引き金は誠心誠意

 車検を受けてからエンジンの調子が悪くなったという苦情。

    このいいまわしをする苦情は良くある。

    しかしこの苦情は少し違った。

 カタログデータ上、6500rpmで180km/hの時にリミッターが効いてフューエルカットするものが、4000rpmでフューエルカットが働き、速度も160km/hしか出ない、というもの。

  たくさんのツッコミは棚の上に上げといて(笑)

 ユーザーの訴える事象を確認するためとはいえ、実走するわけにもいかない。
 ということは、ユーザーの訴えが、事実かどうかすらわからないし、現実の使用範囲を逸脱している訴えなので不当要求ともいえる。

 それでも販売店はECUの他、関係しそうな各種部品を交換。
    保証延長手続きをしていた関係でエンジンのオーバーホールもしたという。

    検査のあとの2年間、ずっと症状は出ていた(という)のでユーザーは改善を要求し続けてきたそうだ。

    保証延長の期間が切れることもあり、不安に思ったユーザーは担当者に聞いたところ、「保証期間は過ぎても苦情は聞いていたので対応する」と言ってくれたそうで一安心した、のもつかの間。その担当者がこの直後に異動した。
 引き継いだ担当者は「その件は承知している」と言ってくれたが何の対応もしない。

     何度言っても動かないので業を煮やし、仕方なく本社に苦情を持ちこんだ、という。

 すると‟本社の偉い人”が電話に出て「そのクルマは正常」といって電話を切ろうとした。

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そういう話を聞いて説明する仕事です。時々脱線することもありますがあくまでも第三者。巻き込まれないよう、予防の一助となれば。 ※本稿は、実例…

マイナーですが必要な方も多い情報なので事業者には好評です。ただ、内容はあくまでも参考程度にお願いします。時々講演会にも呼ばれますので購入代金はその際の交通費の『サポート』に使わせていただきます。よろしくお願いいたします。