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外国籍採用リーディングカンパニーインタビュー企画「大成」社長のCareerFlyとは-中編

「外国籍人材とともに飛躍する(Career Fly)」
”外国籍人材”を採用する真意とは  外国籍人材採用後進国日本において、積極的に外国籍人材を採用している企業は何を目的としているか紐解く。キーパーソンへインタビューを行い、外国籍人材とともにどのような企業ビジョンを描くか、その飛躍(Career Fly)へのロードマップを深掘りしていくインタビュー企画。

前編はこちら

ビルメンテナンスを軸に、相乗効果がもてるパートナーを増やす

羽二生:ベトナムを皮切りに、海外事業を伸ばし、新規事業ではITやドローンを使ったサービスを展開したり、様々な取り組みをされています。

加藤氏:これまでは15年計画の中で「Road to Transformation 」変革への道と題した5年間を過ごしてきました。
「管理」という軸の事業はブレず、そこに付加価値をつけていけるようなサービスを、新規事業・海外事業として展開してきました。今はテレビCMなどのブランディングにも力を入れています。

羽二生:どうして新しいことへの挑戦に注力されてきたのですか?

加藤氏:管理業という業界は目立たないですし、人がたくさん集まる業態でもありません。
だからこそ、自らブランディングでイメージを変えたり、そもそも人でなくても良い仕事はIoTやAIで代用できます。それもただ出来合いのものを使うのではなく、開発から自社で行い、積極的に新規事業に取り組んでいます。

羽二生:M&Aも増えていますね?

加藤氏:おかげさまで「海外といえば大成」というイメージもできたみたいで、よく海外M&Aの話をいただくんです。フィリピンどうですか?インドどうですか?ブルネイは?みたいな。

羽二生:ブルネイまで!またいろんなところから声がかかるんですね!そこからどのように選択されているんですか?

加藤氏:なんでもかんでも手を出すわけではなくて、大成とM&A先にとってどのようにハッピーを作れるか?という「相乗効果を生み出すこと」を大切にしています。
例えば、ベトナムでのM&Aは、実習生が本国に帰った後に働ける場所ができたらいいなと思い始めました。日本語もある程度話せるようになり、技術も身につけて帰れたら、それ相当のポジションに就くことができます。そうしたら現地企業も技術のある労働者が採用できますし、我々としても大成で働いてよかったねと言ってもらえたらと。

羽二生:そこまで考えられているんですね。今後もより良いパートナーシップが広がっていくことが楽しみです。

外国籍社員が日本人社員に与えるものは大きい

羽二生:海外事業について、お一人で始められたということでしたが、総合職の外国籍採用はもともとされていたのですか?

加藤氏:いえ、これも僕が始めました。
技能実習生と同じように、リスクの話が出てきて、なかなか前に進まなかったですね。
日本的企業は、何か新しいことをしよう!となった時、リスクをまず考え、批判的なことから始まるんです。それをどのようにすれば回避できるのか、どうしたら先に進めるんだという前向きな議論になりません。リスクの話ばかりが先行します。

リスク分析・把握は大事です。ただ、今話ししててわからないことは、実際動いてみながら対応していけばいいと思います。海外の人って行動が早いじゃないですか。とりあえずやってみようよって。その考えを大切に、ひたすら動いてみることで、まず一人採用することに成功しました。

羽二生:確かに慎重ですよね。そんな中採用できた方はいかがでしたか?

加藤氏:これもですね、いざ入れてしまえば、評判がよくて。思っていたより受け入れストレスがないと思うと、現場は急にウェルカムな感じになります。今となっては総合職外国籍8名を採用し活躍いただいてます。

羽二生:歓迎ムードになって良かったです!実際外国籍を採用してみて、どんな点がプラスでしたか?

加藤氏:あんまり比較するのは良くないとは思いますが、比較的若い日本人と比べると外国籍の方のほうが夢とか、これは負けないみたいなスキルを持ってるんですよね。
そういう人たちと仕事をすることで、日本人社員に対して刺激を与えられているというのはいいことかと思います。

羽二生:日本で働く外国籍の方々は、外国で一人頑張れるだけのモチベーションをお持ちですもんね。逆に大変だったことはありますか?

加藤氏:特にないですね。入社される方が日本語が上手なこともありますが、特に日本人メンバーと比較して手がかかったことはあまりないです。強いて言えば電話対応かな。でも回数重ねれば慣れますし。あまりないです。

羽二生:それは素晴らしいですね!

初動は早く、引き際は潔く。他者の価値観を取り入れたからこその事業運営

羽二生:ご入社からこれまでの、特にこの5年間を振り返ってみて、どう感じられますか?

加藤氏:やりたいことの2〜3割できたかな?という感じです。

羽二生:結構盛りだくさん事業推進されていますが!(笑) そのスピード感は、前職で培われたんですか?

加藤氏:それはありますね。ITを筆頭に、世の中のスピード感は、とても早い!当業界はどちらかというとスピードを求めていないからか、ゆっくりしています。だから早いねとか、この短期間でよくやったねと言われることもあります。ただ、僕はこれでも早いとは思わないし、せめて今のスピード感を持続していきたいと思います。

羽二生:まさに自分の枠だけでなく他からも刺激を得られている加藤さんだからできた考え方でしたね。そのスピード感の中で、大切にされていることはなんですか?

加藤氏:取り掛かる早さだけでなく、身を引く早さが大切だと思ってます。見切りをつけるというか。
日本的企業は、一度始めたら結果が出るまでずっとやり続けなくてはいけないという発想があるかと思います。この考えって、一方で悪いものが溜まっていくと思うのです。だから、3年、5年などある程度の期間を設けてやってみる、そしてダメだったら辞めるという判断をすることが重要です。

羽二生:確かに、やり始めたからには成功するまで諦めないことを美徳とする感覚ありますよね。

後編へつづく......

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