見出し画像

第62期彗星決定戦予選 振り返り

先日、連珠の彗星決定戦予選があり参加してきました。その振り返りを書いていきたいと思います。

大会前準備について

 彗星戦決定戦は連珠の低段者以下が参加できる大会で例年9月に予選が、10月に決勝が行われます。決勝に進める人数は6人 (参加者が少ないと4人)であり、前年優勝者と4月に行われる新鋭棋士戦の優勝者がシードとなっており、予選免除となっております。今回は前年優勝者が五段に昇格し、低段を卒業したため、シードは1枠であり予選を勝ち抜けできるのは5人でした。私はこれまで2回彗星決定戦予選に参加しておりますが、いずれも予選落ち。特に昨年は最終戦に勝てば決勝進出と状況で、局面も必勝形を築きながらも逆転負けを食らいました。そんなわけで今年は予選を何としても突破したいと思っていました。しかしながらそういう気持ちがありながらも連珠の勉強は捗らず、ゴモクエをだらだらやる程度でした。しおちゃれのレートは高水準で安定してきたものの、序盤知識の準備不足を痛感しており、さらに大会直前の3連休はA級リーグの運営に携わっており、体力的にも厳しく披露していました。なんとか前日の夜と当日の朝に知識を多少入れて大会に参加しました。当日は緊張からか、睡眠時間が3時間半程度しかとれずそれも不安要素でした。念のためレッドブルを持参していきました。

一局目

 一局目は級位者の方と当たりました。初戦は流れに乗るために勝ちたいところでした。提示番であったので、よく打つ明星を提示。相手が瑞星共通形で4題を提示してきました。ここで白番を選択し、16手目までよくある4題目の進行となりました。相手の17手目が定石から外れたため、少考。相手に早い攻めがなさそうだったので仕掛けていき、最終的には禁手勝ちでした。大会の入りとして重要な初戦を勝利することができ一安心でした。

2局目


 2局目は田中四段との対決でした。田中四段とは公式戦、ネット対局で何度も当たっており、公式戦は全敗、ネット対局では勝率2割未満とかなり分が悪い相手でした。苦戦が予想された相手ですが、ここで満局以上を取れると決勝進出へ大きな一歩になるため気合を入れていきました。今回も明星を提示しました。私が白番で14手目までは1局目と同様の進行となりましたが、15手目で相手が変化。見慣れない形となりました。この15手目はネット対局で田中四段の一度打たれており、過去の薄い記憶をたどり考えました。ネット対局の時は左下で白が攻めていったところ特につながらず負けた思い出がよみがえり、16手目ではいったん相手の攻めを受けました。その後は相手の攻めに気を付けながら、こちらも攻める手を見せながらうち進めて、満局はとれそうな状況となりました。50手目以降は少し怪しい進行でしたが、最終的に71手で満局となりました。まずまず打てた感じの内容となり、とりあえず負けにならなかったことに安堵しました。

三局目

 3局目は岡田初段との対局でした。岡田初段とは昨年のあすなろ杯で1、2フィニッシュをした仲であり、初段入段の同期になります。今回は相手の提示番であり、丘月が提示されました。丘月に関して余り対策をできていなかったため、本来であれば白4を私が打ち、斜丘月共通形にするつもりでした。しかしながら、何を思ったかその時は色を選びたいなという欲が出てきて、多分岡田さんは斜丘月にするだろうという淡い期待を抱いてしまい、相手に白4を打たせました。そしたら、見慣れぬ白4が出てきて戸惑いました。さらに5題を提示されましたが、かすかな記憶でこの形は4題黒必勝、5題白必勝ということが思い出されたので、相手に黒5を打たせました。この時に事件が起こりました。黒5を打つ際に連珠では対称形においてはならないというルールがあり、仮に対称形に置いた場合は相手に指摘して再度別の所に打たせることが可能です。今回、対称形に置かれてしまい、5題提示なのに全て必勝という状況になり、さらに私は対称形であることを全く指摘せずに、あーでもないこーでもないと考えていました。5題なので白有利があるはずなのになぁ、おかしいなと思いながらうち進め、10数手で負けの予感を確信しながらも、なんとかごまかしながらうち進め、何度ももう終わったと思わされましたが最後は相手の一瞬のスキをついて勝つことができました。これで2勝1分となり、決勝進出に大きく前進しました。例年彗星予選は、2勝2敗だと決勝進出プレーオフに進むというのが相場であり、2勝1分けは8割がた決勝進出が決まったものでした。もしこの一局に負けていたら、次の試合はかなり状況が追い込まれることとなり、ここで勝ちを拾えたのはとても大きかったです。

4局目

  4局目は成長著しい小学生との対局でした。相手は詰みの能力が高く、今大会もその力を発揮して、1局目、2局目で大人を破り旋風を起こしていました。なので、終盤勝負には持っていきたくなく序盤知識で対決する作戦を選びました。相手が山月を提示してきたので、序盤知識が生かせそうな白4を選択し3題を提示。相手が黒5を置きましたが、弱そうな手があったので選択しうち進めたところ、勝つことがてきました。3局目が非常に心臓に悪かったので、4局目はゆとりをもって勝てたのは良かったです。これで3勝1分となり、全体2位で決勝進出を決めました。

まとめ

 山あり谷ありでしたが、3度目の挑戦で初めて決勝にコマを進めることができました。決勝進出者はいずれも手ごわい相手なので、力を発揮できるように準備をしたいと思います。最近、連珠のモチベーションが落ちている状況でした。勉強に苦しさを多少感じることや他のボードゲームへの興味、仕事のスキルアップや人生について考えることなど要因はいろいろあります。そういう中ですが、今回決勝というチャンスが与えられたので、そこを目標に頑張りたいと思います。こういう機会もなかなかないですし、最初で最後の彗星決定戦決勝になるかもしれませんので、悔いなく挑みたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?