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精神看護の新常識「コプロダクション」がわかる! 臨床に応用できる!


コプロダクション(共同創造)は、これからの精神看護を支える新スタンダード

「コプロダクション」(Co-Production)は、医療者と患者(クライエント)が対等なパートナーとして意見を出し合い、提供されるサービス内容の決定に両者が関与していくことを意味します。

このようなとらえ方ができる「コプロダクション」は、精神看護を展開するうえで欠かせないものとなってきている「リカバリー」「ストレングスモデル」に基づいた実践をするために必要で、そして、これまでのセルフケア理論による看護過程の展開とも統合できる、新しい考え方ということができるでしょう。

令和5年から看護師国家試験出題基準にも追加され、これからの時代の精神看護過程のあり方を示す概念です。

ここで、コプロダクションの基盤となる考え方についてご紹介します。

[1]クライエントは支援者と課題を共有することだけではなく、提供されるサービスの計画と実施、評価にも関与すること
[2]クライエントにとって大切なことは、支援者にとって大切なことと同じではないということを意識すること
[3]支援者が提供するサービスの役割や内容についてクライエントに説明でき、クライエントの生活にもたらされることの限界について誠実に説明できること
[4]支援者にしかわからない言葉を用いず、クライエントと共通で理解できる言葉で内容を共有すること
[5]クライエントの前で話したことと、記録として残した内容に違いがないようにすること

本書p49-51を参照

こうしてみると、コプロダクションという言葉を聞いたことがなくても、普段の臨床で近いことを実践している看護師の顔を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。意外に身近なものと感じられると思います。

本書のポイント

本書は、看護師の皆さんに向けて、コプロダクションを理解し、実際の臨床現場で活用していただくため、次の2つの点を重視して制作しました。

❶定義を含めた基礎知識がわかる!
既存の理論モデルとの関係性を整理し、コプロダクションの軸ともいえる治療的関係の構築にふれながら、基礎知識をわかりやすく解説しました。

❷学んだ理論を看護実践に応用できる!
コプロダクションの考え方に基づいたオリジナルのアセスメント様式・計画表等を収載。また、実践事例を収載し、コプロダクション看護計画のつくり方や具体的な看護過程の展開方法なども紹介しました。

「コプロダクション」をいち早く看護実践に取り入れよう

国試出題基準に加わったことから、これからの看護学生はコプロダクションを当たり前のこととして学んでいくことになるでしょう。そのため、現在臨床で活動する看護師も、コプロダクションを理解することが必須となっていきます。

日本で初めて、看護師向けにコプロダクションを解説した本書。これからの精神看護に欠かせない知識・スキルをこの1冊で身につけ、ぜひ、明日からの看護にお役立ていただければと思います。

編著:木戸芳史   本体2,420円(税込)  B5判・160頁  ISBN978-4-8058-8937-4

▼著者による内容紹介▼

著者の木戸芳史先生による紹介動画をチェック!


本書の目次

第1章 コプロダクション型精神看護過程を実践するための基礎知識
第2章 コプロダクション型精神看護過程
第3章 実践活用事例
■事例1:統合失調症の治療で入院中のBさん
■事例2:双極Ⅱ型障害,市販薬の使用障害の治療で入院中のCさん
■事例3:うつ病/大うつ病性障害の治療で入院中のDさん
■事例4:強迫症/強迫性障害の治療で入院中のEさん
■事例5:神経性やせ症/神経性無食欲症の治療で入院中のFさん
資料 アセスメント様式とコプロダクション計画シート


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