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フェムテック・フェムケア市場のトレンドとこれからについて聞いてみた

皆さまこんにちは。CCI Lifestyle Digital CONNECTです。

先日より、弊社主催ウェビナー「【マーケット急成長中!】フェムテック市場の実態と今後 ~効果的なメディア活用方法とは?~」の中でご報告した、フェムテックに関する調査の結果を2回に分けてお届けしました。

▼調査結果の投稿
注目度上昇中!!フェムテック・フェムケア市場の実態とは!?ー生理の悩み・妊活/不妊の悩みについてー
注目度上昇中!!フェムテック・フェムケア市場の実態とは!?-妊娠/産後の悩み・更年期の悩みについて-

同ウェビナーでは、集英社『yoi』編集部の種谷美波さん、美容ライターとしてご活躍中の長田杏奈さんをお迎えし、トークセッションも行いました。こちらの記事では、その内容をご紹介いたします。
※ウェビナーでのトーク内容をnote向けに編集しております。

注目のメディア『yoi』の誕生秘話を交えて、フェムテック市場のトレンドや今後など、フェムテック・フェムケアに関して精通されているお二人に色々とお話をお聞きしましたので、ぜひ最後までお楽しみください。

<ゲストプロフィール>

種谷 美波氏
株式会社集英社 yoi事業室 編集
2017年入社 ノンノへ配属。2021年にyoiの前身となる企画を会社に提案し、サイトの立ち上げから携わる。
yoiローンチ後は、ブランドビジネス部yoi事業室に所属。


長田 杏奈氏
美容ライター
美容をメインに、インタビューやフェムケアなど、数多くの雑誌で記事を執筆するライター。著書は『美容は自尊心の筋トレ』、責任編集に『エトセトラVOL.3 私の私による私のための身体』(エトセトラブックス)。yoiでは「体・心・性」に関する日々の気づきを軸に、コスメやコンテンツを紹介する『ゆるぱわめんとコスメ』を連載中。

『yoi』について


種谷さん「私はもともとnon-noの編集部にいましたが、non-noで色々な企画を担当する中で、体・心・性に関する記事が特にWebにおいてとてもヒットしていました。こういったジャンルに関しては、正確で面白く、きちんと編集された情報が求められていると感じていました。そういった読者のニーズに対して、10代〜60代まで、さまざまな年代の女性を熟知している集英社だからこそ、できることがあるのではないかと考えたのがきっかけです。」

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フェムテックに関する注目度や反響の変化

種谷さん「フェムテックの定義はすごく広いですが、その中でも『デリケートゾーンケア』については、特に変化が顕著な印象があり、薬局などで手軽に手に取れる、フェムケア寄りなちょっと “ゆるいフェムテック”というようなものが浸透してきたように感じています。

たとえば、最近『yoi』の公式TikTokでは、色々なフェムケアアイテムを紹介する『10秒フェムテック』というコンテンツをアップしているのですが、計700万回以上今再生されています。SNSでもこういったコンテンツがすごく増えていて、特に若い世代の中でフェムケアやフェムテックが『日常の一部』になってきていると感じています。

yoi公式TikTokより

長田さん「比較的手に取りやすいデリケートゾーンケアアイテムは、フェムテックの入口としてすごく人気があると感じています。日本で意外だったのは、特に『膣トレ』が注目を集めていることです。伊勢丹新宿店で行なった『フェムテックフェア』という催しでは、膣トレアイテムが在庫切れになるくらいヒットしたそうです。
 
今まで『膣トレ』は、産後の経産婦のケアとしての側面が注目されていましたが、それ以外の方にも浸透しはじめていて、デザインや色見などもポップでキャッチーなものになっています。ゲームのアプリと連動して楽しみながら実践できるものもあり、フェムテックのアイテムとして面白いなと思いました。
 
また、最近はVIO脱毛が若い世代の間で浸透していることもあり、デリケートゾーンケアへの関心が高まっていると思います。また、家庭用のVIOにも使える光脱毛器が各社から出されていて、店頭でもすごくよく売れたという風に聞いています。」

センシティブな内容を発信する際に気をつけていること

種谷さん「yoiのスタンスとしては、『妊娠・出産』や『パートナーシップ』、『性』にまつわる選択に、確かな答えや正解はないというのを忘れないようにしています。例えば『Stories of A toZ』という連載では、ひとりの方の個別のケースを深掘りして悩みに向き合い、その悩みに対して適切な専門家が適切にアドバイスをくれるというコンテンツの作り方をしています。一人一人状況は違うからこそ、悩みの回答や解決策をできるだけ一般化しすぎないということも合わせて考えるようにしています。」

長田さん「私が特に気をつけているのは、ひとつはジェンダーについてです。フェムテックの『フェム』とは女性を意味する『Female』からきていますが、女性の中には生まれたときに割り当てられた戸籍上の性別と自認する性が違うトランス女性もいます。例えば生理があったとしても、トランス男性やノンバイナリーという可能性もあり、一口に『女性』『生理』といってもジェンダー的に一様なわけではないことを意識して、無意識に(性自認と生まれたときに割り当てられた戸籍上の性別が一致している)シスジェンダー女性が前提になっていないか、他の人を弾くような発信になっていないか、ということを念頭に置いています。

他にも、セクシャルプレジャーの話をするときも、アセクシャル(他者に対して性的な欲求を抱かないセクシャリティ)やアロマンティック(他者に恋愛感情を感じないセクシャリティ)の人の事を考慮に入れて、『これが普通』『これが一般的』という表現はなるべく使わないようにしています。

あとは格差の問題です。フェムテックは特に日本に入ってきてすぐの頃は単価も高いものが多く、そこで問題になったのが『生理の貧困』というものでした。貧困でナプキンが手に入らなかったり、情報にアクセスできない人がいるということも念頭におくように気を付けています。」

 現在の課題と今後の展望

長田さん「よくフェムテックのメーカーさんの話から聞くのは、日本は規制が厳しいため、私たちの身体や安全を守るためとはいえ、海外でフェムテックの最先端といわれているものがなかなか入ってきにくい状況、ということです。もっと色々なアイテムが日本に入ってくる構造的な体制が整えば、もっと本来の意味でのフェムテックやフェムケアに関する認知度、関心が上がるのではないかと思います。
 
一方で、さまざまなアイテムが販売されている今、女性の身体を資本扱いしないということが大切だ、と感じます。また、フェムテックに解決を求めることで、医療の観点から病気の早期発見が遅れてしまうのではないかというような懸念もあります。そういうことが起きないように、医療や科学との線引きや連携は大事にしてほしいなと思います。

 
海外のスタートアップ企業のHPを読むと、女性の社会進出やジェンダー不平等の問題をどう解決するかについてすごく熱心で、『こういうポリシーでやっていく』、『売上の●%をこういうところに寄付する』、という発信を熱心にしているところが多いです。そういうCSR(企業の社会的責任)やCSV(企業が競争力や経済性の向上を追求しつつ社会的な課題解決に取り組むための考え方)についても、女性の健康課題を取り扱う上で、意識する企業が増えていくとよいと感じています。」

 種谷さん「まずyoiでは、『正しい』はもちろんのこと、そこに『楽しい』が入ってくることを意識してコンテンツを発信しています。ただ製品を紹介するだけでなく、エディターが実感を持って感想や情報を届けていくという点は今後も続けていきたいと思っています。
 
また、最近では、あらゆるメーカーさんからいい製品が出ていますし、海外から輸入される製品も増えてくると思います。選択肢がどんどん増えていく中で、多くの人が『自分にあったものを自分で選ぶ』ためのヒントにしてもらえるコンテンツを届けていきたいと思っています。」

 

3回にわたりお届けしてきたフェムテック・フェムケアに関する投稿は以上です。
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