本当に恐ろしいDARSANA

この投稿はIngress Advent Calendar 2015、13日目の記事です。

ちょうど1年前の今日!

人類の救済者たる我々エンライテンドは、憎っくき腐敗保守主義者レジスタンスどもが苦し紛れに企てたナジア復活計画を阻止すべく、DARSANAアノーマリーの決戦を闘った!!

結果は諸君らの知るとおり!我らエンライテンドの本土覚醒作戦と、一人百万兵力のエーヂェント同志の働きにより本国での闘いは大勝利に終わった!!!

しかし、卑劣たるレジスタンスの罠により他国の覚醒同志は苦戦を強いられ、結果あらゆる災厄の元凶、ナジアを呼び出すビーコンは点灯した!!

しかし!しかしだ!かの未知の生命体、ナジアがたとえ復活しようとも!我らエンライテンドは!覚醒のその時まで!闘いを止めることはァッ!!!無いのだァァッッ!!!



一方、同日。

東京の空の下、一人のエージェントにもビーコンが点灯した。

アノーマリーに向けてリアルからXM体にリソースを振った結果、その臨界点DARSANAにて、我妻のingressへの不満はしきい値を超えていた

この日から、その災厄は、確実に、私に、近づき出したのだ。

あぁ、アノーマリーは恐ろしい

あのDARSANAメダルが、今では抜け出せぬ螺旋迷路のようにすら見える。

あのDARSANAから1年経ち、そしてABADDONが終わった今日、次のアノーマリーを控える皆に、アノーマリーの恐ろしさを私なりに伝えたいと思う。


1. アノーマリーが発表されると恐ろしい。

iOSから参戦した私は、当時アノーマリーというものを知らなかった。得られる情報も断片的であまり多くなく、色々調べた結果、

『とにかくこのイベントで普段あったことの無い地元エージェントと会うことになる。』

という事だけは、まだひよっこの私にもわかった。

今までゲームの中でしか喋ったことのない、あったことも無い仲間に会う。こんなに恐ろしいことは無い!!

そこで、私は取り急ぎ、地域HOのロゴを勝手に作成し、さらにそれを用いて名札を作成した。もとは田舎出の自分はとにかく名前を名乗ることと、産まれを明らかにすることが、自分を守る為にも先決だと思ったのだ。こうして完成した畏怖の産物をHOに共有するまでさほど時間はかからなかった。そして、それは不思議な事に、すぐに受け入れられた。

更に怖い事に、未だにこの名札を使っている人がいるらしい。怖い。本当に怖い。


2. ファンクションのチームに入ると恐ろしい。

DARSANAが発表されると、すぐに地域のコミュニティで募集がかかった。なんでも無い日常を過ごしていたはずなのに、突如知らない人たちとチームを組み、闘えと言うのだ。恐ろしい。こんなに恐ろしいことはない。

私はせめて少しでもその恐怖を和らげられればと思い、事前の集まりに参加した。曇天の空の下集まった人々を見て私は戦慄した。そこにいた人たちは、全員充電ケーブルに繋がれ、その日知り合ったばかりの人と、バースターを打ち、レゾネーターを指し、黙々とingressをしているのだ!!中には前述の名札をつけている人も居た!怖い!

アノーマリー当日が近づくにつれて、参加者はさらに増えていった。HOでも話したことのない人たちと接点が増えていくにつれ、私は恐ろしさのあまり、同じチームの仲間に押し付ける呪符を用意していた。名前入りのDARSANAカードだ。このカードの裏面には呪いの言葉"だらまさ"を念書した。これを初めて会う人たちへ渡すのだ。切られる前に切る。先手必勝である。

夜な夜な残業のふりをして会社のオフィスでシコシコカードをつくる日々が続いた。

更にだ。

私は恐ろしさのあまり気が触れてしまったのか、仮面を作り始めていた。

深夜の誰もいないオフィスで、A4の紙を顔に押し当ててる小太り男性の姿を想像してほしい。それが去年の私だ

この仮面は#MaskedEnlightenedを参照してほしい。

ファンクションのチームに入ると、突如自分に役割が与えられたような気がして、色々とできることをやり始めてしまう。これは本当に恐ろしいことだ。

そしてその間、家庭へ割くべきリソースをゲームに振ってしまっていたのだ。今でも思い返す反省点だ。これは後々にも遺恨を残し、大いに私への教訓となった。


3. アノーマリー当日は恐ろしい。

もう、あの日は思い返すだけでも恐ろしい。私の人生の中でも一二を争う恐ろしさだ。

まず、前日だ。明日は朝早いというのに、わざわざ会社帰りに100均に出向いて装備を整えた。緑の時計、緑のファー、緑のタオル。とにかく緑の物を買い漁った。緑の物を買わなければならないと何かに突き動かされていたのだ。自分が自分で無くなっていく感覚はとても恐ろしいものだった。

夜は荷物の準備をした。自分のための持ち物はもちろんの事、仲間が使えるように、予備のカイロ、お菓子、手袋まで入れた。初めて会う人に手袋を貸す機会があるのか…?恐ろしさのあまり気が触れていたと言われても否定できない。(あとわざわざ隊長用の仮面まで作った)


当日は清々しいまでの晴空だった。怖い。まるで日頃の行いの賜物だ。

その日は会う人会う人に、はじめましてと言った。既にHOで知っているのに改めて挨拶をする。初めてなのに初めてじゃない。なんだ、この感じ。恐ろしい!怖い!

日比谷公園に着くとそこには異世界が広がっていた。既に長蛇の列、そしてスキャナ上は大ワンコ大会。隣の人がUPC合戦だ!と叫んでる。戦場に赴く若者は、自分を鼓舞するために、勇ましい言葉が無意識のうちに口から漏れてしまうという。私も遅れまいとレゾを刺し始めてしまった。狂気は伝播するのだ。

しかしこの時はまだ何も始まっていなかったのだ。にもかかわらず、この有様である。恐ろしい、恐ろしすぎる。

受付を済ませた後、我々はファミレスへと拠点を移した。

開店と同時だったので、最初はほぼ貸し切りだったが、20分もすると店内は満席になった。店内の他の組を見ると、なんだか青いのだ。そう、気づけば店内は敵味方入り乱れエージェントに占拠されていた。

味方の一人が私にこう言った。

『そのMODカード、今使わないと使えなくなるらしいよ。』

もちろん嘘である。敵を騙すなら味方からとはいえ、こんなくだらない嘘をつくまでチームにはいるのだ。

正午を過ぎる頃、私たちは戦場へと向かった。皆で集まり、最終確認をする中、同じ地元の古参エーヂェントが例の仮面をチームメンバー分作ってきてた。内心マジかよ!と思ったが、それをチームメンバーが全員着用した時は、外心もマジかよ!と思った。怖い、怖いよ。

結局この仮面の人達は全クラスターで仮面を被り続け、六本木から渋谷へ移動する電車内でも被り続け、イングレスレポートにもチラッと映り、結局打ち上げまで仮面を被り続けた。

今のアノーマリーなら問題になりそうなレベルである。恐ろしかった。

時間が前後するが、M1の始まりが近づいてきた頃、茨城がホームというご夫婦エージェントが参戦。我々仮面部隊と一緒に行動する事になった。

まさか仮面をつけた人たちと一緒に回る事になるとは、ご夫妻も思ってもいなかったと思う。本当、アノーマリーは何が起こるかわからない。恐ろしい。

その後、彼ら仮面にドン引きし引退…という事はなく、まだ活動を続けておられるようだ。あんな目にあったというのに辞められないingressは、やはり恐ろしい。

この日は最終結果が出るまで、自分たちが勝ってるのか負けてるのかなんて本当にわからなかった。ただ、その場にいる時はこの日のために揃えたVRPSとX8、R8を使いまくり、一緒に行動する人達がはぐれたり、つまらない思いをしないようにとだけ思って、ひたすら歩いていた。

あの日間違いなく私は100%エージェントcarbon0000になっていた。

周りの人々も100%エージェントだった。

青空の下、実際に顔を合わせて、一緒に歩いて、息をしているのに。

あの日、私たちは普段の姿ではなく、ゲームの中の主人公になっていたのだ!!

危ない。

あやうくあの日にトリップするところだった。

とにかくアノーマリーには独特の酔狂がある。恐ろしい。実に恐ろしい。



4. 戦いの後も恐ろしい

もはや多くは語らない。

いや、ここでは語る事はできないのだ。

いずれあなたが、私と直接お会いし、お話しする機会があれば、この時の事を話すこともあるかもしれない。

ただ1つお伝えできるのは、あの夜

それまでの私は死んだ。ということだけだ。


これからアノーマリーへ参加するあなたへ

いかがだっただろうか?これが私の一年前、初めて参加したDARSANAアノーマリーだ。あれから私は、私生活で色々もあり、アノーマリー本戦には参加できずにいる。

このNIAが用意したアノーマリーというお祭りは、本当にたのs、恐ろしい。

そして誰かに自分を表現し、それを受け入れてもらえるのはとても、うれs、怖い。

初めてのアノーマリーはあなたの人生で一度しか無い。また、その体験はきっとあなただけの思い出を作るだろう。

その思い出の一端に、この投稿が少しでも役立てば幸いである。


2015/12/13  エージェントcarbon0000


明日、14日目は SuperduperNyanあいう さんの **Ingressと食について。(仮) **です。食とIngressは切っても切り離せない関係ですね。お楽しみに!



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