はじめに

第３弾

約４０００文字・画像６枚、iOS Pagesに換算すると９ページ相当です。
普通読みで全部で８分程度。

成長株は短期間に大きな利益を得られるから魅力的ですよね。しかし、上がりきった後に購入しても旨味はほとんどありません。

成長株を過去に遡ってみると利益が赤字だったり低迷している時期があり、その時期は割安に放置さていることが総じて多いと感じます。

赤字や低迷している段階で適切な分析を行って、成長株に移行する前の銘柄を選定していきましょう。

私は株式投資を宝探しだと思っています。銘柄数3500という数の中に、将来性があるものの、市場が未だに注目していない銘柄が埋もれて隠されています。

自分の持っているあらゆる技術、知識を駆使して、誰よりも早く将来性のある銘柄を発見することにロマンを感じています。

それを発掘することが株式投資の醍醐味だと思います。

今回の記事では、導入株を深く知るために、成長株についての解説に重点を置いております。

株価が形成される仕組みは？成長株とは何か？安い位置で買うにはどうしたら良いか？など見るべきポイントを図や例を用いて、わかりやすく解説していきます。

今回で第３弾目になります。第３弾は長編となりますので３編に分けてご提供致します。

残り２編については作成中なので、続編ができるまでお待ち頂けたらと思います。

また、加筆や修正等も発生する可能性もあります。予めご了承くださいませ。

１、導入株とは？

まず最初に、導入株とはなんぞやという方に、企業ライフサイクルというマーケティング理論の考え方から導入という言葉について学んでいきましょう。

企業は人の一生になぞった企業ライフサイクルという概念が存在します。

発達心理学では、人が生まれてから死ぬまでを乳児期、幼児期、児童期、学童期、青年期、壮年期、成人期、老年期の８つ段階に分類しています。

企業も人の生涯と同様に設立から消滅まで、いくつかの段階を経ていきます。一般的に４分の３の企業が約３０年で寿命を迎えると考えられています。

また、微生物学や製品でも用いられており広域で通用するので、覚えておいて損のない概念となっています。

企業ライフサイクルの段階は、導入期、成長期、成熟期、衰退期の４つの段階に分類されています。

上図をご覧ください。導入期とは企業が初めて設立されたばかりの段階であり、市場に企業や製品の価値を理解さていないので、売上高が低い状態を指します。

この段階では製品を作るための人や設備の費用、製品を売るための広告費用が重なり利益が赤字、営業キャッシュフローも総じてマイナスとなります。

導入期後半になると、売上額が上昇したことで損益分岐点が変わり徐々に利益が表面化していきます。

成長期では企業や製品の認知度が上がり需要も拡大していきます。それに伴って、売上高が大きく伸びていきます。

利益面についても、製品が売れることで規模の経済の原理が働き費用が削減され大きく伸長していきます。いわゆるブルーオシャンと呼ばれ、競合相手が少ない市場で優位に立ち振る舞うことができる段階です。

しかし、成長期後期になると競合相手の出現により、市場の奪い合いや顧客の価格値下げ要請などが発生し売上高と利益の伸びが鈍化していきます。

そして、早くも売上よりも先に利益は頂点を迎えます。

次に成熟期では、顧客の新規購入需要の消滅などにより売上高が減少していきます。

自社ブランドの維持やシェアの奪還戦略等に多額の資金を投入するため、利益に関しても同様に減少していきます。こちらはブルーオーシャンとは逆に、血肉を削って競争を行うためレッドオーシャンと呼ばれます。

最後は企業の生死を掛けた節目となる衰退期です。市場のニーズの変化、技術の進歩により製品の代替品が出現し過去の製品の魅力がなくなり、より一層売上及び利益が減少していきます。

この段階でマーケティングの強化や戦略の見直し等、適切な対策を実施しなければ寿命を迎え衰退、消滅していきます。

タイトルに書いたように導入株とは、企業ライフサイクルの”導入期”の段階と”株式”を合わせた私独自の造語になります。

ここでのポイントは下記の通りです。

・導入期後半から成長期初期に掛けてが最も売上高と利益が伸びる
・増収率・増益率が高く、売上高利益率も高くなる


私たち個人投資家がこの初動に乗り大きな利益を獲得するには、導入期後期に差し掛かる前の導入株を発見して、赤字企業分析をしてから仕込むことが大切になります。