医療大麻の未来を期待するテキサス州民

アメリカのテキサス州ではもうすぐ医療大麻が合法的に入手できるようになり、現在その準備が進められています。ここではテキサス州の現状を伝える記事を紹介。

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カリカー夫妻は娘のキャサリンが3歳で難治性てんかんと診断されたとき、発作を治療するための方法を見つけようと必死でした。複数の試みが失敗し、残る治療法がわずかになった時、カリカー家は従来の治療法ではない代替医療を探し求めました。

現在15歳になったキャサリンは1年ほど前から症状抑制のために、ヘンプをベースにしたCBDオイルを摂取しています。

「私たちは犯罪者になりました。今は笑って話せますが、児童保護サービスが訪ねてくるんじゃないかと心配したり、ストレスがなかったわけではありません」母親のテリーは言います。

オースティンにある自宅にCBDオイルを配達してもらっているカリカー家は、娘を助けてきたCBDオイルをやっと合法的に入手できるようになるのを楽しみにしています。

「保守的なクリスチャンで田舎に住む母親」と自称するテリーが、包括的な医療大麻のために戦うことは予想もしなかったことでした。医療大麻について学び、その効能を直接目撃したテリーは、心境が変化したと言います。

「医療大麻は全く私の専門外でした。しかしすぐに、医療大麻を必要とする患者がすぐにでも入手できるにするべきだ、と確信しました」

2015年の立法議会中、グレッグ・アボット州知事はテキサス州例外的使用プログラムに署名し、特定の疾患に対する医療大麻の使用を合法化しました。コンパッショネート・カルティベーション社は10月31日に医療大麻を栽培・販売・流通するための許可証を受け取り、テキサス州で合法的に運営する3つの大麻薬局の1つとなりました。コンパッショネート・カルティベーション社は2018年1月末からCBDオイルの販売を開始する予定です。

コンパッショネート・カルティベーション社およびその他テキサス州の大麻薬局は、精神活性化合物であるTHCを低濃度、非精神活性成分であるCBDを高濃度含む植物の栽培のみ許可されています。栽培された大麻は液体二酸化炭素を用いて圧縮され、消化されやすいオイルに精製されます。テキサス州では、医療大麻の処方は難治性てんかん患者だけに制限されています。たった8人の医師が、テキサス州でCBDオイルを処方するための必須条件であるテキサス州公衆衛生局への登録を済ませました。

従来の抗発作薬2種類が効果を示さなかったとき、初めてCBDオイルの処方を要求することができます。こういった制限があるため、全ての人がテキサス州例外的使用プログラムに満足しているわけではありません。

現行法では不十分だ、と退役軍人のジョシュア・レインズは言います。レインズは軍務中に複数の脳外傷を受けましたが、テキサス州で医療大麻の処方箋を得ることはできません。

「私は自分を治したいだけです。退役軍人局の薬にはうんざりです。あれを飲んでいたときは、自分が自分じゃないようでした」とレインズは言います。

医療大麻を発見して以来、レインズは包括的な医療大麻法を提唱してきました。レインズは、医療大麻によって緩和できる症状に苦しむ人々にとって現在の規制は侮辱的だと言います。

「医療大麻のおかげでオピオイドを摂取しなくて済みました。今可決されている法案は、テキサス州で苦しむ多くの人々にとって極めて侮辱的です」

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テキサス州における医療大麻法で合法化されるのは実はCBDオイルのみで、その適用疾患は難治性てんかんのみなんですね。アメリカでは州によって医療大麻法の適用疾患が異なるのですが、難治性てんかんのみというのはかなり少ないです。とはいえ、調べてみると、適用疾患が難治性てんかんまたは発作性疾患のみという州は少なくなく、テキサス州の他にもユタ州、ワイオミング州、ウィスコンシン州、ミズーリ州、ミシシッピ州などで、臨床試験を受ける場合のみ認めるケンタッキー州など、まだまだ厳しい規制がある州が多いんですね。

適用疾患が多い州では、難治性てんかんの他にがん、パーキンソン病、クローン病、線維筋痛症、慢性痛、多発性硬化症、PTSD、HIV/AIDSなど多岐に渡っています。実際に、CBDが示す多様な効果を考えれば、適用疾患がてんかんのみというのは少なすぎる印象を受けますね。アメリカだけでなく世界中でますます医療大麻が受け入れられていくことが予想されるので、今後こういった規制も緩んでいくのではないでしょうか。

参考:The Daily Texan

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