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ウォータールー地域のスタートアップ・スケールアップを勝手に紹介 Part 1

昨日のnoteで、カナダのキッチナー・ウォータールー地域の紹介を書きました。その中でキッチナー・ウォータールー地域(KW 地域)には強力な新興企業育成のためのエコシステムが発展していることについて紹介しました。

今回は、具体的な会社をいくつか紹介しつつ、カナダの KW 地域の幅広さやテクノロジートレンドについて、お伝えしてみたいと思います。シリコンバレーやその他のスタートアップエコシステムとは少し異なる、カナダのエコシステムの一部を見てもらえると嬉しいです。

それではさっそく、1社目です!

North(旧社名:Thalmic Labs)

Focals(フォーカルス)という製品ブランド名でスマートグラスを開発・販売している企業です。ここは正しく創業者3名が地元ウォータールー大学の卒業生で、本社もキッチナー市のダウンタウン地区に構えています。

デザイン性の高い製品で注目を集めている企業です。スマートグラスというと、日本ではエプソン製のスカウターチックなものが有名かもしれませんが、North 製品はそれらとは一線を画するものとなっています。

十分な資金を集めているようで、人員拡大も行っていますね。トロントとニューヨークには直販(展示?)店舗も構えているようで、下地作りをしっかり展開している印象があります。

Vidyard

日本でもこの会社のネーミングを聞く機会が増えていると聞いているところです。ビデオマーケティング分野の注目株。KW 地域のみならず、世界でもその存在感を高めていると思います。ちなみに、ここも創業者たちはウォータールー大学の卒業生。

創業者たちは早くからビデオストリーミングの有効性を信じていて、しかもその商業展開についてデジタルマーケティングを中心に様々な技術開発を進めてきています。同社が面白いのは、YouTube のようにコンシューマ的なビデオ配信・解析技術を磨くのではなく、ビデオ関連技術を企業のセールスやマーケティング活動に応用してきた、という点でしょう。

代表の Michael Litt さんは若いですがカリスマ性ある経営者としてかなり着目されています。KW 界隈のみならずトロントや米国主要都市含めて、スタートアップ&インキュベータ関連イベントには必ずといっていいほど名前が挙げられています。

ApplyBoard

ここも2010年代半ばの設立ながら急速に成長し注目を集める企業です。サービス内容は、オンラインによる留学支援です。全世界の留学を希望する学生や、さらには留学支援のエージェントに対して、北米の大学・教育機関の紹介、その留学プログラムや支援制度の紹介というサービスを展開しています。

イラン出身の創業者3名(いずれもウォータールー大学卒業生。名字同じなので兄弟かな?)が2015年に創業。たった4年程度で従業員400名以上の規模に拡大しています。政治家からも注目を集めているし、ビジネス上手いですね。

新興国を中心に教育熱はどんどん高まっていると言えますが、同社はそのトレンドをきっちり見極めてきたと言えます。留学希望学生は北米にどんな学校があるかを知りたい、北米の学校関係者は留学生をどんどん受け入れたい、そんなお互いの需要と供給を正しくマッチングさせてきたビジネスですね。

勢いに関しては ApplyBoard はすごいです。資金面では昨年シリーズBファンドも獲得していますし、ビジネス面でも中国やインドといった絶対的に人口数の多い国における留学生の確保、さらに中東などの国際政治的には少し難しい国からの留学生支援も行うなど、先行者利益確保&拡大の機会をことごとく狙っているように見えます。

DarwinAI

ここも、AI や深層学習分野で注目を集める企業のひとつとしてその名前を広めつつあります。創業者の一人は、若くしてウォータールー大学の AI 分野の主要研究者として名前を知られている人物。

会社の規模はまだ数十名程度で小さいですが、大手企業を顧客に持っていたり、CEOは深層学習や説明可能な AI 技術などについてたびたびブログ投稿や講演会で引っ張りだこ。

KW 地域でのダークホース的存在感を持つ企業として、今後も注目を集めるものと思います。

以上、自己中心的視点での企業紹介の第一弾でした。キッチナー・ウォータールー地域にはまだまだたくさんの新興企業・中堅企業がありますので、このシリーズはもう少し続けてみたいと思います。

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