見出し画像

718ケイマンSと車高調ダンパーの話

こんにちは!
ケイマニアのshokobayaです。
通称" ポルシェを買ったらレーサーになっちゃった男 "ですw

前回、タイヤ毎のバネレート選びという基準で、Caymanのサーキット走行向けセッティングについて話してきました。

しかし皆さんそれより「大好物!」なのは、
単純にモノとして、ダンパー(いわゆる車高調)を交換したらどれくらいのタイムゲインがあるのか?
お値段の高いダンパー、ケイマニアが使ってるダンパーって、本当に価値あるものなのか?
ってことじゃないでしょうか!
こちらについて、データを提供したいと思います。

今回は" 718 ケイマンS PDK "を基に話していきます。
このクルマのチューニング内容は、ECUチューニングで350hp→410hp、420Nm→515Nmへとパワーアップ。
それ以外は安全面でブレーキパッド・ホース・フルードを交換し、フルバケットシートと6点式ハーネスを装着しただけ、という感じです。

初めは「純正PASMダンパー」+「純正バネ」+「ヨコハマA050M」という状態から。
・もてぎ 2'09.668
・富士 1'55.171
純正の足で050履く人も珍しいけどw 実はまぁまぁ走れるんですよ!
車高が下げられず、ロール量がとにかく大きいので、どうしてもコンパクトにしか走れません。(下で紹介する比較動画をご覧ください。)

続いて「アラゴスタ タイプSダンパー」+「KYB F22キロ/R24キロバネ」+「ヨコハマA050M」という状態です。
・もてぎ 2'08.595
・富士 1'53.31
ケイマンで車高調入れたい!といった時に最初に入れる方が多い、ベーシックな1Wayダンパーのひとつがアラゴスタ タイプSです。車高も落ちて嫌なロールは無くなりましたが、この時の私のセッティングは超絶高いバネレートで逆に動かなすぎていわゆるカートのような動きになってしまいました。タイヤへの依存度が高く、クルマとしてはあきらかに正解ではありません。しかし、良い状態のタイヤを履いて、車高を下げて足を硬めれば、ある程度のタイムは出てしまうということがわかります。(ちなみに調整式アームでキャンバー等も同時につけてますので、そのゲインも多少あります。)

最後に「Lazy cube EX 2wayダンパー」+「KYB F22キロ/R24キロバネ」+「ヨコハマA050M」という状態。
・もてぎ2'07.958
・富士1'51.03
草レースidlersを主催する団体とエンドレスさんがタッグを組み作られた国産のレース向けダンパーLazy cubeのEXという更に高性能なモデルです。バネは変わらず硬いままなのだけど、アラゴスタと比べると明らかにダンパーが仕事をしている感じで、ドライバーにはタイム以上に「凄い!」という印象が残ります。縁石や起伏に乗った時の収まりも良く、単純にクルマとして良くなった気がします。街乗りでも、アラゴスタでは突き上げが酷く車が壊れるのではないかと不安に感じる程でしたが、まるでバネレートを下げたかのようにコンフォートになりました。

動画でも違いを確認してみましょう。
微々たる違いに感じるかもしれませんが、乗ってる感覚としては大きな違いです。

このデータから、ストップアンドゴーサーキットと称される もてぎ では" 純正→エントリーグレードのダンパー→高級ダンパー "で、それぞれ1秒前後くらいの上がり幅ですが、
高速コーナーやセクター3の複合コーナーを組み合わせるテクニカルな 富士では、2秒前後くらいの上がり幅があることがわかります。
(軽量化も多少進めてますのでせいぜいコンマ2,3秒くらいでしょうがそこからのゲインも含まれます。)

ちなみに筑波でも、987ケイマンSで同じバネレートでアラゴスタからJRZ1231というこちらも高級なダンパーに交換して比較してみたことがありますが、タイムゲイン自体はコンマ5秒以下に留まりました。
路面が良くストップアンドゴーなサーキットで、タイヤの状態が良い前提であれば、足はそれほど関係ない(語弊あり)と言える理由のひとつかもしれませんが、
逆に鈴鹿やSUGOに行くとアラゴスタとJRZ1231は運霊の差なんですよ!

これに、50万かけるか、100万かけるか、その意味があると思うかどうかは、皆さん次第になりますw

またご注意いただきたいのが、このデータの基となったF22キロ/R24キロのバネレートが正解とは、ケイマニア思っていません。このレートは当時お世話になっていたショップによるセッティングですが、私の個人的な感覚だとフロントは10〜14キロ、リアは12〜16キロくらいの範疇が歴代Caymanにはベターなバネレートではないかと考えています。(タイヤ、エアロや軽量化の具合などによります)

最強ミシュランのスリックタイヤを履くことを前提としているGT4 Clubsportでも、22キロ/24キロなんて高レートはオプション設定すらされていません。
最初に書いたnoteで、メーカーの考えるクルマの作りを壊しすぎないこと、ポルシェらしいクルマを作っていくことが大事だと話しましたが、サーキットを走る為のCaymanということで考えればClubsportを参考にすべきなのが必然。
ケイマニアの愛機である987ケイマンSは、その範疇のバネレートからセレクトしています。

決して安い買い物ではないので、良いとわかっていても買えないんだよ!!
という話もありますが、逆を言えば、そんな方にアドバイスを求められ「もっと走ってひとつひとつテストしてセッティングで詰めていきましょう!」と話しても、
「ですよね〜… やはり◯◯買ったらサクッと伸びますかね?」
なんて話になることはよくあることで、(てかそのパターンがほとんどw)

それに、そもそもテストでポルシェを走らせるってことは、どちらにせよある程度のお金がかかってしまいますから(汗)
そういったメンタルであるならば、そこは腹をくくって!仕事増やすでも身の回りのもの全てメルカリ出すwでもなんでもして、まずは買っちゃうことしか、貴方の悩みを解決する方法は無いかもしれませんね〜。

サーキットのタイムだけに限りませんよ!

クルマの良し悪しを最も実感できるポイントとなる、ダンパーと、付随するセッティングは、絶対の価値があるチューニングメニューです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?