日本で困っている事

日本に住んでから困っている事の一つが、私が日常に行動できる距離の範囲に、信頼できる腕の良い、洗う・直すのプロが居ないことである。
例えば、靴の修理の看板を掲げる店は多いけれど、ファストフード的な“簡単な”修理はするがそれ以外は出来ないとか、
職人を語ってはいても、話を聞くと知識的にも技術的にもいまいち頼りなく、愛着のある物をその手に任せようとは到底思えない。
靴に限らずクリーニング店、カバン・時計・家具の修理… 
慎重に選んだクリーニング店でお気に入りのコートをガビガビにされたし、
職人を謳う靴の修理師(自分で修理師って名乗ってた)にブーツを傷つけられ、
時計の電池交換と掃除を頼んで何万円も払ったのに汚れは落ちていなかった。

その点、フランスでは任せられる店が分野ごとに2件は近所にあった。

だから日本では、
高いお金を出して質の良いものを買おうと思わなくなった。自分で直したり、家で手入れ出来ないものは怖くて買えない。

私は良い物を修理しながら、ツギハギしながら長く使いたいタイプなのだけど、日本では一度壊れたら直してもらえる所がないのだ。

だからフランスから持ってきたお気に入りたちも、出番が減ってしまった。

最近は古着とよくある量販店の、家で洗える服しか着ていない。
その理由はもう一つあって、
日本ではおしゃれして行くところが無いから。
“流行りの格好“をして“流行りのカフェ“に行くことはあっても、
おめかしをして行く場所がない。

“流行りの格好”をするだけなら、古着屋さんの服やショッピングモールの量販店の服で十分過ぎるくらいだ。

しかも、そのおしゃれな空間へ辿り着くまでに、薄汚い混雑した駅や地下道を通らなくてはいけないので、ほんの少し潔癖の入っている私には、家に帰ってきてじゃぶじゃぶ洗える服でないと…と思ってしまう。

ただ、量販店の服や靴は壊れやすい物もあって、手入れをしていても10年もたないのが悩みどころ。
日本でも「サスティナブル」って言葉が流行っているけど。サスティナブルな商品がたくさんの売られているけれど。それらは何年使えるのだろうか?壊れたら近所で修理できるの? 





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