見出し画像

就活あるある症状「好きなことを仕事にしたい」/「やりたいことがわからない」の診断

 皆さん、お元気ですか?2022年卒の採用選考が始まりましたね。2023年卒の皆さんは就活をはじめた頃かと思います。
 コロナ禍は依然として続き、不安に思う方もいらっしゃるかと思いますが、そこまで悪い状況ではありません

💡企業の採用意欲はある!

 5月18日に厚生労働省と文部科学省は、2021年3月卒業の大学生の就職率(4月1日現在)は96.0%となり、前年同時期に比べ2.0ポイント低下したと公表しました(Link)。この下落幅は、1997年に調査を開始して以来、リーマン・ショック後の2010年卒(3.9ポイント低下)に次ぐ過去2番目となります。
 新型コロナの影響で、飲食業界や、航空業界、宿泊・旅行業界等が大きな打撃を受け、新卒採用を控えたことで、希望する職種につけなかった学生もいました。
 一方で、民間の調査会社による2022年卒の大学生・大学院生を対象とした大卒求人倍率は、1.5倍を維持しており、2021年卒と比べわずかな減少にとどまり、企業の採用意欲は衰えていないものと推察されます。背景には、労働人口の減少が続く中、しっかりと将来の人材を確保しておきたいという企業の意向の顕れとも言えるでしょう。私の受け持っている学生たちもすでに6~7割程度内定を決めており、1人で数社の内定を持っている学生もいます。とはいえ、新型コロナの影響で、進みたかった業界を目指せない学生がいることも事実です。これが、就職率の低下につながっているとも考えられます。
 今回は、目指したい好きな業界への道が阻まれてやる気を失った人、あるいは、そもそもまだ業界も絞れていない、何から手をつけて良いかわからないという人に向けて、「何を仕事にするのか」というヒントをお伝えできればと思います。

Dr. T_M-4_あるある症状

🧐「好き」を仕事にできるのか?

 さて、皆さんは好きなことや夢中になっていることは、ありますか?
サッカー、野球、バスケットボール、音楽、ダンス、宇宙飛行士、YouTube、TikTok、洋服、料理、漫画、将棋……いろいろあると思います。
誰でも一度は、「好きなことをしてお金をもらえたら!」と考えたことがあると思います。

 プロのスポーツ選手って「好きなことを仕事にしている」イメージですよね。いったい、どれくらいの人が夢を叶えているのでしょうか。
 サッカーのJリーグでいうと、プロ初加入した選手は2020年204人、そのうち、高校・ユース出身選手は89名でした。2020年度に18歳になった人は、2002年生まれですので、出生数の115万6000人で割り出すと、0.0077%となります。難関大学と言われる東大の2020年の全入学者は3,116名ですから、0.2695%ですので、東大入学よりも35倍難しいことになります。
 もちろん、「好き」を突き詰めて目指すことは悪くありません。目標に向かって正しい努力をして夢を叶えている人もたくさんいます。ただ、そうではなく「なんとなく好きだから」という理由で「仕事にしたい」というのは、危険ですよ、というお話です。

 余談ですが、私の場合、幼稚園の時は警察官になりたいと思っていました。なぜなら、ウルトラマンが大好きだったからです。しかし大好きな「ウルトラマン」ではなく「警察官」になりたがっていたのは、幼いながらウルトラマンにはなれないことを本能的に知っていたのかもしれません。サッカーについても、もちろん大好きでしたが、自分より上手な仲間がいたために、プロを目指そうと思ったことはありません(笑)。

Dr. T_M-4_処方箋

💊「好き」は「嫌い」にもなる

 「好きなこと」は、「嫌になること」も「嫌いになること」もあります。
好きで好きでどうしようもなくて付き合ったあの人と、実際に付き合ってみて「なんか違った」とか、「好きでなくなってしまった」ことを経験したことはありますか?お付き合いを始める前には見えていなかったところが見えてきて、良くも悪くも「思っていた人と違った」ということは、よくある話かと思います。
 これは恋愛だけに限らず、「仕事」にも言えます。「好きなことを仕事にする」と、片思いだったあの人が見せてくるギャップのように、見えなかったことが見えてきます。ポジティブなギャップでしたら、そのまま没頭できるでしょうが、ネガティブなギャップとなると、辞めたい気持ちが湧いてきてしまうこともあるでしょう。

 本シリーズの第1回目「Dr. Tの自己紹介と就職活動の入り口の“入口”」で、新卒入社3年以内の新規大卒就職者の離職率は3割を超える状況がここ数年続いていることをご紹介しました。そしてその退職理由で最も多かった回答は「自分の希望と業務内容のミスマッチ」でした。続いて、「待遇や福利厚生に対する不満」「キャリア形成が望めないため」「長時間労働のため」と続きます。
 でも、もし、入社前に、その会社や業界についてよく調べ、自分の「やりたいこと」「将来のありたい姿」を考えていたらどうでしょうか?お給料を知って嫌になったり、自分の信念と異なる会社の方針があったり、自分が思っている「”好きなこと”以外の仕事」の方が多いことに気がついたりして、考え直すこともあるでしょう。(注:理想だけではうまくいかないこともあることは知っておきましょう。)
 あるいは、その会社の(自分にとって)ネガティブなギャップを知ったうえで、覚悟して入社すると、与えられた環境の中で「いかに自分のやりたいことに近づけるか」を考え、その努力をできるようになります。だから、私は皆さんにこうお伝えしたい。
「好きなこと」ではなく「やってみたいこと」を仕事にしましょう!

💊「やってみたいこと」を考える

 「やりたいことが見つからない」「就職できれば何でも良い」という人もいますが、本当にそう思っている人はごくわずかです!大抵の人は、なんでも良いと言いながら、具体的な職種を前にすると「それはやりたくない」と言ったり、こだわりのある人が多いのが現状です。こだわりがあるというのは悪いことではありません。「やりたくない」を考えていくうちに「やってみたいこと」が生まれることが往々にしてあるからです。

💊「やってみたい」の探し方

 では、「やってみたい」(あるいは「やりたくない」)の探し方について考えてみたいと思います。それは、ズバリ、「仕事をしてお金を稼いでいる人の話を聞く!」です。「この人みたいになりたいな」「この人のしている仕事をやってみたいな」と思えるような人に出会えたら最高です!

 まずは、周りの大人に話を聞いてみましょう。親、兄弟、親戚、バイトの店長、友人の知人など、身近な人に話を聞いてみましょう。「仕事のやりがい」や「お金の稼ぎ方」、「儲かる仕組み」や「お客さんの様子」など、「この人みたいになりたいな」「この人のしている仕事をやってみたいな」ということが確認できるようなお話を聞き出しましょう。

 もし、本当に「やってみたい!」と思ったら、さらに具体的に話を聞いていきましょう。「どうしたら、その仕事に就けるのか」「成功するにはどうすれば良いか」など、積極的に”前のめりに”なって聞きましょう。いろいろ聞いたうえで、「逆に違ったな」と思った場合は、しっかりとお礼を言って切り替えましょう。できれば、そのお話を聞いた方に、「○○の仕事をされている方でお知り合いはいませんか」などと誰かを紹介してもらいましょう。

 他にも、業界を知ることも大切です。市販の業界地図を参考にして、どんな業界が調子が良いのか、悪いのか、どんな企業があるのか、この先はどうなりそうか、考えてみましょう。

さいごに
 「やってみたいこと」を見つけるのは大変ですよね。日本には、約1万7000種類の職業があると言われています。皆さんはいま、何個くらいの職業・職種を言えますか?なるべく多くの仕事を知り、そのなかから「やってみたいこと」を探し出しましょう。きっと仕事に就いた時の満足感が違ってきます。
 あなたのキャリア人生は、これからです!納得のいく就職活動をして、オリジナルのキャリアを目指しましょう!
 それではまた次回!! 「自ら学び、自ら創ろう!!」

【これまでの診断と処方箋】

■ES科
 ・Dr. Tの自己紹介と就職活動の入り口の“入口”
 ・「ES?何それ」⇒ 処方箋【ESに興味を持ってみよう】
 ・「〝入社したら違いました‼“症状への予防」~宝物探しの就職活動をやめましょう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?