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6月22日 みぞか号に乗る!

随分と前振りが長くなりましたね。申し訳ないです。おばさんというのは勿体ぶりが長いのですよ。嫌がらずにしばしお付き合いくださいね。

この日の朝、福岡地方の天気は、雲が多めながらも多少の晴れ間も見える天気。前日は時々雨模様だった事を考えれば上等です。同窓会の会場で22日は48人乗りのプロペラ機で天草入りをして観光だというと、「わ~揺れるよー大丈夫?」とか「プロペラとかこわかねー」とかいう声多かったですよ。でも一人だけ「晴れてたら、下の景色もよく見えて天草五橋も見えていいよね。昔はみんなYS11だったんだから、むしろ安全だよ」と、言ってくれた友達がいましたね。私がYS11に乗ったのは遥か昔幼き頃、壱岐空港に行ったときでした。それ以来のプロペラ機です。

8:50の飛行機に乗るため、1時間前の7時50分にホテルをチェックアウト。福岡は空港まで地下鉄があるので、道路渋滞を考える必要がなくて非常に便利です。宿泊は櫛田神社前駅のホテルだったのですが、ちょっと先の中洲川端駅から空港線に乗りました。というのも櫛田神社からは博多駅までしか繋がっていない為、一旦改札を出てエスカレーターで空港線に乗り換える必要があるので、キャリーバッグを転がしてだとちょっと面倒だったので、目の前の櫛田神社駅ではなく、ちょっと歩いて中洲川端駅まで歩きました。。祇園駅も歩いて近くなのですが、よく歩く中洲川端駅に足が向いてしまいました。

福岡空港は空港自体がコンパクトなので、そんなに迷うことはありません。JALカウンターを目指して行き、一番端っこにAMXのカウンターがあります。しかし、私はうっかりそこを見落としてしまい、JALの地上の方に聞いてしまいました。天草空港以外の福岡と伊丹空港ではJALの方が対応してくださいます。そこで、2次元バーコードを見せてと名前を言えば搭乗チケットを出してくれます。

天草エアラインはこのように紙のチケットです

そして、キャリーバッグを預けて保安検査場へ。バスでの案内になるので、空港の端っこの81番搭乗口に向かいます。

搭乗口は81番 一番端っこのブロックです。
当たり前ですがちゃんと天草行きが出ています。

この搭乗口がまた結構な穴場、最高のビューポイントでした。滑走路に向かってカウンター席があるので、そこに座って着陸してくる飛行機を見てられるのですよ。ですから、私もこの席にのんびりと座ってました。8時50分が出発なので、30分は機体整備の時間があると逆算して到着は8時20分、もうすぐ到着するはずと待ってました。

そうすると空に浮かぶ真っ青な可愛いイルカのみぞか号がやってくる!

スマホを持って構えてませんでした!(いつも最後のツメが甘い)おばさんすっかり慌てました。スマホカメラを最大にしてパシャパシャシャッターを押すも、
「どこだどこだ!!みぞかごうーーーーーーー!!オーマイガー!!」

果たして撮れているのか?!

「今日は乗るんだから、ここで写真が撮れなくても大丈夫」
ではないんですよ。当たり前ですが、着陸する瞬間は乗ってる人には撮れない、着陸する瞬間を見ている機外の人しか撮れません。ツイッターとかを見るとみぞか号のファンも多く、飛行中の写真や飛行ルートの説明があってこれが面白いんです。空港の展望デッキや離着陸のポイントで飛行機の離着陸の写真を撮る人の気持ちがわかるような気がします

一気に私の気持ちが大きく興奮状態になったのは、皆様おわかりいただけますよね。7年越しの夢をかなえるのはもうすぐです。30分の機体整備の時間が待ち遠しかったこと。

みぞか号、近くに大きさを比較できる飛行機がなくて残念ですが、可愛い萌え!

時間になると搭乗ゲートからバスに乗って飛行機まで向かいます。この日は2人の子どもさんがいて、バスから見えたみぞか号に
「わーみぞか号だ!!」
と大喜び。おばさんも大喜びですが、さすがに年も年なので心の中で興奮しておきました。

機内に入るにはタラップで上るのですが、小型プロペラ機ですからタラップも当然そんなに段数が無い訳ですが、ジェット機仕様と比べたらちょっとだけ足元注意です。ほら、国の要人の方が海外に行く時映像で見るとしっかりしたタラップでしょう?ジェット機は高さもあるのでそういうつくりなんでしょうが、プロペラ機ですからね、何となく足元が不安定な気がします。上る時より降りる時の最初の一歩を気を付けましたよ。興奮しすぎで楽しむ前に怪我しては笑い話にもなりませんからね。

そしていよいよ、機内に案内されますが、ここでおばさんまた興奮状態!
CAさんが太田昌美さんだったんです!太田さんてどなた??って思いますよね。前出しました鳥海高太朗さんと奥島透さんの本を是非お読みいただければわかりますが、天草エアライン立ち上げ時からの職員の方です。元々はCA希望だったのですが、最初の配属は予約センターの派遣スタッフで採用、その2年後念願のCA配属として配属されました。奥島元社長にいろいろなアイディアや改革プランを打ち出し、倒産寸前だった天草エアラインを立て直した大切な方のお一人なんです。みぞか号にCAさんは1人しか乗務していません。というのも航空法の決まりでは50人以下の飛行機ではCA1名とパイロット2名での運航の決まりだそうです。会社全体でもCAさんは5名しかいないので、2日乗るうちのどちらかに太田さんが乗っているという確率は高いものの、私が勝手に知り合いにしてしまった太田さんが乗務している飛行機に乗りあわせるというのは、マコトに夢のようでした。

思わず
「太田さん、本であなたの事を読んで、太田さんに会いたかったです!」
と手を取って言いたくなるところを、ぐぐぐっと堪えました。この文章を太田さんが読んでくださっているとは思いませんが、快適な30分でした。
ありがとうございました。

赤いシートにヘッドカバーは切り抜きの模様。季節によって変わります。


機内はこんな感じです。もっとパシャパシャと撮りたかったのに、ものすご〜く控えめにしか撮ってません。

赤い革張りのシートの座り心地はなかなかいい

全体の写真はネットで探せば出てくるので、そちらを見ていただくとして、なんだかこの機内はイタリアのジウジアーロという方の設計ということで、かなりおしゃれです。なんたって私が乗ったプロペラ機ってのは半世紀以上前のYS11ですからね。赤の革のシートって結構おしゃれですね。ヘッドレストの不織布のカバーのイラストデザインも可愛いですね。ホントこんな小さなところに遊び心があるのも天草エアラインのよさだと思いますよ。機内の目玉は最前列のお見合いシート。1列目と2列目が向かい合っているという飛行機としては大変珍しい作りになっているのに、私はその座席を搭乗する3回とも選んでなかったという痛恨の選択ミスをしたのでした。なんでだろう?多分初めての人とたとえ30分でも面と向かうのは、やっぱり恥ずかしかった(/ω\)のかなあ。。。とでも、思っておきます。しかも選んだ座席は右と左に分かれるけれども、同じような座席、もっと前方とかもっと後方とか選べばよかったのにねえ。まあ、楽しかったからいいや。そうしましょ。

大型ジェット機のように、「最後のお客様の搭乗案内待ちです」なんてアナウンスも必要ありませんから、全員が着席しベルトを締めるとドアが閉まり出発です。福岡空港も平日で混雑していないので、定時に滑走路へ。

飛行時間はおよそ30分ですが、当たり前ですが離陸前に非常用設備の説明もあります。

プロペラは止まっているように見えますが、回っています。

さあ、離陸です。一生懸命に動くプロペラに感動するおばさんです。このプロペラに命を預け(正確には機長さん副操縦士さんなんですがね)しばし、空の景色を楽しみます。高度が低いので初めての空路、窓の外の景色がめっちゃ楽しかったです。ベルト着用サインが消えない30分だったので写真が撮る事ができなかったのが残念でした。こうなると、やっぱり”写ルンです”を買っておけばよかったとちょっと後悔です。(まだ売ってるのか?写ルンです)

天草空港へは、大牟田から有明海からの八代海を渡って入る

福岡空港を飛び立ったみぞか号は南下します。途中ダムが見えてきたのは南畑ダムでしょうね、そこから大牟田から有明海を横断して八代海から天草上空はあっという間です。天草下島が見えたんですが海から町が見えて、さてさて、空港はどこ?高度は低くなるけど木々は迫ってくるけど、ちっとも空港らしき、いや、滑走路らしきものがみえてこないよううううう。と一瞬不安に思っていると突然小さな滑走路が見えてきました。本当に山の上に小みぞか号だけの小さい滑走路です。

天草の下の方は天気が良くても、滑走路のある山の方は雲がかかっていたり風も強かったりということも多く、手動・目視で着陸を行う天草空港は日本でも屈指の離着陸条件が難しく機長さん泣かせでもあるとか。それだけに機長さんの経験は豊富のようです。最もパイロットスキルが問われるとのことです。勿論他の飛行機会社の機長さんもそうでしょうけれどね。安心して空の旅を楽しむことができました。この日は、揺れもあまりなく快適な30分でした。

これだけ小さい飛行機だと、乗り降りはスムーズです。預けた荷物を飛行機から降ろすのも地上にいる人が運んで持ってきてくれます。当たり前の事ですが、エアライン会社の人みんなが、その時その時で自分たちができる仕事をやっています。当たり前の事と言えばそれまでですが、その当たり前のことが私たち(利用客)に快適な旅をさせてくれるのです。日本一小さなエアラインは小さな力が合わさって大きな力になっているという事を感じることができました。

前方部分に預けた荷物が入る。出し入れは、その場にいる職員で行います。時には、社長さん自ら行うこともあるそう。

預けた荷物を受け取ったら、次は天草ぐるっと周遊バスです。


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