マイファーストスーツケースを、覚えているでしょうか？
わたしは、無印良品でした。
今でこそ地模様のボーダーがシンプルでかっこいいアイコニックな存在となっていて、機能性にも一定の評判のある無印のスーツケース。
（羽生結弦フィーバーで売り切れたこととかありましたよね）
その当時は、ポリカーボネートのつるつるした、縦に彫った線の並ぶワインレッドに黒のふちどりのちいさいもの。40リットルはしなかったんじゃないかと思う。

と、ここまで書いて、ほんとうに無印良品のものだったか怪しくなってきた。ワインレッドなんて無印良品らしくないカラーだし（コーポレートカラーとしてはあるけど、商品にはそうない色）、もしかしたら町のかばん屋で見つけたものだったかもしれない。いきなりの転倒で申し訳ないが、まあ最初は角の丸っこいやつだったのだ。

基本的に物は壊れるまで使う、もしくは琴線に触れたものが現れたら手に入れることとしているので、マイファーストスーツケースは故障によって引退した。ハンドルを支えている伸縮する２本の平たい棒が内部で壊れて、１本が戻らなくなってしまったのだ。
走らなくなってからも、なんとなく捨てずに今もまだ自宅にあるのが不思議だ。久しぶりに開くと、急な荷物の対応に入れていた不織布のショッパーが、乾燥でパリパリの粉々になって出てきて、そっと閉じた。

そのあと迎えたのは、ACEのHaNT マインだった。色はミント調がさわやかなブルークローバー。
ドラマ「あなたのことはそれほど」で、波瑠さん演じる主人公が、家出のお供としたのも同色だった。

今、ブランドサイトを見ると、お〜！ noteで注目しているクリエイターの古性のちさんが手がけている。

HaNTはぜひ、成り立ちから知っておいてほしいプロダクトチームなんだけど、当時は「開発に女性が多数いて主導した」として注目されていた。

SNSで見かけた、脱ダサピンクの方針に共感して買ったんだったなぁ。
前より容量はすこし大きくして47リットル。
色ごとに内装の柄も異なり、外装にHaNTを示すアイコンを置いたり、斜めに入った溝もおしゃれに思えた。
仕事終わりになると、ショッピングセンターのかばん屋さんへと、あれこれと品定めのために行っても、黒か紺、シルバー、暗い色か重たい色が多くて、生地だと多少、明るいトーンのものはあれど、雨対策を思うとやっぱりポリカーボネート製だよな〜とうんうん唸っていた。

そういった中だからこその華やかな色展開（しかもダサピンクじゃなく、おしゃれな！）には、否応なしに心がはずんでしまう。
ポケット付きの間仕切りがあって、デバイス用のコードをまとめたり、液体ものも散らばらずにしまえて、使いどころにきちんと目をやってる造りには、やっぱりありがとうって言いたいし、褒めたい。
ちゃんと人気あって続いてるシリーズなので、うれしいですね。カラバリも今ではめちゃめちゃ増えている！

ネットから買えるだけでなく、スーツケース / キャリーケースのレンタル利用ができるのも便利になってますよね。
5日間で5,000円もしないのなら、これからホテルステイをちょっとずつお試しでやってみたい人やミニマリスト向けで、使いやすさを比べて、お気に入りを見つける手立てになるかもしれない。

HaNT マインも５年も使うと、やはりハンドルにガタが来てしまった。
初代同様、ハンドルの支柱がはずれてどうにもならない。それはそうだ。時間が迫って慌てて登る階段で、伸ばしたままの伸縮ハンドルを持ち上げると、負荷がかかって壊れてしまう。
ということで、今から２年前に、やはりHaNTと思って、ネットサーフィンをぐるぐるすることしばらく。
ﾑﾑｯ！ なんか異様に安いものがあるな！ と目が光って捉えたのが今の相棒、HaNT ラミエンヌ。

安い理由はシリーズ廃盤のため、終売品だからでした。
20,000円でおつりが来たお得さにふるえた。予算30,000円台からすると、容量が10リットル近く増えて10,000円も浮いたのだからバグを起こしたように何度も表示を見ては止まり、ちょっとだけ様子見もしました。
（安すぎて身元の怪しい業者のものを見てるのかと思ったんだよ）

ブラックとネイビーでぎりぎりまで迷って、意を決してネイビーに。
外装はレザーっぽい風合い。フレームの金属部分を、くすんだピンクゴールド調で仕上げてあるんですけど、この上品さが気に入りました。
現行品だと、HaNT メトロノームが近いデザインです。

買ってみての使用感として、容量が増えたことで冬場のニットやボトムスをしまっても、かさばらないでいてくれる頼もしさがある。
連泊で服のバリエーションを減らすと、その分おみやげをしまえる余裕ができるし、移動中のハンドリングを考えてもこれが限度かなと思います。

さて、ラミエンヌは順調だし、まだまだバディで居たいです。
2021年のいくつかのホテルステイで、収納量と使いやすさを実感しました。
しかし、もし寿命が来て、買い替えとなったら次はどれにするのかな〜、と思うようになったのは以前、TBS「マツコの知らない世界」で、スーツケースの回があったからで。
世の中にはこんなに多種にわたってスーツケースがあって、そしてまだまだ知らない、目にしたことない形のものもあるんやなぁ、とTVerを眺めていました。

とびきりのビタミンカラーのかわいいリモワは憧れだけど、予算30,000円台で考えると及ばず。ラミエンヌをめちゃくちゃ気に入っているので、パーツが壊れたら修理をするか、あるいはメトロノームで続投しちゃってもいいかも、と思っていたのだけど。
「マツコの知らない世界」で紹介されていた、幾何学模様がいかついレジェンドウォーカーはどうかな〜、と通販サイトのお気に入りにひとまず入れてみる。今すぐどうとか言うわけではなく、これは備えなのだ。

外装がメカメカしくてかっこいい。くぅ。
コックピットみがある。

街歩きの最適化を目指したらLOUIS VUITTONになった件

目指したのは、最小化。
キャリーケースのお供にどんなバッグを持つのかは課題で、ファッションに合わせたくてそのときだけ大きなレザーのハンドバッグ、となると、なかなか荷物を圧迫して、現実的ではありません。
極限まで削ぎ落として歩けるバッグ、となったら財布と交通IC、スマホとリップが入ればいい。
縦型のショルダーバッグと決めていて、さまざまオンラインショップを探して理想の形が立ち上がってきたのが、LOUIS VUITTONのプティット・サックプラのシリーズでした。
ということで、どこに出かけるにもバッグはこれひとつ。
キャリーケースを部屋に置いたら、いつもこれだけ持って、街に出ます。
ちょこっとだけ財布が飛び出るけど、それがかっこよくなるようモノグラムと色を合わせています。

長時間の外出で、メイク道具やドリンクなど手荷物が多いときは、バックパックにします。
Rebecca Minkoffのこれは、下のリングを外すと収納量の調節ができるタイプ。キャリーケースを携えるなど、旅行の間は、とにかく両手をフリーにしておきたいので、肩と背中にものを預けることが最も大事な要項です。

どんな服を着て、靴を履き、かばんを持つのかの組み立ては、街に溶けこむためのルーティンと言えます。
縛りのあるなかで物を考えるのも、鍛えられていく感じもしている。
今のわたしが心地よく過ごすには何が必要で、また何を足していくのか、持っていったものの意外と不要だったなら、思いきって止めてみるとか、自分の決断の訓練そのもの。
（そうと言いつつ、本１〜２冊は読まなくても持っていってしまう）
わたしは、ホテルステイを自己肯定感を感じるリトリートとしているので、そうして自分の快と不快に自覚的になっていきました。
犬や猫は、寝場所にお気に入りを持ち込んだら、毛布を丹念に敷き直し、自分好みに場を作りますよね。
泊まり歩く経験から、異なる場所で同じように場を整えられるかどうかは、自分の心と腕にかかっているのだと知りました。

ラミエンヌのなかに、お気に入りばかり詰めたら、次のホテルも快適になるって、もう決まってる。




キャリーケースに必携のアイテムについては、こちらのnoteで。

chicca