連珠スポンサー集めの私見

2021年11月に日本連珠社がスポンサー募集を開始した。
それについて色々と思うことがあったので書いていきたいと思います。

特別協賛100万円って高くないか?

今回のスポンサー募集の概要が下記であるが、目につくのは全日本連珠選手権の特別協賛。何と100万円かかる。スポンサー費用額からみれば100万円」というのは別によくある話だが、今回の話は連珠だ。アマチュアかつマイナー競技、世間の注目は著しく低い。そんな中でスポンサー費用100万円を出す企業はいるのだろうか。しかも料金設定が厳しいと思うのは、単なる協賛10万円と10倍も金額が異なるからだ。特別協賛だと大会名の冠を用いることができる。しかしこれがどれだけの意味を持つのだろうか。連珠の珠王戦の参加者は多くても30名ほど。連珠社の会員数は200名以下。マスメディアは取り上げないし、連珠を追っているファンも多くはない。そんな中で大会名の冠に「90万円」の価値はあるのだろうか。はなはだ疑問である。

スポンサー募集


ちはやふる小倉山杯に見る料金設定

ここでひとつ他の競技のスポンサー費用を見ていきましょう。
第3回ちはやふる小倉山杯の協賛に関する資料が下記になります。
(詳細はこちら
 https://drive.google.com/file/d/1sdP5kytkwQCwg4KJXp4NKDoL5tMTm_3J/view)
ちはやふる小倉山杯は競技かるたの大会です。競技かるたは近年「ちはやふる」で注目が集まっています。競技人口1万人で、老若男女が親しんでいます。プロの世界はなくアマチュア競技なのでその点は連珠と共通です。運営の問題などは競技かるたの世界を様々抱えており、連珠と共通です。そんなかるた会の大会が設定した協賛費用は下記になります。50万円、20万円、10万円、5万円、1万円となっております。20万円以上では大会が配信されるYoutubeでCMを流せます (視聴者数は推定2000人) 。50万円のプラチナプランでは大会名の冠はないものの、いくつも特典があり、連珠の特別協賛にも参考になります。この金額設定を見ると、競技かるた会において連珠の特別協賛に近いものが50万円であることを踏まえると、競技人口やメディアにの露出回数が少ない連珠も高くても50万円ぐらいの料金設定になるのではないでしょうか。

小倉山杯スポンサー募集

個人スポンサーをより集めるために

上記の小倉山杯であるが、プラチナプランを申し込む企業はいなかった。こうしたことを踏まえると特別協賛100万円を申し込む企業を探すのは至難の業ではないだろうか。私は普段の業務でスポーツ団体にスポンサーをするお仕事をしているが、上司などからつねに費用対効果を説明するように言われてるため、このようなアマチュア競技での高い支出というのは難しいという実感を併せ持っている。
こうした事情を踏まえると、企業より連珠を応援している個人に着目したほうが良いかもしれない。連珠のスポンサーは企業・個人を問わないが、「大会名の冠」などの項目があることを踏まえると、企業を主な対象としていると考えられる。しかし、企業では組織の様々な障壁を超えないと協賛への稟議は下りない一方、個人スポンサーはその個人が納得さえすれば容易に動ける。そこで提案するのは、個人スポンサーを集めるための特別プランを新たに設定したらいかがだろうか。
全日本連珠選手権では協賛1口に10万円はかかるが、個人スポンサー向けに1万円プランや3万円プランなどを設定するのはどうだろうか。大会HPにスポンサーとして名前を掲載したり、中村名人のサインブックプレゼント、連珠家とのオンライン交流会などの特典をつけるのはいかがだろうか。

スポンサー集めより大事な種まき

本稿はスポンサーに関することをつらつら書いてきたが、スポンサー集めは最優先事項かと問われるとそうでもないと考える。もちろん企業や個人から金銭的なサポートを受けることは財政的な基盤の強化になり連珠社にとって大きなメリットだ。しかしながらより大切なのは、連珠で遊んでみたいというプレイヤーの数を増やすことである (ガチ層でもライト層でも) 。そもそも遊んでみたいという人がいなければ、連珠のというものは認知されないし、ゆくゆくはスポンサーをしたい企業も個人も出てこないであろう。そのためにはスポンサーを集めるために、まずは連珠社が他競技をスポンサーするのではどうだろうか。類似のアマチュア頭脳競技団体に協賛し、それらの団体と金銭的、人的交流をし、業界内の知名度を高めていく。結果的に連珠への関心を高めることにつながるのではないだろうか。他団体とパイプがあればそうしたことを期待してスポンサーする企業も現れてくるかもしれない。
(競技かるたの普及に向けて以前に類似の指摘をしたのでよければ読んでください)https://note.com/cartaresearcher/n/n41855f202e44
スポンサー集めも大事だが、それにつながるような競技人口拡大も急務。そうした取り組み策を続けるほかないのであろう。

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