見出し画像

桜蘭高校ホスト部について

 え、今更この伝説の漫画について語るんですか?といわれても仕方がないが、つい最近読み返したのだから仕方があるまい。名作はいつ読んでも面白いからこそ名作なのだ。

 約十年前にアニメを視聴し、漫画もさらっと読んだきりだったこの作品。なぜか先日いきなり読み返したくなり、次の日には全巻家にそろえていた。

で、だ。今回の本題はそこではない。今回の本題というのは

 「推しキャラ変わった問題」

 だ。約十年前。十代のキャピキャピしていた頃の私は、いわゆるBL好きのオタクであった。ここまで来れば想像できるでしょう。そうです。常陸院ブラザーズに単純に萌えてました。あと、眼鏡とクール系が好きなので鏡夜先輩が大好きだった。実際、環先輩は申し訳ないが受け付けず(当時の私は王子様やボケキャラが好きではなかった)、ハルヒとくっつくのは鏡夜先輩か、光だと思ってました。心の底から。ちなみに私はBL好きとはいいつつも、ヒロインのことも好きになり、きゃあきゃあいえるタイプの人間だったので、例の海回や肝試し会できゃあきゃあいってました。

 鏡夜先輩について

 彼のよさといったら、なんといってもそのクールな知的さと、そのうちで燃える熱い炎のような出世欲である。人前では鳳家の三男として、「跡取りなんてそんな無謀なこと考えておりません」というポーズをとりながらも、本心では下克上に燃えている。
 また、主人公ハルヒとの関係性においてはハニー先輩に「一番の無自覚さん」と称されている。これは第三巻の海回を例に挙げて考えてみたい。
 彼がハルヒをベッドに押し倒し、自ら悪役に徹したとき、こじらせ解釈オタクの私としては、「メリットがないから」彼女に手を出さなかったのではないと考えている。まず、彼は無自覚にも心の一番奥底でハルヒに淡い恋心を抱いていたのではないだろうか。その上で「ハルヒに自らの失態を自覚させる」という建前を、本人自ら「本音」であると思い込むというなかなか複雑な構図になっている。
 ハルヒに「メリットがないから私に手を出したりしない」と言われたことで、彼は自らの本音(実際のところは建前)をはっきりと自覚した。心の奥底にある自分の真の本音をすっかりと見失ってしまっているのである。
 彼がどうしてハルヒという一見「メリットのない」人間とともにいるのかといえば、物理的メリットがなくとも精神的メリットを無自覚ながらも見いだしているからに他ならない。

 いろいろ偉そうに語ってきましたが、とにかく顔と性格が大好きなので彼はとにかく推しです。

 光と馨について

 まず、彼らについてなのだが、改めて読んでやっとわかった。名前が源氏物語なのか!だから光がお兄ちゃんなんだ!という遅すぎる気づき。
 彼らの好きなところはやはり、鏡夜とは異なり、ハルヒへの恋心を露わにしているとことである。光に至っては、THE少女漫画な展開をたくさん読者に見せてくれ、応援したくなるツンデレ感。また、双子という特殊な問題から、彼らはハルヒを同時に好きなる。しかし、そこでお互いの成長に昇華しているところや、前向きなところ。大好きなんだよ。
 馨の告白シーンは一番心に残っていて、なんだかんだ彼らのわがままさが全面に出ていると考えている。

環先輩について 

 本題である。先述の通り実は十年前に作品に触れた際、環先輩はそこまでタイプではなかった。しかし。十年の時を経て、私の好きな男性像は変わったのであろうか。環先輩かっこよすぎ。
 
環先輩のひたすらにまっすぐで甘くて優しくて、決してハルヒを馬鹿にすることのない(正確に言えば、無自覚に散々馬鹿にしているが、少なくとも近年のSキャラやツンデレにありがちな見下すような発言は一切ない)彼の魅力にとりつかれてしまった。
 特に心臓を貫かれたシーンは、ジャムをお土産に持ってきたところで「メイちゃんには内緒」というシーンだ。メイちゃん(というかメイちゃんの父?)に対する優しさと、ハルヒへのあの甘い笑顔が重なってあまりにかっこいい。
 また、これはアニメの最終回の話なのだが、最終回ハルヒの手を取るために車から飛び出すシーンが何回見てももだえる。その上でエクレール嬢にも優しく、ああ、この人心から優しい人なんだという。こういう圧倒的な他人への優しさに心打ち抜かれている。


 あらためて、今回ホスト部を再読・再視聴して作品の捉え方が結構変わっていたことに驚いた。好きなキャラについてももちろん、10年前の私の恋愛観や、一人暮らしを経たことによる生活への考え方など、変わっていた。

 皆さんも、もしお時間があれば昔読んだきり・見たきりの作品を見返してみるのはいかがだろうか。


 そして、今回うまく話題にあげられなかったのだが、ハニー先輩やモリ先輩はやはり一枚上手であった。特にハニー先輩について、部内の関係をよく見ているなと。無自覚さんをうまく拾い上げ、我々読者をドキドキさせてくれてありがとう・・・・・・。
 ちなみに、読み返して感じ方が変わったところがもう一つ。以前は常陸院ブラザーズのBLにお熱だった。今回気になったCPは、チカちゃん等の弟組です。かわいいーーーーーーーーーーーー!!!!!

この記事が参加している募集

マンガ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?