鳴尾記念 2020 出走予定馬:サトノルークス&武豊騎手想定

第73回 鳴尾記念(GIII)出走予定馬展望

日程:2020年6月6日(土)
コース:阪神芝内2000m

予想用・出走予定馬一覧

鳴尾記念2020の予想用・出走予定馬一覧

サトノルークス(武豊騎手想定)

 昨年秋に台頭、セントライト記念2着から菊花賞も2着と結果を残したサトノルークスが武豊との新コンビで鳴尾記念に出走予定だ。今年初戦が少し遅くなったがまずここで良いスタートを切って、秋の大一番を見据えたい。

※この記事はnote,ブログ無料公開対象です

 ん~難しいところだけど、今のところ後半は明確にポテンシャル戦で良さが出ているというのが一つ。それと、春と秋で別馬の可能性も考える必要はあるが、皐月賞にせよダービーにせよ、超高速馬場で流れたケースで内容が無かったのは気になるところやね。もちろん6月阪神の馬場次第ではあるが、出来れば標準馬場ぐらいで収まってほしいタイプだと思う。軽いとロングスプリントでも質的にどうか?という感じはするけどね。

セントライト記念(GII)2着

中山芝外2200m重 18頭1枠2番
2:11.8(+0.3) 59.8-59.8 M
12.5 - 11.0 - 12.1 - 12.2 - 12.0 - 11.9 - 12.0 - 11.9 - 11.9 - 12.0 - 12.0

 2走前のセントライト記念から振り返りたい。この時は重馬場でもそこまで馬場が重かったというほどではなく標準馬場ぐらい。前が淡々とペースを作ってハロン12を維持し続ける競馬となっている。その中でこの馬は中団の内目で上手く立ち回ってL1までしぶとく伸び続けて2着を拾ってきた。

 2番枠から好発を決めていてそこから外目に誘導しつつも外の各馬が一気に切ってきてポジションダウンしつつ好位の内に閉じ込められる形になる。道中も淡々とした流れだが、内でじっと我慢、前にザダルを置いて中団の内目ぐらいで3角へ。3~4角でザダルの外に誘導して好位3列目の一つ外、4角でも進路がない状況で直線となる。序盤で狭いところを無理やりこじ開ける感じで2列目付近。L1で内から抜け出そうとするザダルの外からしぶとく伸びてクビ差で2着を確保した。

 リオンリオンには内容的に完敗だが、好位~中団の内目ぐらいで進めながらしっかりと最後まで伸びてきたのは好感。後半のポテンシャル面はそこそこいいものを見せてきていると。ただ、言うまでもないがここは前半の基礎スピード面もバランス的に要求されているし、終始淡々とした流れなのでギアとしては完全に有酸素運動状態のポテンシャル面のみだったと思う。これが例えばスローで余力があってもう一段上のロングスプリントが求められたときにどうなのか?というのは考えないといけないかな。

菊花賞(GI)2着

京都芝外3000m良 18頭7枠14番
3:06.0(+0.0) 62.4-63.9(FA12.78)-60.7 S^2
12.9 - 12.4 - 12.3 - 12.6 - 12.2 - 12.2 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 12.5 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.4

 前走の菊花賞では後半のポテンシャル戦という流れの中でしっかりと外から正攻法で伸びてきた。この感じからも個人的には正統派のステイヤーっぽい感じはするんだよね。ペースは前中盤で見てもスロー、そこからの後半4F戦でL2最速でも11.8という程度。4Fのポテンシャル戦と言って良いだろう。良でも力の要る馬場だったとはいえ、少し時計的には物足りない面もあったが。

 14番枠から五分のスタート、そこから軽く促しながらだがあまり前には行けず序盤は中団ぐらいで進めていく。そのまま中団外目で進めてレッドジェニアルの後ろぐらいで様子を見ながら進めていく。向こう正面でも中団の外目で進めながらだが外からタガノディアマンテが上がってきたが、それを行かせて仕掛けを待つ。3~4角で中団の外目からタガノの後ろを取ってじわっと追走して好位列で直線。序盤で外から追われてジリジリとした伸び、好位列。L1でそこからぐんと伸びてきてヴェロックスを捕え、一頭だけワールドプレミアとの差を詰めてくるが僅かにクビ差及ばず。

 ここでは外からの競馬になったが個人的には後半のポテンシャル勝負の中で単純なポテンシャルの絶対量というだけで言えばメンバー中で一番だったかなと思う。ワールドプレミアは豊が完璧に乗ってきたし、前半のうちに好位の内と理想的なポジショニングを取れていた。ペースが上がってからの3~4角のロスの多さってのは直結してきたと思うので、長距離戦としての評価にはなるが、菊花賞のメンツの中では一番強い競馬をしているといっても過言ではないと思う。ただ、一方でメロディーレーンやタガノディアマンテ、レッドジェニアルだけでなくヴェロックスまで古馬重賞戦線で苦戦している。もちろんワールドプレミアは有馬記念3着に入ったが、どこまで評価できるか?という問題は出てくるかな。いずれにせよここは長距離的な競馬で良さが出たと思うので今回の距離だと馬場はかなり重要になると思う。

皐月賞(GI)14着

中山芝内2000m良 18頭1枠2番
1:59.7(+1.6) 59.1-59.0 M
12.3 - 10.5 - 12.0 - 11.8 - 12.5 - 12.1 - 12.2 - 11.7 - 11.6 - 11.4

 4走前の皐月賞の内容が物足りない。この時は超高速馬場でペースも平均だが中盤で少し息が入っている。そこから再上位勢はL1までレースラップを加速させるという流れ。ここで全く競馬にならなかった。

 2番枠からまずまずのスタートを切っていたが二の足が遅く押しつつも徐々に下がって中団となる。道中もそこから終始手が動き気味なのだがポジションダウンしながら後方に下がっていたが3角手前で悩みつつも中団馬群の外目を追走するが窮屈になって最後方付近まで下がる。そのまま直線で追われても良いところなく14着惨敗。

 まあ3~4角で外外になったしここで窮屈な感じだったのは痛かったが、それでも直線ではスペースが十分にあったし追われていた中で全く伸びなかったからね。これはやはり難しいかなという感じ。超高速馬場で質的に基礎スピードも求められた形になったが、ここでゲートが良くても二の足で苦労してそのままポジションダウンしてという感じになってしまった。またL1までいいところもなかったし高速馬場だと後半の質的にも難しいというのはある。ちょっと運が必要かな。

鳴尾記念2020への展望

 難しいところだけど、出来れば適度に時計が掛かる中でスローでいい位置を取ってそのまま前目で収めたい。すみれSでも完勝だったとはいえドスローの段階で番手をキープできたことが大きい。12.5 - 11.9 - 11.5 - 10.9 - 12.1のラップ推移で一足をそれなりに鋭く使ってL2で先頭に立てているしこういう競馬もできるがやはり前半はスローのほうが良いのは確かかな。この距離だと流れてしまうと位置が下がってしまう。

 また高速馬場だと仮に59秒台後半で入ったとしても恐らく後半も59秒前後でまとめてくるからね。そうなるとこの馬としては位置取りも微妙になって3~4角で前が加速する流れで後ろから追いかける羽目になる。皐月賞で追走に苦労から3~4角で包まれて直線加速で置かれてという流れだとちょっと難しいかなという感じ。菊花賞を見ても長距離的な競馬で戦えればこの世代でもトップレベルかなと思っているけど、この世代の長距離路線は微妙な面もある。現時点ではあまり高く評価しすぎないほうが良いかな。少なくとも2000は本質的には短いと思うので、雨が降るとか開幕週でも時計が標準ぐらいで収まるとか、そういった状況は必要だと思う。現時点ではまだ何ともだが重い印は打ちたくないかな。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?