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50年前の無過失責任

 どんな苦情や相談も事業者からの話なら聞くのは聞く。それも仕事。 

 誰にも言えず、悩んでいる人は話すだけで落ち着くということを知っているのと、やはり、いきなり弁護士等専門家に聞くのは敷居が高い(この場合、金銭的なものも含む)というのも大きい。

  多少なりとも、顔を見知った者(私)なら話もしやすいからだが、相談されても「方向性だけ」を答えることになる。

  具体的な個別相談になると、ちょっと問題になる可能性があるからだ。

 いつも同じことしか書かないが、個別相談でも無碍には出来ないので話を聞いて必ず専門家に確認したり、訴訟を視野に入れている場合は改めて専門家から連絡してもらうという形をとるようにしている。

 ワンクッションあるとだいぶ違うようだ。

  もちろんそのまま訴訟(逆の場合もある)になることもあるので後日譚などを事業者から聞くことはあってもそこはやはり言えない。
  この相談も「整備の相談ではないが参考までにわかる範囲で教えてほしい」というもの。

 弊社の裏には隣家の所有地である草木生い茂る空き地がある。

 弊社先代社長が、50年以上前に今の事業場を拡張する際、将来的に境界で揉め事にならないよう、空き地との境の弊社側に控壁こそあるが鉄筋も入れていないコンクリートブロックを5段ほど積んだ簡易的な擁壁を作った。

    もとより耐圧性などあるわけもなく、単に境界線という意味での擁壁だ。

  最近、その空き地に盛り土が行われたのだが、大雨が降った時に盛り土が水を含んだからだと思うが、50年前に作製したこの簡易擁壁がその圧力に耐えきれず、弊社工場に倒れこんで来た。

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