます! 今後一層フットワーク軽く旅先に向かい、情報提供に努めたいと思います。 よろしくお願いいたします!