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[ホンダ•フィットe:HEV RS]復活した往年のグレード。走りも正常進化した新しい「RS」の価値とは?

昨年末にマイナーチェンジが行われたホンダ•フィットe:HEV(以下:フィット)。
エンジン&モーターの出力アップなど、スペック面の向上はもちろん。
往年のスポーツグレード「RS」が復活したのが、筆者としても気にならずにはいられないニュースだった。

今回は、発売開始から少し間を空けて実施したフィットRSの試乗レビューをお送りします。

◾️見えない部分まで充実装備の「RS」


本題の先に、フィットに設定されている5つのバリエーションについて触れておこう。
廉価グレードのBASIC。基本グレードとなるHOME。クロスオーバーのCROSSTAR。上質装備のLUXE。そして今回試乗したスポーツテイストのRSとなるのだが。
実はRSのみ、e:HEV専用グレードとなっている。
(他4種はエンジン車が存在はする。)

このあたりは、メーカーサイドの戦略でもあるのだろう。
シビックでも既に体感したが。e:HEVの有する走行性能の高さを、フィットでアピールしたのがRSなのだろうと筆者は予想する。制御系の専用装備がシビックe:HEVと類似する点も納得いく。

その点も踏まえた上で、RSの専用装備を紹介していこう。

見るからにアグレッシブさが際立つ専用エアロを纏うエクステリアデザイン。特にフロントバンパーのデザインは、迫力ある大型グリルの存在感がスポーティさを表現している。

ブラックで引き締めながらもアグレッシブさをプラスする
専用エアロパーツ群。
派手さは無いが、存在感をしっかり主張するリアビュー。

内装面では、ステアリングが3本スポークデザインになっているのに気づく。
現行型フィットシリーズは、シンプルながら斬新さもある2本スポークステアリングが特徴でもあったが。RSのみが変更されている。
理由としては、シビックにも備わる減速セレクターがフィットRSにも搭載されているからだ。
もちろん、運転上の操作性も考慮されての結果とも言える。

内装面での他グレードとの違いは、運転席周りのみ。


さらにこのRSは内外装にとどまらず、前述した減速セレクター•ドライブモードセレクト・足回りのセッティングなど。中身の部分も専用仕様となっている。

SPORTモードも搭載されている。
インターフェース系も最新。

確かに見た目的にスポーティイメージの強いグレードとなってはいるが。
日常域でも効果を実感出来る、操作系の充実度の高さだけでもRSを選択する理由は十分にあると思われる。

◾️フィットらしさを損なわず。ダイレクトなハンドリングを実現



専用セッティングの足回りが備わっている事により、乗り味もRSならではの仕様となっていた。
特に驚いたのは、ダイレクトさの増したハンドリング。フィットらしいスムーズさもしっかり残しながら、多少ガッチリとした重さがある操作感に加えて。
路面からの入力に機微に反応しているのがステアリングを通して伝わってくる。それもEV走行主体のECONモードで低速走行の状態でも感じられた。

さらにNORMALモード•SPORTモードに切り替えて走行した際も、加速フィールの変化に伴いより鋭さが増したハンドリングを堪能できる。

試乗時に体感したシチュエーションとして。トルク感ある加速のSPORTモードで駆け抜けたS字区間において、大きなロールを発生させる事なく。タイヤのグリップを感じながらも軽やかにコーナーをクリア出来た。
それもフットブレーキに頼らず、減速セレクターを駆使したアクセル操作主体の、少々荒めなドライビングでも。

この事から日常域で体感出来るスポーティさを有している車だと、筆者は実感した。
同時にこのフィットは「RS」を冠していながらも、スポーツカーではなくスポーティカーである事に変わりはないとも思った。

サーキットなどでスポーツドライビングを楽しむ様な車ではなく、普段のドライビングに"走りの喜び"を加えたのが「RS」なんだと。
そして、その様な車を求めるユーザーも一定数はいるはずだ。
売れ行きなどの話は一旦抜きにして。他メーカーでも類似車種が存在する市場ではあると思うが。実は筆者としても、その様な車が増えてくれるのに期待しているのもあり。かなり好感触な車だった。

利便性の良さや室内空間の広さは、他メーカーの類似車種にも匹敵出来るフィットだからこその選択価値も十分にある。

エコや経済性が優先イメージとなるハイブリッドに、運転の楽しさを求めるユーザーには。
ぜひ乗ってみて欲しい1台だった。

日常域に走りの喜びをプラスする。
新たな「RS」の価値を
今後もホンダは提供し続けていってほしいと切に願う。

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