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「自己対話力」と「選択肢の創造」が新時代のキャリアをつくる~キャリアデザインにおけるパーソナルコーチングの活用法~|オンラインキャリアコーチングサービスme:Riseリリース記念イベントレポート(前編)

こんにちは。me:Rise公認サポーターの渡邊です。私たちme:Riseは2019年8月1日にキャリアの主体的な選択をサポートするオンラインキャリアコーチングサービスを正式にリリースしました。

多くの方にme:Riseが実現したい世界とme:Riseキャリアコーチと対面でお会いいただき、パーソナルコーチングによるキャリアデザインを知っていただく機会を作りたいと想いから、正式リリース2日前の7月30日(火)にme:Riseのリリースを記念したイベントを東京・渋谷で開催しました。その模様をほぼ文字起こし形式で前編 (イベントアジェンダ1~3)・後編(イベントアジェンダ4~6)に分けてお伝えします。

<イベント当日のアジェンダ>
1.イントロダクション
2. 新時代のカギとなる「自己対話力」と「選択肢の創造」
3. 特別セッションI  コーチング活用者インタビュー
4. 特別セッションII 公開コーチングセッション
5. キャリアコーチ紹介 ~自己対話で活用できる5questions~
6.「me:Rise(ミライズ)」のサービス概要 ・質疑応答

★後半のレポートはこちら


先の見えない「変化」の時代で個人のキャリアコンパスを手に入れる手段としてのパーソナルコーチング

me:Riseを運営する株式会社Rubato(ルバート)の代表松上はキャリアコーチングサービスをリリースするに至った背景について、「会社」「個人の働き方」「国」の3つの「変化」がベースにあると言います。

「個人の働き方」の変化
ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの書籍LIFE SHIFTで紹介されていますが、数年前の調査によると、2007年生まれの2人に1人の寿命は100歳を超えると予測されています。現在の平均退職年齢は69.9歳と日本の一般的な定年退職年齢を超えて働いていることが分かります。そして、2016年の日本における年間転職者数は300万人。320万人だった2009年以来となる高水準で、リーマンショック直前の346万人に迫る勢いです。高度成長期には終身雇用が前提でしたが、今は転職は一般的になり、在宅勤務やフリーランスなど働き方が多様になり、人生における働く期間が長くなっています。

「会社」の変化
平成元年の世界の時価総額ランキングの上位10社と平成30年のランキング上位10社を比べてみると、30年前にランクインしていた企業は今はもう一社も残っていません。いわゆる今イケている企業が30年後にどうなっているのか予測困難です。

出所:ダイヤモンドオンライン 2018年8月20日  https://diamond.jp/articles/-/177641

「国」の変化
マクロ経済の視点ですが、日本のGDPは現在世界第3位。1位がアメリカ、2位が中国。中国に抜かれてからまだ10年も経っていませんが、すでに3倍の差がついています。

私たちは目的地に行こうとしたとき、地図を片手に経路をたどるわけですが、このような変化の渦中では地図自体が見えないような状態にいる訳です。

先が見えない時代においてどう生きていけばよいのか?

経営学の巨匠ピーター・ドラッカーがこんなことを言っています。

"未来は知りえない、しかし自ら創る事はできる。成功した人・企業はすべからく、自らの未来を自らの手で創ってきた" 

でも、そんなに簡単にできるわけではないですよね(笑)。

予測しやすい未来の創り方のヒントとなるのが、ITの世界のウォーターフォールという開発手法。ゴールを明確にして、それを工程に分解していって順に段階を経て方法。これがうまくいかない例があるので、最近はアジャイルという開発手法で、どんどんプロトタイプを作って、お客様に実際に使ってもらってフィードバックをもらって開発していくという方法が主流です。

個人のキャリア形成に置き換えると、なかなか地図が見えない変化の時代では、小さくやってみて結果を見てみるという試行錯誤を回していって、自分の道を少しずつ切り開いていくことが必要になります。例えば、転職する前にその業界について知っている人に話を聞いてみることで道筋が見えてくるかもしれません。

一方で、自分の「大きな方向性を示すコンパス」はすぐに見つかるものではないかもしれません。私は起業してから実質6年くらいになりますが、初めはこの道筋が見えませんでした。オフィスを借りるにも、将来どうなるのか分からないので怖くて仕方がありませんでした。試行錯誤していくうちに軌道に乗り始めたのですが、なかなか「大きな方向性のコンパス」が見つからなかったときに出会ったのがコーチングでした。

コーチングの手法を用いて「大きな方向性のコンパス」と「試行錯誤を繰り返す」ことの両方をサポートするサービスを作りたいと思ったのがこのサービスの背景にあります。

新しい時代のキャリアデザインに必要なのは、内的探求手法である「自己対話」と「知る」という外的探求による「選択肢の創造」

ここではme:Riseが考える「自己対話力」と「選択肢の創造」についてキャリアコーチの志賀が説明します。

ー「自己対話力」とは?

一言で表すと、「自分の内側に目を向けて、問いかけ、そこにあるものを発見していく力」

自己対話とは、「鏡に映った自分に問いかけていき、その答えを見つけるために、探索を深めていくイメージ」です。自分の中で見つけたものを言葉にしていく中で、自分はこんな風に考えていたんだ、という気づきや発見が生まれるプロセスです。自己対話によって以下6つを代表とする自分の考えや行動の源泉が分かり、自分がどんな人なのかの自己理解が深まります。

「価値観」:自分は何を大事にしていたら満たされるのか
「願望」:自分は本当はどうしたいのか
「情熱の源泉」:モチベーションの源泉がどんなところにあるのか
「理想とする環境」:自分はどんな場所でどんな人と過ごしたいのか
「行動や思考パターン」:習慣化している行動や、よく人に指摘されるような自分の考え方のくせ
「課題」:自分が解決したいと思っている課題は何なのか

自己理解が深まるとどんなことが起こるのか?

自分自身のありたい姿が描けるようになるので、「何がどんな風になっていたら自分のビジョンに近づいていると言えるのだろうか」「そのために必要なことは?」「自分にできそうな行動は?」「まず何からやってみよう?」といった問いかけが自分自身でできると、自分の進むべき方向性やとるべき指針が見えやすくなり、自分に喜びや幸せをもたらす道筋を描くことができるようになります。

どんな自己対話の方法があるのか?

感情・思考の書き出し、日記、手帳術、モーニングジャーナルなどさまざまな方法があります。最近は自己対話に関する書籍がたくさん出版されていて、書籍に付属している1000問の問いに答えることで自分のゆるぎない軸が見つけられるというものもあります。一方で、自分ひとりで自己分析をすることには個人の向き・不向きがあり、独りで最後までやり切ることは難しいと思う方が多いのではないでしょうか。

ー自己対話を阻害する5つの壁とは?


壁#1. 自分のことを理解することは大事だと感じている方は多いが、緊急度が低いので難しい。

壁#2. グルグル・モヤモヤしている時は、自分自身のパターン化した思考回路に陥ってしまっている時。自分で客観的な視点を取り入れるのは難しく、思考が堂々巡りになってしまうことがある。

壁#3. 客観的に自分を見ようとしても、感情によって自分を映しだす鏡がぼやけてしまい、自分の願いや気持ちが見えにくくなってしまう。

壁#4. どうしても他人からの評価や自分が人からどう見えているのかなど、人間誰もが気になること。自分自身の声に純粋に向き合いたいのに、人の声などの雑音が入ってくることで、自己対話が阻害されてしまう。

壁#5. 考えないようにしていることや見ないようにしている自分に出会ってしまう怖さがあり、なかなか自己対話が進まない。

ー自己対話に隔たる壁を超えるには、どうすればよいのか?

ずばり、「他人の力を借りて自己対話をする

自己対話を実現する手段の一つとしてパーソナルコーチングがあります。パーソナルコーチングは、コーチからの問いかけにより、自己対話を深める方法です。コーチによる問いかけで、自分自身との探索・対話をして、それを言語化することで、気づきや発見が生まれます。また、人の力を借りて自己対話を行うので、一人では壁となってしまう部分も、コーチが伴走することで越えていくことが可能になります。

ーパーソナルコーチングでできることとは?

パーソナルコーチングだけでも自分の指針に基づいた主体的な選択・行動により、自分の望むキャリアや生き方に近づくことができます。

新しい情報が、新しい選択肢を創造する

キャリアデザインをするうえで、パーソナルコーチングだけで十分なのでしょうか?

前田裕二さんが著書『メモの魔力』で紹介している「たこわさ理論」はご存知ですか?

「明日もし地球が終わるとしたら今夜何が食べたいか?」と小学生に尋ねたらおそらく、ハンバーグ、カレーライス、からあげ、といった答えが返ってくるでしょう。おそらく「タコわさが食べたい」と言い出す子はきっといません。なぜ「たこわさ」という答えがないのか?

答えは簡単。「たこわさを知らないから」。つまり、自分の知らないこと・経験したことがないことは選択肢にすら入ることがないのです。

人が何らかの対象に「好き」という気持ちを向けたり、「こんな風になりたい」という気持ちを抱くのは、原則として、経験が多大に影響しています。

例えば、製薬企業で働きたいという思いを深めていったときに、「人の健康的な暮らしに貢献したい」という目的・ビジョンが出てきたとします。それが分かったら、ビジョンを叶える方法は製薬企業だけでなく、介護業界でも健康食品業界でも、何かボランティアをしてみるでも良いのかもしれません。あるいは、家族のために健康的な料理をふるまうということもあるのかもしれないのです。ただ、このような選択肢を創るにも、実際にそういう仕事をしている人に聞いてみないとイメージがつかないのではないでしょうか。なんとなく興味があることについて、より「知る」ことで未来の選択肢が広がります。

ーこれからのキャリアデザインに必要なのは「内的探求」と「外的探求」のサイクルを回し続けること

me:Riseは「自己対話」という「内的探求」と、「知る」という「外的探求」、この2つのサイクルをバランスよく回していくことが、選択肢の創造につながると考えます。ちなみに、「知る」には単に知識や情報を集めるだけでなく実際に体験してみることも含まれます。

勉強熱心な方は本を読んだり、セミナーに出かけたりといった「知る」機会は多いかもしれませんが、それだけではなかなか新しい選択肢は生まれません。

「自己対話」という「内的探求」と、「知る」という「外的探求」の両方をサポートしたいという想いがme:Riseを立ち上げた背景にあります。

新しい時代に必要なのは、「自己対話力」と「選択肢の創造」。

「me:Rise」では、その自己対話と選択肢の創造をサポートします。

me:Riseのキャリアコーチング体験者へのインタビュー

6月~7月にモニターとして6回セッションを受けていただいた2名の方にご登壇いただき、キャリアコーチ小泉が実際にキャリアコーチングを体験してみた感想をお聞きしました。

Q1. キャリアコーチングを受けたいと思ったきっかけは?

Aさん:キャリアの転換期を迎えている状況だったので受けてみようと思いました。

Hさん:子供が2人いて、ちょうど手が離れたところなんですが、仕事が忙しくてこのまま何十年も今の仕事・働き方で良いのかどうか考えていました。でも、何から考えればよいのか分からない状況で、ちょうどモニター募集のご案内をいただいたので応募しました。

Q2. キャリアコーチングを受ける前にコーチング対しての不安はあった?

Aさん:コーチングを受けたことがあったので不安はありませんでしたが、6回でどこまで自分のモヤモヤが解消できるのかなとは考えていました。

Hさん:一度も会ったことがないコーチとオンラインでちゃんと話せるのかなというのが一番不安に思っていたことです。

Q3. 実際にキャリアコーチングを受けてみた率直な感想は?意外だったこと、得られたこと、具体的に変化したことは?

Aさん:今回、1回から6回目までの各セッション内容(マイルストーン)が提示されていたので、それがセッションを受けるにあたって参考になりました。一方で、コーチングを通した自己対話には終わりがなくて、常に現在進行形というか、先ほど説明があったサイクルをクルクル回すものだと思っています。何かを得られたというよりも、常にスタートなのかなと考えています。6回受けた後の具体的な変化としては、コーチに伴走してもらうことで、行動を加速することができた点です。具体的には、興味のあったプログラムに参加したり、この人とのつながりを大切にしていきたいなと思う人に会う約束したり、コーチングを受ける前に始めていた行動をさらに加速するペースメーカーになりました。

先ほどのスライドにもありましたが、「重要だけど緊急ではない」など行動を起こすのに様々な壁があるので、自分の中で行動を起こす環境を作るのが大事だと考えています。私にとっては、その環境づくりが「コーチング」だったと思います。そして、「これをやってみよう」と自分で言語化することで自分の頭の中が整理されたので、納得して行動に移せたのだと思います。

Hさん:多様な考え方が自分の中から出てきて、抽象的な表現になりますが、自分の中のいろんな扉をコーチに開けてもらえた感覚がありました。また、自分が思っている課題に対するアプローチの仕方が変わりました。例えば、自分が週末にリフレッシュできない理由は仕事が多いせいだと思っていたのですが、「どうなったらより良く過ごせると思いますか?」とコーチに問われた時に、「仕事を忘れてリフレッシュできる時間があったらいいですね」と回答したのですが、そのようなコーチとの対話をとおして、課題(=仕事の量を減らす)を直接解決するのではなくて、最初に「自分はどうなったら良いのか」という理想の姿を先に考えておいて、それに近づくにはどうしたらよいのかを考えるというアプローチの仕方があるんだなということが分かりました。これは他のことを考えるときにも応用ができると思いました。

Q4. どのような方にキャリアコーチングを薦めたい?

Aさん:コーチングは誰にとっても効果があると思うのですが、強いて挙げるとすると、これからどうやってキャリアを構築していこうか、どういう人生を歩んでいくのかをモヤモヤしながら考えている方々には良いのかなと思います。

Hさん:自分の棚卸をした結果を踏まえて、将来のことを考えたい方でしょうか。今回コーチングを受けて思ったのは、「キャリア=仕事」だけではなくて、自分の考え方や育った環境がキャリアの選択に影響することが分かったので、そこから考えたい人には向いていると思います。

イベントレポート後編に続く)

ライティング:渡邊絵美(me:Rise公認サポーター)

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