ツクルバの位置するステージの若さはIPOの中でも異彩を放つ

7/31に上場するツクルバを見ていきます。

リノベ物件の売買に伴う仲介手数料がベースの会社です。
あつかう物件は5,000万円前後が多いようで、自社でリノベデザインし、自社のポータルに掲載し、エージェントがクローズするモデルです。
17年までは大規模な先行投資を行わず淡々と成長してきた印象で、18年7月期に『一気に』採用・広告・アプリ投入と先行投資を敢行し、それは見事に結実して直近3QまでQを追うごとにぐんぐん伸びています。
IPO銘柄のなかでも極めて『若い』ステージにあるほうで、ゆえに成長性に対する魅力は高く、一方でトラックレコードがほぼ無いため、数字の分析だけでなく今の成長が続くか否か、定性的な判断も重要という印象です。

■経営指標の評価

粗利の推移を見ると『シェアリングオフィス事業』は今のところほとんど変わっていないので、本稿では『cowcamo事業』だけを分析します。

『cowcamo事業』を見るとき、今年は原則やらない「物件の自己仕入→販売」を顧客の依頼により高額でおこなった例があるようなので、売上高は見ずに粗利の推移だけを見ます。

まさにQを追うごとにキレイに伸びています。倍々ゲームです。
水準が低いだけに粗利やGMVだけでは大口取引の影響も考えられるところですが、取引件数を見るとそうではないようです。

次にコストを見ます。『cowcamo事業』においては前期がほぼ売上イコール粗利となっているので、販管費を見ます。

これは前期と2期前で、前期に一気にエンジンを吹かしています。
2期前の広告宣伝費/粗利率は25%程度だったので、巡航速度での成長ステージに入ればその率は20%程度でよい事業かもしれません。
人件費については、一人当たりの粗利を見ると今期は前期に比べて大幅に改善しているので、おそらくエージェントの採用を先に済ませたあとで掲載物件を増やしていったのだと考えられます。(逆だと、問い合わせに対応できないので)

事業特性から、巡航速度での成長ステージに入ったとしても売上拡大と同じペースでの増員が必要なはずですが、その負担率は平均給与(30歳460万円)や人数を見ると粗利に対して経常的にそう高くはないはずです。

倍々ゲームの成長率で、コスト構造を見てもおかしなところはない、という印象です。

■成長が続くか、否か?(優位性の判断)

定性的な評価です。
物件価格はそれぞれのプロフィールに対してプレミアムが載っている印象で、それで売れるのなら拡大に必要な売主の確保は比較的容易ではと感じます。
また、ユーザー目線でUIが極めて優れています。
同社の物件掲載内容を見ると、デザイン◎、地名の印象◎、面積と築年数は△、という物件をメインで揃えています。
そう書くと単なるトレードオフになってしまいますが、デザインの強さは中古不動産においてかなりの優位性であり、「自分はいいところに住むんだ」と思わせてくれるようなイメージです。
今後の拡大余地についても、まずは上記のような物件に特化することで今後「ブランドイメージ」がついてくれば、より幅広い立地への展開もスムーズにできるはずです。

■株式の需給

上場時に流通する220万株の総額は想定価格2,050円で45億円、マザーズとしてはそこそこ大きな規模です。
また、売出株放出元、主な既存株主は以下の通りです。

概ね、1.5倍か10/28でLU解除されます。
その数は経営陣などを除いて概ね100万株あります。
1.5倍解除となる場合には想定価格ベースでも流通金額が98億円程度になる計算ですので、それなりに機関投資家が入らないと重くなりやすい規模です。

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小型株、いまはとりわけグロース株の評価を業績面から行い、見た目のPERではわからない「成長性に鑑みて割安な銘柄」の発掘を目指しています。IPOセカンダリーなど。

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