【初投稿】巨人はなぜ得点が伸びなかったのかを徹底考察!

初めまして!
今回から主に巨人のことについて記事を書いていこうと思います!
拙い部分もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。私のことについては後日自己紹介の記事を投稿しようと考えているので、そちらを読んでいただけると幸いです!

何本かの記事に分けて2024年の巨人の展望を分析していきたいと思います。
今回は2023年シーズンの課題を振り返り、その原因を探っていこうと思います!

なお、本記事で扱っているデータは全て以下のサイトより引用しています。

2023年シーズンの振り返り

2023年の巨人は2年連続のBクラスに沈むという芳しくない成績に終わりました。昨年の課題点は大きく以下の二点だと考えています。

①得点圏での勝負弱さ
②救援陣の崩壊

この中でも②の救援陣の崩壊は今オフの補強でかなり改善されているのではないかと思います。
しかし、①に関してはどうすれば改善するのか結論が出しにくい問題ではないかと思います。
(そもそも得点圏打率自体、再現性の低い数字とされています。)

では、この課題をどのように解消すればよいのでしょうか。

得点圏成績の考え方

得点圏での打数と打点の相関


色々なところでいわれていることですが、今年の巨人は勝負弱かったという印象があります。
ここで良く取り上げられるのが得点圏打率ですが、前述のとおり再現性が高い数字とは言えません。
そのため、少し別の角度から見てみる必要があるでしょう。

2023年セリーグ各チームの得点圏成績

この表はセリーグ各チームの得点圏での打数、打点、打率を打数が多い順にまとめたものです。
この表を見ると、打率と打点の順位はバラバラになっているのに対し、打数と打点の順位が一致していることが分かると思います。

上の二つのグラフはセリーグ6球団の2019~2023年の得点圏の打点数と打点、打率の相関を表したものです。
(短縮シーズンの2020年の成績は省いています。)
打点は打率よりも打数との方がきれいな右肩上がりの直線を描いています。
打数と打点の相関係数は0.82、打率と打点の相関係数は0.71です。
(相関係数は相関が強いほど1に、相関が弱いほど0に近づきます。)

つまり、得点圏打率の向上も得点力upに繋がりますが、それ以上に得点圏打数を増やすことが効果的であるということです。
得点圏打率が取り上げられがちですが、試行回数を増やせば得点数が増えるというのは考えてみれば当たり前のことですよね。

得点圏打数を増やすには

では、どうすれば得点圏打数を増やすことができるでしょうか。
そこで大事になるのが四球と走塁だと考えます。

四球の重要性
四球の重要性は近年取り上げられることが多いですが、それはデータにも表れています。

2023年セリーグ各チームの得点圏打数、四球数、IsoD

IsoDは(出塁率ー打率)、つまりヒット以外でどれだけ出塁できているかということを表した指標です。
得点圏打数の上位2チームは四球が400を超え、IsoDも0.7を超えています。
一方、昨季Aクラスを争ったDeNA、広島、巨人は四球数が350前後、IsoDが0.6に届かないということになっています。
私はこの差が阪神に追いつくことができなかった一因ではないかと考えています。

さらに、昨季の東京ドームのヒットのパークファクターは0.98です。
パークファクターとは、1を平均としてヒットやホームランの球場ごとの出やすさを表した指標です。
HRのパークファクターは1.05なので、ホームランが出やすい球場であることは間違いありません。
しかし、ヒットを打つことに限ると、東京ドームは平均以上に難しい球場ということです。
そのため、出塁率を上げて得点圏打数を増やすためには、ヒットを打つよりも四球を増やす方が効率的と言えそうです。

阿部監督は四球を重視する旨の発言をしていたので、四球がどれだけ増えるのか注目です。

走塁に対する評価
もう一つの重要なファクターが走塁であると考えます。
ここでは走塁指標として以下の記事で解説されている指標を用います。

この記事では「走塁得点率」が解説されています。
ざっくりと説明すると、出塁後の進塁をそれだけ得点に結びつけることができるかを表した数字になります。
この指標を用いて各球団の走塁力を比較していきます。
(詳しい指標の説明は元の記事をご覧ください。)

2023年セリーグ各チームの得点圏打数、走塁得点率

表を見ると、やはり阪神の数値が高いことが分かります。
一方、得点圏打数の少ない巨人、中日は数値が1を下回っています。
走塁得点率は得点圏までの進塁力を直接表したものではありませんが、生還力が高いのだから進塁力も高いと考えて問題ないかと思います。
具体的にどの選手が走塁でマイナスを出していたのか見てみましょう。

各選手の走塁得点率

主な選手の走塁得点率をまとめたものです。
リーグ平均以上の数値を出しているのは門脇選手、吉川選手の2名のみとなっています。
また、秋広選手や中山選手といった本来アグレッシブに動いてほしい若手選手もリーグ平均以下になっています。
他球団に比べて巨人がどれほど走塁でマイナスを作っていたかが分かる結果になっていると思います。
ブリンソン選手、中田選手の退団によって他の若手選手が出場することが予想されるため、その若手選手がそのようなパフォーマンスを見せるのかに注目したいと思います。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回は巨人の課題である「得点圏での勝負弱さ」という問題について分析しました。
「勝負強くなる」というのはかなり抽象的ですが、「勝負の回数を増やす」といった方向性でカバーできるということが分かりました。
また、そのためには四球と走塁での貢献を増やしていくことで活路が見いだせるのではないかということでした。
次回の記事では今回考えたことを元に、巨人のスタメンの考察をしていこうと思います!

参考文献




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