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鬼舞辻無惨のひととなり①なぜ竈門家を襲撃したのか

原作22巻までのネタバレ含みます。ご注意ください。

こんにちは。

皆さんお元気ですか。
(ぼくは少し疲れ気味です)

最近嫌なことはありませんでしたか。

世の中、理不尽なことばかりですよね。

今回のテーマは少し重いので心して読んでください。

(リアルと鬼滅の刃の世界観は全くの別物としてご覧ください)

『鬼滅の刃』では善良な人々が「鬼」という理不尽によって日常を破壊され、その悲しみを背負って生きています。

鬼の始祖、鬼舞辻無惨が「私に殺されることは大災に遭ったのと同じだと思え」と言っているように
理不尽な目に遭うというのは、大災に遭うのと同じように、理由なんて無いのかもしれません。

ですが

今回は「鬼は理不尽の象徴である」という考察を踏まえた上で、

鬼舞辻無惨が竈門家にやってきた理由について考察していきたいと思います。

考察結果を先に言っておきますが、竈門家が襲われた理由はわかりませんでした。

後半の方は気分を害される方もいらっしゃるかもしれません、心して読んでください。

1、竈門家襲撃

1話は衝撃的でした。
主人公の家族が、家中血で染まるほど悲惨な殺され方をしてましたし、原作だと吾峠先生の描く線はホラーテイストが強くて本当に恐ろしいです。

誰が竈門家を襲ったのか気になるところですが、早々、原作2巻で炭治郎は「家に残っていた匂い」から、鬼舞辻無惨が家族を殺した犯人であることを突き止めています。

個人的には、鬼舞辻が自ら動くのか?と半信半疑だったので、匂いは確実な情報とは言えないのではないかと思っていました。
上弦の鬼なら鬼舞辻の血を多く分けて貰っていて匂いも似てくるでしょうから、上弦が犯人である可能性もゼロではないと思っていたんです。

しかし22巻にて禰豆子は鬼舞辻が竈門家に現れた時の事を思い出しており、家族を殺したのは鬼舞辻であるという事実が確定しました。

炭治郎!!!疑ってごめんな!!!

ということで鬼舞辻が自ら竈門家に出向いた理由を探っていきましょう。

鬼舞辻は部下に仕事をさせて自分は動かない、というイメージです。
青い彼岸花の捜索も上弦の鬼に任せていましたし、鬼殺隊にも絶対接触しようとしません。

禰豆子が太陽を克服するまでは、とにかくなんでも部下にやらせていたんですよね。

そんな鬼舞辻が自ら動くでしょうか?

とりあえず散りばめられた断片から考察していきます。

2、わざわざ鬼舞辻は山を登ったのか?

炭治郎の出身地は雲取山です。
現在の地図で調べてみると東京の末端、埼玉県と山梨県の境に股がる山だそうです。
標高2,000メートルを越える山は東京では雲取山だけ。
山頂までは徒歩で片道6時間~7時間だそうなので、仮に炭治郎の家が山の中腹にあるとしても3時間はかかりそうです。

鬼舞辻はどこから竈門家にやって来たのでしょうか。

炭治郎が初めて鬼舞辻を発見したのは浅草でした。
8巻では製薬会社の跡取り息子(養子ですが)として人間になりすまして生活しています。
15巻での登場も8巻と同じ家だと思われますがメイドが居るのでかなり裕福な家ですね。
大正時代の製薬会社をネットで検索すると豊島区や品川区などが出てきます。
*画像は豊島区から雲取山


浅草、豊島区、品川区から雲取山までGoogle地図で距離を調べると徒歩で丸一日かかるらしいです。大正時代だと道も整備されていないでしょうから、さらに時間がかかりそうです。

12巻で上弦の鬼が集められた時、鬼舞辻は試験管とスポイトを持って何かを研究していたので、鬼舞辻はずっと太陽を克服するための研究をしていたと思われます。

8巻の鬼舞辻が人間になりすまして暮らしている家のお父さんは
「皮膚の病に罹ってまして 昼間は外に出られないのです(略)その特効薬もうちの会社で作れたらと思っているんです」と言っています。
(鬼舞辻が人間の知恵を借りようとしていたのは意外です)

きっと鬼舞辻は竈門家を襲う前から科学や医学の情報が入ってくる都市部を拠点としていたのではないでしょうか。

当時鬼舞辻がどこにいたのかはわかりませんが、“都市部”であることはほとんど確定で良いと思います。
鬼舞辻はスーツを着ていたり、外套を羽織っていたり、ハイカラな格好してますからね。
田舎であんな格好していたら悪目立ちしてしまいます。

ですがやはり都市部から炭治郎の住む雲取山まで行くのはとにかく遠いです。
いくら鬼で疲れ知らずとはいえ、人間と等しく時間経過はしますから、丸一日かけてまで鬼舞辻が山へ向かうのか?という疑問が残ります。

でもよくよく考えたら、鳴女の血鬼術を使えば一瞬ですね…。

(余談;鳴女が反逆を起こせば鬼舞辻を倒せそうです、鳴女最強説はあり得ると思います。昼間の太陽の下に無惨を移動させれば良いだけなので。鬼舞辻を従わせることだってできたかも知れないですよね。でも鬼舞辻が死んだら鳴女も消えてしまうので…できないのか…。)

無限夢列車編で登場した上弦の参の猗窩座は空から降ってきましたから、彼も鳴女の血鬼術でやってきたのかもしれません。
(鬼舞辻も鳴女は重宝したのではないでしょうか。もしかしたらいつでも他の鬼に指令を出せるように鳴女は常に近くに置いていたのかも)

鬼舞辻が竈門家に徒歩でやってきたのか、鳴女の血鬼術でやってきたのかはわかりません。

3、竈門家を襲った目的

22巻の禰豆子の回想により鬼舞辻が竈門家を襲ったことは確定しています。
そして鬼舞辻が

「この程度の血の注入で死ぬとは 太陽を克服する鬼などそうそう作れたものではないな」

と言っているように、竈門家には「太陽を克服する鬼」を作るためにやってきたようです。

22巻の余白ページでも「無惨が鬼を作る理由」として
「太陽を克服する人間を探すこと」と「上弦の鬼を作ること」と挙げられています。

ですが2巻で珠世は鬼舞辻を「あの男はただの臆病者です いつも何かに怯えている」と言っており、
2巻で炭治郎に宣戦布告されても自分では殺しに行かずに、朱紗丸と矢琶羽に行かせるくらいのビビりです。
なので「竈門家にヒノカミ神楽が継承されていて、それに鬼舞辻無惨が気づいたから襲った」という可能性は薄いんじゃないかな、と個人的には思っています。

「臆病者」がわざわざこんな遠い山奥まで来るのは
鬼舞辻に“自分が行かなければならない理由”
があったからではないでしょうか。

22巻までに鬼舞辻が自ら出向いた例をピックアップしてみます。

1、沼鬼に「呪い」の事で脅す(2巻、場所は不明)
2、響凱の様子を見にきた(3巻、鼓屋敷)
3、累を鬼にし、様子を見に来た(5巻、累の家)
4、上弦の陸、堕姫の様子を見にきた(8巻、遊郭)
5、産屋敷の館に来た(16巻)
6、珠世を鬼にした(16巻の珠世の証言、場所は不明)
7、狛治を鬼に勧誘(18巻、狛治の道場付近)
8、童磨を鬼にした(19巻、場所不明)
9、継国巌勝を鬼に勧誘(20巻、屋根の上)
10、縁壱と遭遇(21巻、場所不明)
11、竈門家襲撃(22巻)

結構出向いてましたね(他見落としあったらすみません)

2から9を分類するとしたら、(1、5、10、11は省きます)

a「部下の様子を見る」
b「病気で先がない人への勧誘」
c「強い人間の勧誘」

の3つでしょうか。この3つのうちのどれかひとつでもあてはまれば、鬼舞辻が自ら動く理由になるのではないかと思われます。

a「部下の様子を見る」
竈門家に鬼舞辻の部下はいないのでこれは無いと思います。

b「病気で先がない人への勧誘」
炭治郎の父、炭十郎は病を患っていました。
「痣」の発現によって若くして亡くなったという考察を時々見かけますが、炭十郎は生まれつき痣を持っていたので縁壱と同じく、痣による年齢制限は無いと思います。
鬼舞辻はもしかしたら炭十郎が病気で先が短い事を何かしらの方法で知って竈門家へやってきたのかもしれません。
しかし鬼舞辻がやってきたときには炭十郎はすでに亡くなっていました。

累と珠世を鬼にしたとき、鬼舞辻は累と珠世の家族を鬼にしていません。
累の場合、累だけを鬼にして、累の父と母は鬼舞辻ではなく累によって殺されています。
珠世の場合も同じです。珠世だけ鬼にして珠世の夫と息子は鬼にせず、珠世が喰い殺してしまいました。
16巻、鬼舞辻と珠世の会話で鬼舞辻はなぜか笑顔なんですよね。(是非読み返して見て下さい)
多分鬼舞辻無惨は、鬼にした人間の家族が壊れていく事や、人を殺す鬼に堕ちていく様子を見て楽しんでいたのではないかと思います。

竈門家の場合は家にいた全員殺されてしまったので、累と珠世とは違います。なので竈門家に病気の炭十郎を鬼に勧誘に来たという可能性は薄いかもしれないです。

c「強い人間の勧誘」
狛治は剣術道場の人を皆殺しにして有名になっていますし、巌勝は呼吸の使い手として勧誘を受けています。
狛治の前に現れた鬼舞辻は「鬼を配置した覚えのない場所で鬼が出たとの大騒ぎ 態々出向いて来てみれば ただの人間とはな なんともつまらぬ」と言っています。
鬼舞辻、鬼の配置場所をすべて把握しているとは…デキる男、という感じですね…。そして情報網が凄い。

炭十郎は17巻の炭治郎の回想で、人間を6人喰い殺した熊を倒しています。
冨岡義勇外伝では「となりの山で炭焼きの家族が惨殺された」と、雲取山の隣の山にまで噂は広がっていたので、もしかしたら「炭十郎が人間を6人も喰い殺した熊を倒した」という噂もあっという間に広がったのではないかと思われます。
鬼舞辻がその噂を知って、竈門家にやってきた可能性もあり得るかもしれません。

おわり

鬼舞辻が竈門家にやってきた理由としては個人的には「強い人間の勧誘」が有力ではないかと思っています。
ですが、そうなると炭十郎のせいで竈門家が襲われたかもしれないという、ちょっとつらい展開ですね。(この展開の理由についても後日書きたいと思います)
しかし炭十郎が熊を殺さなければどのみち竈門家は熊に襲われていましたから、仕方のないことでもあります。
縁壱が「鬼がこの美しい世界に存在している為に」と言うように、鬼舞辻が人間を殺さなければ竈門家は幸せに暮らしていたはずでした。

散々書きましたが、鬼舞辻が竈門家を襲った理由はわかりません。

なぜなら炭十郎はすでにこの世を去っていたからです。恐ろしい情報網を持つ鬼舞辻が、すでに死んでいることを知らずにやって来るでしょうか。

炭十郎が亡くなった時期も判然としません。
(17巻で炭十郎は熊を倒して10日後に亡くなったとされています。個人的には炭十郎が亡くなってから10日後に鬼舞辻が来たのではないかと推察しています。
関係あるかわかりませんが縁壱の妻と子供が殺されてから10日後に炎柱が鬼の足跡を辿って縁壱の家にやってきたことと、冨岡義勇が炭治郎のもとへとやってきたことは同義性があるのではないかと思っているので、“10日”という日にちは物語上重要なのではないかと思っています。ですが仮に炭十郎が亡くなって10日後に鬼舞辻がやってきたと仮定しても、炭十郎が亡くなった後に鬼舞辻がやってくるのは違和感がありますよね…)

以下ネタバレ注意。

ちょっと22巻より先のことをネタバレしてしまいますが、

可能性があるとすれば、「強い人間の子供は鬼の適正があるかもしれない」という理由で竈門家にやってきたということも考えられます。

ですがやっぱり理由はよくわからないですね…。

考察は以上です。

読んでいただきありがとうございました。

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