【※無料公開対象】マイラーズカップ 2022 出走予定馬:カラテ&菅原明騎手想定

第53回 マイラーズカップ(GII)出走予定馬展望

日程:2022年4月24日(日)
コース:阪神芝外1600m

カラテ(菅原明騎手想定)

 今年は3戦すべて馬券に絡む安定感を見せているカラテがマイラーズカップに出走予定だ。前走の中山記念でも2着と1800m戦に目途を立ててきたが再びのマイル。初の関西圏への輸送も課題だが、この距離で再度重賞制覇を果たして安田記念を目指せるか。

※この記事はnote,ブログ無料公開対象です。

 正直言って高いレベルではマイルだと前半の基礎スピードの質的に、スローなら後半のトップスピードの質的にちょっと苦労するかなというのは昨年の安田記念で見せたところだと思う。バランス的には流れても対応できるけど、高いレベルだと前走の中山記念ぐらいの条件の方が戦いやすそうかな。先週もまた馬場が高速化しつつあったし、パンパンの良馬場でとなると…やね。パフォーマンス的には最上位だけど、そこがポイントかな。

ニューイヤーS(L)1着

中山芝外1600m良 16頭4枠7番
風向き:南南西1.3m/s(船橋市15:40)
1:33.4 46.6-46.8 M
12.6 - 11.2 - 11.3 - 11.5 - 11.4 - 11.5 - 11.4 - 12.5

 3走前のニューイヤーS勝ちから振り返りたい。中山のマイル戦でペースは平均。道中も淡々として11秒台半ばを維持し続ける中で中団外からしぶとくロングスプリントを維持して差し込んできたという感じかな。平均だが46-46レベルで質をそこまで求められなかったし、後半も最速で11.4という程度だからね。その中で58kgを背負って何とか差し切った。

 7番枠からまずまずのスタート、そこから押しながら追走していたが、やはりそこまで前には入れずに中団ぐらいでの競馬となる。道中も淡々と前が引っ張って比較的縦長の流れで中団の外目、少し手が動いて追走しながら3角。3角でもまだまだ淡々とという流れで中団馬群の後ろで少しスペースを保って手が動く、4角でスペースを詰めつつ外目を通して出口で外。中団から直線序盤で左手前に換えてジリジリ。L1の坂の登りでも左手前で最後まで伸びて、グランデマーレらをクビ差で綺麗にバテ差し捕え切った。

 正直直線入りの段階では届かんかな、と思っていたんだけど。そこからL1で前も12.5と顕著に減速した中で見事にバテ差しを決め込んだと。コーナーではまだ速いラップを維持していたしそこで外目を通していたのでロスも結構あった。それでもそこで仕掛けて出し切ってロングスプリントのギアに入れつつL1で減速をとどめて他が甘くなったところで突っ込んできたなと。まあこれを見てもやはり本質的に高いレベルでマイルだとちょっと忙しいかなというのは感じる部分ではある。ただ右回りでコーナー地点が長い中山外回りのマイルで終始淡々と、という流れで右手前で脚を使っても最後まで伸びてきていたし、右手前でのコーナリングでの不安そのものはそこまで無いかな。

東京新聞杯(GIII)3着

東京芝1600m良 15頭5枠9番
風向き:北東1.2m/s(府中市15:50)
1:32.7(+0.4) 46.4-45.9 M
12.2 - 11.1 - 11.4 - 11.7 - 11.6 - 11.2 - 11.4 - 11.7

 2走前の東京新聞杯では3着と悪くはないがイルーシヴパンサーには完敗。ペースは平均で進んでいて、ラップ的にはL3最速で11.2。中盤の緩みが小さいうえでのロングスプリント戦ではあったが、直線で切れ負けしていたなという感じだった。風は北東からなので3角地点が完全向かい風になる。

 9番枠から出負けして押して追走も苦労、後方からのスタートとなる。そこからしつこく促しながら中団の外目ぐらいまでリカバーして3角。3~4角でも淀みが小さい中で中団の外目で馬群の中、ファインルージュを意識しながら直線で外に誘導する感じ。序盤で右手前、ドナアトラエンテの後ろで進めるがジリジリ。L2で左手前に換えてここで外からジリジリ3列目までくる。L1で更にジリジリと伸びてファインルージュとの差もクビ差まで詰めての3着。

 ここはイルーシヴパンサーが手ごわかったとは思うし少なくともトップスピードの質で明確に見劣っていた。それと気になったのは直線で右手前でL3最速地点を走っていたんだが、ここであまり動けなかった。単なる切れ負けともいえるけど、そこからL2以降で左手前に戻してからラストまで差し込んできた形になる。正直3~4角のコーナリングでそこまで緩んでない中で外目なのでそこそこ左手前で体力を分散していたと思うんだけど、そこから直線半ば以降左手前でロングスプリントを持続できているので、右回りと左回りだと左の方が合っているかなというのはちょっと感じるところでもある。まあそこまで気にならないけど、この競馬だとロングスプリント性能を求められたし、そこで左手前への依存度が高い。多分突き詰めると東京1800~2000ぐらいでもう少し楽にポジションを取ってロングスプリントを引き出すぐらいの感じの方が良いんじゃないかなと感じるね。マイルだとこの流れでは忙しいうえに、後半型の競馬となってもトップスピードの質で苦労してしまう感じ。前後半ともに質的にというのはこの辺。

中山記念(GII)2着

中山芝内1800m良 16頭6枠11番
風向き:北北西3.6m/s(船橋市15:50)
1:46.8(+0.4) 46.3-48.8 H^2
12.7 - 11.2 - 11.3 - 11.1 - 11.3 - 11.5 - 11.6 - 12.2 - 13.5

 前走の中山記念2着が強かった。結果的にパンサラッサの逃げ切りを許したけど、相手がドバイターフの覇者になったわけでね。ペースはかなりのハイ、ラップ的には淀みなくというのをパンサラッサが刻み切ったが、中団で進めてアドマイヤハダルを競り落としての2着と強さを見せた。風は北北西からなので4角地点が完全向かい風となる。

 11番枠から五分のスタート、そこから促しつつ中団の外目で進めていく。道中も前がかなり引っ張るが、そこからは離れた中団の外目で我慢、先に外からアドマイヤハダルが動いて行ったので4角で手が動いて外外から押し上げながら中団列で直線。序盤で左手前に換えてジリジリで3列目。L1の坂の登りでしぶとく外から伸びてきてアドマイヤハダルを捕えてクビ差で2着を確保した。

 ここではかなり難しい形になったとは思うが、終わってみて1800は良いなと感じたかな。ここでも忙しいぐらいだったが、これは坂スタートの中山1800としてはかなり流れたというのもあるからね。その中で中団で前半で脚を使いつつも後半のポテンシャルを3~4角外から引き出してきているということを考えても、距離自体は1800の方が安定するかなというぐらい。ただ、理想を言えば前半ゆったり運んでいい位置を取れる環境が望ましいし、ベストはロングスプリント戦かな。その点ではワンターンの府中1800~2000が面白そうなのと、左手前でのロングスプリントの持続性が高かったというのも踏まえて、かな。

マイラーズカップ2022への展望

 再びマイルに戻るのでそこが最大のポイントかな。これを良しと取るのかどうか。個人的には高速馬場のマイルだとちょっと不安が先に立つ。まず安田記念が惨敗だった。状態面もあるかもしれないが、46.4-45.3とややスローで11.5 - 11.4 - 11.2 - 11.0 - 11.7のラップ推移。後方からになったにせよ直線内から良いところなく何もできなかったからね。この時の府中はそこまで高速というほどでもなく、このレベルなので時計やラップは出たが標準ぐらいだった。質が求められるとちょっとしんどいというのはある。

 今回は相手関係的に見ても阪神外回りで結構鋭くトップスピードの質を引き出してくる馬が多いなというのはあるし、レッドベルオーブやホウオウアマゾンみたいに前半の基礎スピードが求められての加速で良さが出る総合力タイプもいる中で、このメンツだとそこまで前を取るのは楽ではないし、直線で鋭さを求められてどうかは?という感覚かな。パフォーマンス的には最上位だけど、個人的にはやはり今のカラテのベストの距離はマイルより長いところにあると考えた方が良いと思うので、良馬場で高速馬場なら基本的には狙いを下げたいと思っている。押さえるかどうかのラインで。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?