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映画『おだやかな革命』で描かれているおだやかじゃない(かもしれない)事象について

「おやおや、おだやかじゃないね」

このセリフを聞いて、どことなく懐かしさを感じる人がいたら、相当なお笑い好きでしょう。…はい、東京ダイナマイトさんですね。最近すっかりテレビでみなくなったなーとおもったら、ハチミツ次郎さん、プロレスラーなんだってね、しかもガチのほう。それこそ「おだやかじゃない」ですわよ、奥様。

今日は漫才でも、東京ダイナマイトでも、M-1の話でもなくて、映画の話でした。

たまたまFacebookで流れてきたこちらの映画。あらま、知ってる人が出てる出てるということでミーハー心ばりばりで観に行ってきました。同じ事業部のスタッフを道づれにして。

『よみがえりのレシピ』などの渡辺智史監督が、本当の豊かさを取り戻していく地域の姿を描くドキュメンタリー。未曾有の人口減少に直面しながら、森の間伐材の活用で注目される岡山県の西粟倉村や、農業用水を活用した小水力発電を導入した岐阜県郡上市の石徹白など、エネルギー自治による地域再生の取り組みを追う。地域資源を生かすことで地元経済が循環し、活気を取り戻していく土地の様子が映し出される。公式サイト(http://odayaka-kakumei.com/)より

ひとこと「とてもすばらしかった!」のですが、同時に「なんでこんなに話題になってないの!?」という思いにかられてしまいました。みんな忙しいのかな。なので、珍しくけして得意でもない、映画のレビューなぞにトライしてるわけです。いやん、こんなの、は・じ・め・て…♡

映画の中にはいくつかの地域が出てきます。秋田県にかほ市、福島県飯舘村、岐阜県郡上市、岡山県西粟倉。それぞれの地域が、それぞれの課題を抱えていて、住民も町も、その現実を受け入れながら、でも、じんわりと変わり始めているあたらしい田舎の物語です。いや、これすべて本物の話。ノンフィクションですのよ、奥様。

物語は原子力発電所の事故が原因で住むことができなくなった福島県飯館村からスタートするんですが、ある日突然に家と仕事(家業)を失った人の話とか、延々とつづくとおもわれる除染土の仮置き場の風景とかみてても、正直「おだやかじゃない」心中になります。

福島の原発事故は現実を突きつけられる衝撃的な出来事でした。ここでつくられた電力のほとんどは首都近郊に送られていたわけですからね。

東京の夜景は原子力発電所を受け入れた地域と人の犠牲の基につくられていたとも言えるわけで。これが、どうしておだやかでいられようかね。

この映画では、自然エネルギーの導入をきっかけに、自分たちの地域に元気を取り戻そうとする人びとが丁寧に描かれています。へんにドラマチックでもなく、強烈な演出があるわけでもなく、ごく淡々と。だけども、みなさんとても力強いんです。

自然のなかで生きている人たちって、単純にすごいなーっておもうことありませんか。わたしの身近な中では、この映画にも出てくる西粟倉村の牧さんなんですけど。普段から観ている世界の次元が違いすぎるというか、こんな人が同い年で存在しているという現実に、ときどきひっくり返りそうになります。

牧さんがすごいという話は、まあ映画を見ていただくとして。(アメックスのサービスアカデミー社会起業塾にも、ぜひエントリーしてください)

話を戻しますが、原発事故のようなことが起きてから、自分たちの生活がどこかの誰かの生活と実はつながっている…ということに、ようやく気付くのではなく、わたしたちはもっと自然と生きる人から「つながり」自体を学ばないといけない気がしています。システム思考なのか、全体性思考なのかわかりませんが、自分の幸せは誰の幸せにつながっているのか、とかね。そのつながりを知っている・感じている人ほうが、自由な発想を生み出している気がするのです。

ということで、突然締めますが、映画『おだやかな革命』の紹介でした。わあわあいうとりますけど、難しいことは考えなくて全然いい作品です。観てね。

(以下、いでは堂公式チャンネルより)

【見どころ】自然と向き合い、人と向き合い、地域と向き合いながら、これからの暮らしを自らの手で作り、本当の豊かさを取り戻していく地域の姿を追ったのは、前作「よみがえりのレシピ」で、伝統野菜のタネをめぐる物語を描いた渡辺智史監督。「暮らしの選択」、その先にある、「幸せな社会」に向けての取り組みが各地で始まっている。ナレーションを女優の鶴田真由が務める。

【あらすじ】原発事故後に福島県の酒蔵の当主が立ち上げた会津電力。放射能汚染によって居住制限区域となった飯館村で畜産農家が立ち上げた飯館電力。岐阜県郡上市の石徹白、集落の存続のために100世帯全戸が出資をした小水力事業。さらに、首都圏の消費者と地方の農家、食品加工業者が連携して進めている秋田県のにかほ市の市民風車。自主自立を目指し、森林資源を生かしたビジネスを立ち上げる岡山県西粟倉村の取り組み。都市生活者、地方への移住者、被災者、それぞれの「暮らしの選択」の先には、お金やモノだけでない、生きがい、喜びに満ちた暮らしの風景が広がっていた。成長・拡大を求め続けてきた現代社会が見失った、これからの時代の「豊かさ」を静かに問いかける物語。

【スタッフ】
ナレーション:鶴田真由
企画・製作・監督・編集:渡辺智史
撮影:佐藤広一
音楽:鈴木治行
演奏:瀬川裕美子
MA:中野坂上スタジオ
アドザイザー:高橋真樹
製作会社:有限責任事業組合いでは堂

映画HP http://odayaka-kakumei.com/

2017年/日本/カラー/100分

キャスト 佐藤彌右衛門、小林稔、平野彰秀、平野馨生里、井筒耕平、牧大介、辻信一、枝廣淳子、広井良典 他

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