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欅坂の卒業式と入学式——櫻坂46/2nd TOUR 2022 "As You Know?"@東京ドーム

初日『摩擦係数』で本編が終了したとき、ツアーファイナルでもセットリストを固定してきた“強さ”に感動を覚えつつ、じゃあ初日だからアンコールも思寂スタートかなぁと思っていたところの『Overture』。究極のツンデレというか、完全に演出側の勝利。私たちは完全にのせられてしまった。
欅時代は、こんなに足を見せながら踊っていたんだな。懐かしい衣装は、一期生たちにはなんだか違和感があって、逆に初めて身にまとった新二期生には初日も楽日もとても似合っていた。楽曲や衣装には、実年齢と関係なく、対象年齢みたいなものがあるのだろう。

いつのまにか一期生たちはもう「欅坂」を卒業してたんだな。そして、東京ドームは新二期生にとって、やっと「欅坂」になれた入学式なのだ。東京ドームの欅坂パートが決定した時期は不明だが、新二期生たちのモチベーションの大きな核になったことだろう。菅井がいなくなったら、一期生がいなくなったら、もう欅坂は消えてしまうのではという危惧は消えて、いつまでも欅の遺伝子は残り続けるのだ。それが菅井友香の残したものだとしたら——。
現地参戦していたらしい櫻ネイティブの三期生たちには、どのように受け継がれるだろう。BACKS LIVEで3期生がしれっと欅曲やったりとか。

『10月のプールに飛び込んだ』は、いわば“躓きの石”だった。欅坂9thシングルとなるはずだった本曲で選抜制が導入されたことが崩壊の一番の原因だと考えている。本来なら『砂塵』とともに欅第二章のはじまりともいえる曲だった。
あの頃の心情について、尾関がW-KEYAKI FES 2022のインタビュー映像やラジオなど語っていたが、当時選抜から外れてしまったメンバーたちも過去の思い出として折り合いがついてきたのだろう。小池、齋藤、山﨑にとってもやっと忘れ物を取り戻せたかもしれない。

あくまで私が見た印象だが、『不協和音』が爽快感すらあったのは、菅井や尾関、原田の卒業を控えたころのメンバー思い出話で、何度か「KEYAKI HOUSE」が話題になったせいもあり、あの水中不協和音が脳裏にあったからかもしれない。『砂塵』後半でハメをはずしてはしゃぐ彼女たちを見て、服を着たままプールに飛び込んだあの記憶を二期生含めたみんなで追体験したい思いがあったのかなと思う。

『砂塵』は、改めていい曲だな。もともとバンドサウンドのアレンジなので、どこかのバンドの曲としても全然違和感ない。逆にこんな曲をやれるのも欅坂・櫻坂の魅力であり、強みだ。

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