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同人誌のデザイン始めました(vol.2)

同人誌のデザインをTwitter(現在はX)で募集し、紙本(漫画)最初のご依頼。
2023年2月のWEBオンリー併せのご本で、2022年11月にお声がけいただきました。
ラフや本の仕様、印刷所など具体的にお話が進み始めたのが12月半ば頃、
その際決まっている範囲で具体的な希望などをお聞きしています。

制作を始める前に


 1. 本のサイズ、P数、可能であれば本文使用紙を教えてください。
(P数と紙の厚さで背幅が決まるので)


A … A5サイズ、本文 キンマリSW_110、
ページ数未定(50〜70pくらいで背幅は5.9mmくらい)

 2. ご使用の印刷所を教えてください。

スターブックス様、表紙用紙はラメ入りの黒で印刷はゴールドインクを予定。

 3. タイトルとR18表記以外、カップリングや著者名、
サークル名など入れても良いでしょうか


タイトルとR18表記のみ希望


また印刷所の締め切りが1月11日とのことなので、
2022年中にいちどラフを見ていただく形(できれば表紙の試し刷りができるとベスト)を考えました。
(スケジュールに関しては大体1〜2ヶ月見てもらうと安心と思いつつも、
結局エンジンがかかるのが締め切り2〜3週間前くらいなことが多いです。)

ページ数に関しては微調整で問題なし。
印刷に関しては、仕様が「CMYK+ゴールド」とあったのですが
紙が黒なのでCMYKが無駄になってしまう可能性と、試し刷りについて。
またキャラクターもキャラ名も全く入れないデザインなので、
ロゴを入れた段階で人物ありヴァージョンとなしヴァージョンで案出しさせていただけないかご相談しました。

作家さんからいただいたラフ。
駆け出し同人デザイナーなので、キャラを入れなくていいのかい?
と数日悩んだ記憶があります(笑)
特殊印刷なのですが手元に見本紙等がなく、
作家さんとレビューを参考に進めました。


ロゴの作成

最初にイラストをいただいた段階で
「いわゆる漫画っぽいデザインではなく、アートや文学的な方面に寄せた方がいいな」と感じたので
「漫画だけれどアート寄りな作品」例えば楠本まき先生とか荒木飛呂彦先生の作品の装丁を参考にしてみよう、と思いました。
特に楠本先生はデザインへのこだわりが強く、従来の漫画の装丁とは一線を画していたので、方向性の指針とさせていただきました。

https://www.makikusumoto.jp/mkFiles/list_main.html

タイトルのフォントは、作品から文学的な匂いがしたので、
Bodoni72 Oldstyleをチョイスし変形。
Bodoniのタイトルに点描で陰影をつけて。
シンプルだけれど奥行きのあるタイトルに。
作品に配置したもの。
キャラ入りヴァージョンのラフもあげましたが
深追いすることなくキャラなしに決定しました。

完成したロゴをイラストに配置し、作家さんに確認。
年内(できればクリスマス前)に提出するつもりだったのですが、大晦日ギリギリ。。
年明けすぐにOKをいただき、清々しい気持ちで新年を迎えられました。


入稿作業

ラフ確認後、作家さんが完成イラストを描かれている間にロゴの点描を微調整。
パッと見大差がない細部に妙に拘ってしまう所が昔からあり、チクチクと修正いたしました。
※今回はほぼ完成に近い状態で提出しましたが、方向性などに悩む場合はもう少し前段階で確認することもあります。

10日朝にイラスト完成、11日が終日仕事だったため、12日の午後か13日に締め切りを延ばしていただき入稿いたしました。
(入稿直前の動きはケースバイケースです)

ラフの段階からさらにイラストが描き込まれた入稿データ。
金インク一色なのでK100%で作っています。
試し刷りを行なっていなかったためぶっつけ本番になってしまいましたが
綺麗に印刷していただけました。
ミニメモのオマケもいただいて、同人って楽しいなって思いました。

今回の作品はコアなファンの多い作家さんだったこともあり
挑戦的なデザインもすごくマッチしたんじゃないかな、と思いました。
作品ごとのベストを探っていく作業は、とりあえず緊張感と達成感が半端ないです。
carplabo拝


制作の糧とさせていただきます。ご無理のない範囲でよろしくお願いいたします。