中京記念 2020 出走予定馬:エントシャイデン&川須騎手想定

第68回 中京記念(GIII)出走予定馬展望

日程:2020年7月19日(日)
コース:中京芝1600m

予想用・出走予定馬一覧

中京記念2020の予想用・出走予定馬一覧

エントシャイデン(川須騎手想定)

 前走の安土城ステークスでは中団内から鮮やかに伸びて勝利を収めたエントシャイデンが中京記念に出走予定だ。今年の春は六甲ステークスから安定した走りを見せていたが重賞の壁は厚く、京王杯スプリングカップは9着までだった。今回こそはこの大いなる壁を打ち破れるか。

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 タイプ的にはここでは嫌いたい馬になる。阪神マイルだとこの馬の持ち味であるギアチェンジ面はそんなに求められないだろうというのと、タフな馬場で流れた中でのパフォーマンスというのもちょっと物足りない。

安土城S(L)1着

京都芝外1400m良 17頭2枠4番
1:21.3 35.0-34.7 M
12.1 - 11.2 - 11.7 - 11.6 - 11.7 - 10.9 - 12.1

 前走の安土城Sはこの馬らしい良さが出た一戦だったと思う。ペースこそ平均で流れていたが中盤が遅く緩んでいた。そこからL2で10.9と一気にトップスピードを求められるような感じになり、ギアチェンジ戦となったのが大きかった。

 4番枠から五分のスタートだが二の足が遅く押しつつも後方に一旦下がる感じ。そこから中団内のスペースまで押し上げていきながらアンコールプリュの後ろでスペースを確保しつつ3角。3~4角でも中団の内内で我慢しながら直線。序盤で進路を外に誘導してここでワンテンポ置かれかけるが徐々に対応して好位列まで来ると、L1で外から一気に鋭く伸びて捕え切った。

 まあL1で前が12.1と大きく落としていたのはあるが、それでも最後の伸びは目立った。ギアチェンジが求められたところで外への誘導となり進路確保で後手を踏んだ分だけ置かれた印象だが、それでもL2地点で食らいつけていた。個人的にはこの馬は直線で加速の形になったほうが良い馬だと思うし、その点でもこの一戦は噛み合ったかな。中盤で緩んだことと直線勝負で加速してというのがこの馬の適性的にフィットしていたという印象。

六甲S(L)3着

阪神芝外1600m稍 13頭6枠9番
1:34.6(+0.5) 46.9-47.2 M
12.4 - 10.8 - 11.7 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 11.3 - 12.4

 4走前の六甲Sは難しい競馬になったかなという印象。稍重でペースも平均で流れていたが中盤では落ち着いたしL2最速と本仕掛けは遅めだった。ここで後方から3~4角外という形にはなったが…。

 五分のスタート、そこから様子を見ながらだが出足はいまいちで促しつつも結局後方からとなる。道中も前が比較的ペースを作ってきた中で後方馬群の中目から下げながら3角では後方2番手。3~4角で後方外から押し上げながら直線。L2最速の地点で外かしぶとく反応して前3頭を唯一追いかける立場。しかしL1では伸びが鈍化すると最後は内からキョウヘイの追撃を受ける立場で3着をクビ差で守った。

 この辺がエントシャイデンの弱点というか、加速していく過程では良いんだけど、減速基調が来ると甘くなってしまうところがある。スローでトップスピードの質も高めてくる馬だが、ここまで全体でそれなりに流れると当然そこまで速いラップを踏めないし、減速も早くなってしまう。L2では良い感じでL1が甘いというのはその辺も大きいかな。ここでは外を回していたのでそれはロスとしてはあったんだけど、3~4角ではまだ11秒台後半だったからそこまで痛くはなかったと思うし、あれでL1甘いとなると…というところ。

谷川岳S(L)2着

新潟芝外1600m良 16頭4枠7番
1:33.5(+0.0) 47.7-45.8 S^2
12.5 - 11.0 - 12.1 - 12.1 - 12.0 - 11.1 - 11.1 - 11.6

 3走前の谷川岳Sが個人的なイメージとしてはエントシャイデンの良さが出た一戦かな。勝ち切れなかったけど、ペースが2秒近く遅い流れの中で後半は速いラップを求められていて、トップスピード戦だし12.0-11.1とL4-3ではあるがしっかりと加速が求められていると。

 7番枠からまずまずのスタート、そこから軽く促しつつだが序盤はそこまで前には行けず、結局中団の中目ぐらいで3角に。3~4角でも中団中目で包まれた状態で直線へ。序盤で追い出しを待ちつつだが進路確保し切れずとりあえず追っている状況。L2で進路がない中で待たされてから外に誘導して2列目、L1でそこからアストラエンブレムとの差を詰めてのアタマ差の2着。

 直線までの進路取りのイメージがどうしても作れなかったので、L2でスペースが無くて待ちながら外、という競馬になった。ただ加速過程となった直線前半から割とスムーズに加速についていけていたし、ラストまでしぶとく脚を使ってきたのは好感やね。それと、この馬の良いところはスローならばしっかりと末脚の絶対量を質量ともに高めてきているという点にあると思う。トップスピード戦になればギアチェンジも持っているし質も高く、持続力も良い。逆にそうでなければ良さが少し削がれている所はあるので今回は条件がカギだろう。

中京記念2020への展望

 スローでのトップスピード戦、しかもギアチェンジを求められつつトップスピード戦での3要素が求められるような形なら重賞でも通用する可能性はある。ただし、やはりこの馬はそれ以外の条件ではどうしても持ち味である後半の末脚が引き出し切れていないと思う。例えば六甲Sでは稍重で平均で流れてしまうと一瞬しか伸びかけないし、減速過程で甘くなるのも早い。もっと言えば5走前の東風Sが45.5-48.6と超ハイで追走もできなかったしバテ差しもなくジリジリ。基本的に有酸素運動を好む馬ではないと思っているので、今の阪神の馬場でトロワゼトワルが引っ張る流れ、と考えれば基本的には消したい一頭。

 ただし、仮に前の馬が牽制しあってスローでのトップスピード戦にまでなってしまえば、トップスピードの持続力は結構高いのでこのメンバー構成なら実はトップレベル。スローに振れるという読みがある、また馬場もそこまで悪化しないという前提で考えるなら十分戦える。今回は適性的に消したい馬だけど、個人的にはどこかで噛み合えばいい仕事ができる馬だと思うので、今後に向けての警戒は必要かな。今回は消す予定。


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