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駐在妻インターンってどんな人?【第9期vol.1 まゆみさん(アメリカ在住)】

2024年2月、第9期インターンではアメリカ、ノルウェー、インドネシア、ベトナムから参加の駐在妻が加わりました。9期駐在妻インターンメンバーへのインタビュー第1弾は、2021年7月からオランダ、2022年10月からアメリカに駐在帯同中のまゆみさんのご紹介です。

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【まゆみさん/お仕事プロフィール】
渡航前約4年間、給与計算や労務手続きの業務に携わる。2021年に夫の駐在が決まったことをきっかけに、リモートワークを導入している会社へ転職。同年7月同会社がフルリモートに対応してくれたことにより、仕事を続けたままオランダへ転居。2022年10月よりアメリカ・ニューヨーク州在住。


はじめに


何でも話したくなるような柔和な雰囲気と笑顔を持つまゆみさん。「自分のことを話すことが苦手」とも話していましたが、インタビューでは、キャリアへの強い思いを語ってくれ、まゆみさんの芯の強さを感じました。いかなる逆境でも、働き続けたい思いに真っすぐで、行動を止めなかったまゆみさんのストーリーを、ぜひお楽しみください。

自分に合ったキャリアを求めて


大学卒業後、プログラマーから社会保険労務士(以後、社労士)事務所へと異業種転職をされたとか!?

まずは帯同前のキャリアについて、転職した経緯も含めて、教えてください。

新卒の時、希望していた職種に就けなかったんです。なので「何か自分自身に技術や専門スキルをつけたい」「パソコンスキルがあった方がよいかな」と軽い気持ちでプログラマーになりました。
プログラマーの仕事は、論理的に考えることや、自分が考えたものが形になることがとても面白いと思っていたのですが、一日中人と話すことなくパソコンに向かう日も多く、これを一生続けていくのは辛いかもしれないと思うようになり、転職を考えるようになりました。
はじめは法律事務所の事務職に転職をしました。しかし働くにつれ専門スキルをつけてもっと主体的に働きたいという思いが芽生え、改めて色々な仕事を調べていくなかで、社労士の仕事を知りました。それまでの仕事経験から「人が大事」と感じることが多かったので、働く人を支援できることや、給与計算や労務手続きを間違えずに当たり前にできることに魅力を感じ、社労士見習いとしての転職を決意しました。仕事内容はとてもやりがいがあり、今でも日々楽しさを感じています。

まゆみさんにとって「専門スキルを活かして働く」ということが、大切にしたい価値観なんですね。

キンデルダイクの風車群。渡航前にイメージしていた風景を見ることができました。

駐在帯同とキャリア継続を目指して


次に旦那さんの海外赴任が決まったタイミングについて教えてください。

実はさらなるキャリアアップのために転職したばかりのタイミングだったんです。社労士事務所で働くなかで、人事部として規定の制定や改廃、人事評価プロセスや運用に携わりたいと考えるようになり、一般企業へ転職して1カ月のところでした。これまでも転職回数が多かったので、「ここで辞めたら、この先どうなってしまうんだろう」と、帯同するかどうかギリギリまで悩みました。

それでも駐在帯同を決意されたのですね。理由は何だったのでしょうか?

結婚したばかりということ、さらには夫の海外赴任期間が明確でなく、どのくらい離れて暮らすのかがわからない状況だったことからです。「家族だし、一緒に暮らしたい!」という思いがあり、帯同する道を選びました。

自分のキャリアと家族、どちらを優先するか。私もすごく悩みました。
駐在帯同を決意してから、どんな準備をしましたか?

まず、自分の会社に帯同先の海外からのフルリモートワークを容認できないか尋ねましたが、「できない」と予想通りの回答が返ってきました。そこで、海外でも働ける会社を見つけるため、再び転職活動を始めました。転職活動では、「夫の海外赴任についていくため、フルリモートワークをしたい」という思いを軸に、海外で働くことに寛容そうな外資系を中心に探していきました。
そして最終的に、世界的な総合系ファームの社労士業務に就職が決まり、日本にいる間は、オフィスに出向く形で働いていました。

苦渋の決断からの切り替え、そして転職活動。行動力に頭が下がります。
フルリモートワークができる転職先が決まるまでにはどれくらいかかりましたか?

だいたい1カ月くらいかかりました。周りからは、「早く決まったね」と言われるのですが、自分的にはとても長く感じました。転職活動中は、「日本にいるうちに早く仕事を見つけなくては」という思いから、憂鬱な気持ちと不安、焦りなど様々な感情が入り混じっていました。何件も面接するなかでも「次に繋がらなかったら終わりだ」という気持ちに苛まれ、悲観的になることも多かったです。
思い返すだけでもとても辛い期間でした。しかしそれでも行動し続けられたのは、行動しなければいつまでも不安が解消されないという思いが強かったからだと思います。

住んでいたロッテルダムは近代的で個性的な街。

仕事がなくなったら自分は何もできない


様々な思いで、転職活動を乗り越えられたんですね。
駐在帯同を機に、少し仕事を休もうという気持ちはなかったですか?

全くありませんでした。そのまま仕事をし続けたい気持ちのほうが強かったです。自分自身が専業主婦になるイメージが全くつかなくて・・・。仕事がなくなったら、自分は何もできないという思いで頭がいっぱいで、何が何でも仕事を見つけなくては、と焦燥感に駆られていましたね。

就職先が決まってから渡航までの間は、安心した気持ちで過ごしていたのでしょうか?

実はそうでもないんです。日本で働いている間も「この期間に結果を出さないと、海外でのフルリモートワークを断られてしまうのではないか」というプレッシャーと戦っていました。
また、結婚したばかりで、渡航前に挙式と引っ越し準備、会社も変わったばかりという状況で忙しすぎて当時の記憶がほとんどないというのが本音です。苦笑

ものすごいバイタリティですね。
どんな状況でも、とにかく働いていたいというキャリアへの意識の高さが伝わってきます!

海外フルリモートワークの前例をつくる


初めての駐在帯同生活。オランダでの生活はいかがでしたか?

日本にいるうちに仕事の準備ができていたので、ある意味ほっとした気持ちでオランダ生活がはじまりました。小さい頃に1年間海外に住んだり、引っ越しが多かったこともあって、海外生活に対する抵抗はありませんでした。オランダでの暮らしは、優しく、ゆったりとした時間が流れていて、すぐに慣れることができました。
仕事は、オランダ現地法人との面談後、転籍手続きを終え、希望どおり日本での仕事を、フルリモートワークという形で継続することができました。

場所が変わっても、同じ仕事を続けられるのは気持ち的にも楽ですよね。
同じように海外からフルリモートで働いている日本人はいますか?

現在はいらっしゃるようですが、当時は前例がなく、海外フルリモートワークは私がはじめてでした。日本で働いた3カ月の間に、オランダでも引き続きできる業務を丁寧に決めていったことが功を奏しました。手間のかかる作業に向き合ってくれた上司のおかげです。

すごいですね!新しい例をつくるということは、会社側にとっても大変なことだったと思います。きっとまゆみさんの「働きたい」という熱意に心を打たれ、会社が一緒になって考え、動いてくれたのですね。

アメリカ渡航とキャリアの中断


オランダに1年3カ月滞在後、今度はアメリカへ渡航することとなったそうですね。仕事はどうされたのですか?

夫の異動が決まった時点で、日本法人へ相談したところ、ありがたいことに日本法人側でアメリカ法人への転籍の話を進めてくれました。しかし思うように事が進まず、アメリカ法人と契約が締結できないままアメリカへ渡ることに。なので本当に働き続けられるのか、不安な気持ちでした。


グランドセントラル駅。
ニューヨークへ来たばかりの頃は、人の多さにいつも驚いていました。

不安なまま渡米されたのですね。
その後、仕事はどうされたのでしょうか。

渡米して3週間後、アメリカでも無事に契約を締結し、仕事を継続できることになりました。アメリカで仕事をするためには銀行口座の開設や行政手続きが煩雑であり、予想以上に多くの時間がかかってしまいました。それでもなんとか繋ぎとめた仕事は順調に見えたものの、会社側で方針転換があり、オフィスへの出社が必須となってしまったんです。これにより残念ながら、現在の居住地からの出社は不可能なため、泣く泣く退職する運びとなりました。

大変な手続きをしたのに、方針転換…
退職が決まったときは、どんな気持ちでしたか?

自信を失いましたね。「これからどうしよう」という不安な気持ちでいっぱいでした。しかし、落ち込みながらも、退職が決まって3時間後には、CV(履歴書)を作り直している自分がいました。

この時も、行動することで不安な気持ちを落ち着かせようとしていたのですね。
仕事探しはどうでしたか?

これまで携わってきた社労士法人の仕事は日本の法律に基づいていたため、日本でしか通用せず、アメリカで同様の仕事を見つけることは難しい状況でした。また、現地のアルバイト求人も見てみましたが、今までやってきたキャリアを伸ばせる内容ではなかったため、今後の方向性について思い悩みました。メンタル的にも辛い状況でしたが、頭で考えるだけだと余計に悲観的になってしまう性格なので、「行動すれば何かきっといいことがある」と信じて、諦めずに仕事探しを続けました。
そんな時、たまたま見つけたのがCAREER MARKのインターン募集の記事だったんです。これまで日本の仕事の延長でしか生活をしていなかったこともあり、これを機に「何か新しいことにも挑戦したい」「自分の武器となるようなスキルを身につけたい」「別業種で活動することで視野を広げたい」などと考えるようになり、インターンの応募に踏み切りました。


国連総会ホール。テレビで見ていた場所へ実際に行けて、感動しました。

CAREER MARKインターンについて


新しい自分に出会うために始めたインターン。

実際にはじめてみてどうですか?

今までほとんど切れ間なく働き続けてきたものの、日本との時差の関係もあり、ミーティングに全く参加できていなかったので、人と話すということが新鮮でした!笑
また、これまで使ってこなかった新しいツールを使っているので、大変な部分もありますが、新しいことを覚えるのは楽しいし、好きだと感じますね。

CAREER MARKのインターンが終わる頃には、どうなっていたいですか?

正直、漠然と「この先どうなりたいか」悩んでいるところがあります。夫とずっと一緒に生活するためには、また海外転勤があるかもしれない。そう考えると、海外でも通用するスキルが必要だなと思ったり、はたまたそれに合わせすぎると、私のやりたかったことって何だったんだろうと思ってしまったり。今の社労士の仕事は好きだけど、これからどうやってキャリアアップしていけば良いかなど、まだ模索中です。インターンが終わる頃には、何か少しでも先が見えたらいいなと思っています。

新しい挑戦の先に、何か見つけられるといいですね。

読者へのメッセージ


最後にこのnoteを読んでいる方へ一言お願いします。

私の場合、これまでの人生で周りに恵まれていたことや、運が良かったことももちろんあるのですが、自分がしたいことや、こうなりたいということがあれば、「とりあえずやってみる」と足を止めずに行動してきたことが良かったと思っています。自分でもこんなにも生活の場が変わっているのに、仕事を続けてこられるとは思っていませんでした。しかしこれらの経験によって、固定観念にとらわれず、失敗を恐れずに行動してみることが、人生の幅を広げてくれる可能性があると考えられるようになりました。

たしかに。考えているだけでは何も始まらないですもんね。
キャリアに思い悩む方へ、CAREER MARK+の活用法があれば教えてください。

人生の将来計画ってなかなか難しい。なので私も今後何度もキャリアに悩むことがあると思いますが、そんな時CAREER MARK+のセミナーなどに参加することなどを通じて、自分のやりたいことがもっと明確に見つかったら良いなと思っています。キャリアのよりどころみたいに活用しています。

あとがき

いかなる逆境が訪れても「やらないと何も変わらない。とりあえずやってみる。」というマインドのもと、行動し続けてきた、まゆみさん。不安な気持ちをすぐに行動エネルギーに変えられるのも、その考えが根底にあるからだとわかりました。
駐在帯同生活中に、時間の過ごし方やキャリアに対して不安や焦燥感を抱いた時は、まゆみさんのマインドを思い出したいと思います。不安な思いなど、一旦自分の気持ちを素直に受け入れ、何かしたい思いがあれば、「前例がないからできない」「選択肢が少なくてできない」と諦めずに、少しずつでもできることを見つけて行動したいと思います。小さな一歩でも、まず踏み出してみることが、駐在帯同生活を自分らしく切り拓くヒントに繋がると思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

インタビュー・文:
CAREER MARK 第9期インターン 坪井 利沙
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