性に関して全くの容赦がない展示がおこなわれている熱海秘宝館。

小さい展示室の間をつなぐ通路には、♀性器を模した装飾もされていた。

ほかにも、限りなく際どい表現がなされていたのだが、展示を見て回るうちに、そもそもアウトとかセーフとかという考え方すらしなくなってきた。

人間である以上、性の呪縛から離れることはできないのだ。

これはだめだとか、ありえないとか言わないで、馬鹿笑いしながら今このときを楽しむのが秘宝館での過ごし方なのだ。

勝手にそう理解した。

中でも個人的に楽しめたのが、座って見れる映像だった。

椅子に座ると展示が作動して、鏡に写った自分に鏡の中の人があれやこれや、ムフフなことをしてくれるのである。

映像は、どうやら数パターンかあるらしい。

私の気に入ったのは、帽子を消そうとした女性マジシャンが全く違うものを消してしまうという映像だ。人がいないのをいいことに、映像が終わるとすぐに立って、またすぐ座った。

画質こそVHS風で少し粗い気がしたが、出てきた女性はかなり見栄えがよかったし、椅子の背もたれにスピーカーがあり耳元で囁かれているような気がして、入場者がすくないことを逆手にとって、２度も座り直した。