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【良吉ブログ】ベテラン塾講師直伝! 算数・数学の独学手法

塾講師です。算数・数学を担当して、四十年以上になります。
この教科の画期的な独習方法がありますので、それをここでお伝えします。
というのも、学校授業を受けていない、そして塾に行くこともできないといった「登校拒否」や「引きこもり」の人にも向いていますので、そういった方々に、是非、お勧めしたいと思っているからです。
だからと言って、決して程度の浅い、ヤワなものではありません。戦果はあとで申し上げますが、まずはそのやり方の説明です。

◎対象:小学三、四年生~高校三年生
◎用意するもの
・教科書…学校で使っているもの
・ノート…大学ノート(A罫)。小学生はマス型可。
◎学習の進め方
 1. 新しいノートを準備してください。
    一ページ目、左から3センチのところに上から下まで線を引きます。
    左の欄には「日付」、「ページ」、「例1」、「例2」、「練習1」、「例題1」などの表記を書き入れます。(ノートは、今後のすべての解決のモトになるものです。丁寧に、しっかり仕上げてください。計算には左の欄も使えます)
2. まず、教科書を開きますが、現在学校で習っているところ、つまり学校授業で習ったところの、次の「章」から始めます。今習っているところや、以前に習って分からないところも気になるでしょうがが、それは後でやります。この新しい学習法をしっかり身に着けてからやりましょう。そのためには、全く新しい単元から始めるのがいいのです。
3. 初めの章の「第〇章 〇〇〇」、「第一節〇〇〇」から書き取ります。
教科書に書いていることは、順番に、すべて書き取っていきます。しっかり、あとで読んでも分かりやすいように、きちんと書き進めてください。ショートカットはここでは厳禁です。「読めばわかる…」もここでは評価しません。それは読んだつもりでいるにすぎないからです。諦めて、ゆっくり読みながら書いてください。
「例」や「例題」などは極めて重要な書き取り箇所です。「例」を眺めただけで、すぐその下の「練習」や「問」をやるのがこれまでの算数、数学だったでしょうが、これからはダメです。キチンとそのまま「例」を、(1)から最後の(4)まで書き写して、それから練習台に入ってください。
4. 分からないところがでてきたら、少しスペースを開けて先に進むこともあります。後で分かったとき書き込むことにしましょう。
5. 「節」の終わりには「節末問題」が、章終わりには「章末問題A・B」があります。ここはじっくりと取り組みたいところです。結局、ここを完璧に理解するのが最終目的なのですから、たとえ一問であっても、ジャンプすることがないよう粘ってください。
6. この勉強法は、「予習」の分類に入るですが、授業を念頭にした進み方ではありません。どんどん進めてください。そのためには、毎日、続けることが重要となります。反復練習はほとんどせずに、「章末問題」まで進んでそこで反復するので、途中でブランクを置くと、前までやったことを忘れてしまうのです。私は「一日最低十分!」を提唱しています。

◎実際例: 成功例、失敗例を上げながら、わが塾でのこの勉強法の実態をお知らせしましょう。
「効果が表れるのは三か月後から」としていますので、三か月続けられる人が対象となります。高校三年生は100%参加します。そしてその100%が成功しています。
ところが、その他の中高生は、なかなかむつかしい…。ほとんどが途中で挫折してしまいます。部活が忙しい、とか「分からないところが分かればいい」としか、塾に期待をしていないからでしょう。
高校三年になって、やっとこれまでの勉強では追いつかないと気付き「四月まで合否判定Eだったのが、十月でD、センター試験(共通テスト)でCになった」という例を出しますと、深い理解を示してくれて、合格にこぎつけるのです。この例から詳しく述べましょう。
1.  これまで宿題に追われ続け、進学クラスで「ビリから5番になった」O君、私から「この勉強を続けて、もしダメだったら、ボクは看板を下ろしてもいい」と言い切られると、親も一緒の三者面談で、宿題からの解放を訴え、学校からOKをもらってきました。そこから彼は、教科書中心のこの勉強法に切り替え、復習型ではありましたが、塾の自習室で「数学Ⅰ」から始めまたのでした。全国模試の最終回でやっと判定がEからDとなり、センター試験(共通テスト)でC、本番に間に合いました。
2.  次の例も受験生です。推薦入試に希望をかけるMさん。高二の終わりごろ「数学の評定が1になってしまいました…」と落胆していました。学校評定の平均が4以上とならなければ校内で落とされてしまうのです。彼女にはノート2冊を駆使して、一方は復習、もう一方はこの勉強法による予習です。3か月はかかったと思いますが、「評定『5』を取りました」と笑顔満面となり、無事、合格まで到達できました。
3.  さて、次が「登校拒否生」の例です。高校生もいましたが、ここでは中学生についてお話します。
   
 

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